Thursday March 23, 2006

US Market Recap

飛行機と昇格

マーシー・スミスさんが会社を辞めたのは、飛行機恐怖症が原因だった。USAトゥデイによれば、2年前、スミスさんはフィラデルフィアでの会議に出席するため、アトランタで飛行機に乗った。席についたところまでは良かったのだが、やはり怖くてたまらない。結局パニック状態に陥ってしまい、スミスさんは飛行機から逃げ出してしまった。

CNN、ギャラップ社、そしてUSAトゥデイの調べによると、27%の成人が飛行機に乗ることに何らかの恐怖を感じ、9%が極度の恐怖を感じる、と回答している。飛行機恐怖症のために、多くのアメリカ人が昇給のチャンスを逃しているのは事実だが、企業側も被害を受けている。本当ならAさんを重要な商談に送りたくても、Aさんの飛行機恐怖症がそれを許さない。代わりにBさんを起用することになるが、Aさんほど専門知識が無い。これでは、商談が難航する可能性がある。

2001年9月11日、テロリストにハイジャックされたジェット機が、ニューヨークの世界貿易センターに体当たりした。この事件を境に、飛行機での旅に不安を感じる人が増えたが、こんな事実もある。「9月11日以前は、上司に飛行機恐怖症を打ち明ける人は、ほとんどいませんでした。しかし、テロを理由にすることで、飛行機恐怖症は正当化され、遠方への出張を簡単に免れることができるようになりました」、と不安障害協会のジェリリン・ロス氏は言う。

トニー・コーンハイザー氏も、飛行機恐怖症に苦しむ一人だ。氏はスポーツ・ジャーナリストだから、場所がどこであろうと、競技場に行かなければならない。ニューヨーク、ダラス、シカゴ、とフットボールの試合を追うこともあるようだが、コーンハイザー氏は、会社から特別に手配されたバスで移動している。飛行機ならロサンゼルスからニューヨークまでは約5時間15分ほどだが、バスだと4日はかかるから大変だ。

ジェリリン・ロス氏は、全ての飛行機恐怖症に悩む人たちは、精神医などの専門家に相談することを勧めている。絶対に治るという保証は無いが、カウンセリングやセラピーを繰り返すことで、ほぼ90%の人たちが、飛行機に乗れるようになるようだ。

ジョンズ・ホプキンズ大学のアラン・ラングリーブ氏によれば、飛行機恐怖症が仕事に支障を来たさない限り、専門医が利用されることはない。「このビジネス会議に出席しなかったら昇進できない。大事な社員教育だから、行かないと会社での地位が危なくなる。皆そんな切羽詰った状況になって、初めてカウンセラーに会う決心をします。」

さて、ここで話を戻そう。飛行機から逃げ出したスミスさんは、上司にこう連絡した。「航空会社の手違いで、フライトはオーバーブッキング状態でした。私の予約も取り消されてしまい、会議に行くことができませんでした。」結局これで、スミスさんと会社の関係がギクシャクしてしまい、辞表を提出することになったわけだ。その後スミスさんは、カウンセリングやセラピーを受けて、現在は違う業界で仕事をしている。まだ飛行機は怖いようだが、もうパニック状態に陥ることは無くなった、とスミスさんは言う。

Stocks You Need To Know About

注目の半導体セクター

下でも少し説明したが、期待された新オペレーティングシステム、ビスタの販売は、来年まで延期となった。マイクロソフトの目玉新製品だっただけに、マイクロソフトは窓を開けての下げとなった。このニュースが発表された直後、メリルリンチのアナリストが、こんなことを言った。「新製品の発売延期は、半導体セクターに悪影響です。」

下は半導体セクター指数の日足だが、見ての通り既に下げは始まっていった。確かに今日のニュースで下げてはいるが、先週の安値を割ることはなかった。これで悪材料出尽くしなら、そろそろ半導体は底打ちかもしれない。

0322semi.gif

Wall Street English

早くも売上懸念

マイクロソフトは、新オペレーティング・システム、ビスタの販売を来年まで延期した。このニュースで、既にこんな心配が出ている。

The delayed release of Microsoft Corp.'s much-anticipated Vista operating system until after this year's holiday shopping season could hurt consumer electronics and office supply retailers, analysts said on Wednesday.

来年まで発売されないとなると、クリスマスシーズンにはコンピュータの売上が伸びそうにない。そうなると、オフィス用品の専門店や家電製品小売店の売上に悪影響となりそうだ。

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット