Friday March 17, 2006

US Market Recap

鳥インフルエンザと豚肉

アラバマ州で狂牛病が報告された。そしてこのニュース直後、農務省は鳥インフルエンザに対しての準備を、本格的に進めていることも報道された。狂牛病や鳥インフルエンザは、単にレストランだけの問題ではない。サンダーソン・ファームズは鶏肉製造加工業者だが、今年に入ってから株価は33%の下落だ。牛肉鶏肉製造加工業者のタイソンも22%程安くなっているから、投資者は胃が痛むことだろう。

全ての肉類がダメなわけではない。現に、豚肉ソーセージで有名な、ボブ・エバンズの株価は1月から28%の上昇だ。去年ナスダック市場で取引が始まった、豚販売業者プレミアム・スタンダード・ファームズは13%の伸びを見せている。

AP通信によれば、「そろそろ渡り鳥の季節ですから、向こう数カ月間以内に、米国の鶏が鳥インフルエンザに感染する可能性があります」、と国土安全保障長官のマイケル・チャートフ氏は語っている。また、アラロン・トレーディングのモルガン・ペイスリー氏は、こう警告する。「鳥インフルエンザは、本当にアメリカを襲うだろうか、というのは正しい質問ではありません。鳥インフルエンザの鶏への感染は時間の問題です。」

世界保健機関の資料によると、2003年以来、鳥インフルエンザが人間に感染したことは175回あり、96人が死亡している。米国の歴史を振り返ってみると、人間への感染を防ぐために、1983年から1984年の間に1700万羽の鳥が殺された。これに費やされた経費は6200万ドルに及んだ。(実際に殺された鶏の数は不明)

アメリカは世界最大の鶏肉生産国であり輸出国でもあるから、鳥インフルエンザの発生によって受ける経済的ダメージは大きい。「鶏に鳥インフルエンザがうつるような事態が発生すれば、アメリカの養鶏業は壊滅の可能性があります。鶏だけでなく豚肉も取り扱っている業者は生存できますが、鶏だけに頼っている業者は生き残ることが難しいと思います」、とペイスリー氏は言う。

アメリカは、デンマークとカナダに次いで、世界第3位の豚肉輸出国だ。2005年、アメリカは110万トン(史上最高)の豚肉を輸出し、輸出量は15年連続で伸びている。

既に狂牛病で牛肉は不安な状態だから、実際に鳥インフルエンザが鶏に感染なら、米国内での豚肉需要は爆発的に増大することだろう。となれば、上記したボブ・エバンズやプレミアム・スタンダード・ファームズは、まだまだ上がるのだろうか?そして、サンダーソンとタイソンは暴落するのだろうか?アナリストたちの意見を要約しよう。

2003年の狂牛病騒動では、マクドナルドやアウトバック・ステーキハウスが投げられた。マクドナルドと同業のウェンディーズも売られたが、2003年5月20日に売った人たちは後悔したことだろう。なぜなら、ウェンディーズは2003年、37%の上昇を記録している。

タイソンとサンダーソンは既に悪材料が織り込まれ、株価はほぼ下げるところまで下げている。割安な株価だから、S&P社のアナリストはタイソンに買い推奨を出している。

ボブ・エバンズが買われているのは、狂牛病や鳥インフルエンザが真の原因ではない。アメリカでは、豚肉が生産されすぎ値段が安い。これは豚肉ソーセージメーカーのボブ・エバンズに好都合であり、高利益につながったわけだ。

Stocks You Need To Know About

好材料と悪材料

大手証券会社ベア・スターンズは、好決算の発表で窓を開けての強いスタートを切った。しかし、下のチャートで分かるように、寄付いた場所はレジスタンスゾーンだ。さっそく売られたのだが、それにしてもよく下げる。おかしいな、と思っていたら、決算ニュースの後に、こんな報道がされていた。

Bear Stearns will pay $250 million to settle charges of illegal mutual fund trading, the Securities and Exchange Commission and New York Stock Exchange said Thursday.

不法ミューチュアルファンド取引で、ベア・スターンズは2億5000万ドルの罰金を払うことに合意した。これで、好決算ニュースが中和されてしまったわけだ。

0316bsc.gif

Wall Street English

迷惑な携帯電話

ラスベガスの映画館からの話題を紹介しよう。

LAS VEGAS (Reuters) - Movie theater owners faced with falling attendance are considering asking federal authorities for permission to jam cell phone reception in an attempt to stop annoying conversations during films, the head of the industry's trade group said on Tuesday.

客数が減少する映画館だが、館内での迷惑な携帯電話使用を避けるために、映画館のオーナーたちは連邦政府に、館内で携帯電話の使用を不可能にするシステム取り付け許可を求める計画だ。

 

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット