3月28日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、短期金利が4.75%に引き上げられることを疑うマーケット関係者はいない。これが最後の引き上げになる、といった声も全く聞こえてこないから、5月の会議でも金利が上げられることことだろう。
いったい、いつになったら金利引き上げ政策が終わるのだろう?セント・ルイス連邦準備銀行のウィリアム・プール氏は、ロイターとのインタビューで、こんなことを言った。「悪質なインフレに襲われるよりも、金利は上げ過ぎになるところまで上げてしまった方が無難です。今後も予想以上の経済成長が続くなら、連銀はもっと強くブレーキを踏まなくてはいけません。」
経済が減速しない限り、連銀は金利引き上げ政策をやめそうにない。これでは最後の利上げが、いつになるか見当がつかない。投資戦略家のブライアン・スタイン氏も指摘しているが、現在マーケット関係者を一番悩ませているのが金利動向だ。
株投資者は、金利上昇を嫌う。上がる金利は好調な経済を示しているが、利子の支払いも上昇するわけだから、企業収益に悪影響だ。「少なくとも、あと2回金利が引き上げられることでしょう。企業の収益も減少する可能性があります。実際に第1四半期の決算が公表されるまで、金利が企業に及ぼした結果を正確に把握することはできません。ですから投資者にとって、現在のような環境で積極的に株を買うことは難しい、と言えます。」、とエコノミストのジョン・ノリス氏は語る。
急騰する国債利回りにも注目が必要だ。10年物国債利回りは4.75%を記録し、2004年6月以来の高水準に達した。これが意味することは、投資者は高インフレを予測し、金利引き上げサイクルは予想以上に長引く、と読んでいることだ。
金利の上昇は、単にアメリカだけの出来事ではない。最近金利を上げたヨーロッパ中央銀行は、更なる利上げを示唆し、多くのアナリストは日銀も長期続けてきたゼロ金利ポリシー終了を予想している。
それでは、投資者はどうしたらいいだろうか?ヘッジファンド・マネージャー、バリー・リットホルツ氏の意見を聞いてみよう。「米国株式市場は、先ず一旦下げてからラリーを展開することになりそうです。現在低迷する株を持っているなら、早い処分を勧めます。」
レイモンド・ジェームズのジェフリー・サウト氏も消極的だ。「金利引き上げの幽霊に、ウォールストリートは脅かされることでしょう。完全に金利引き上げが終了するまで、買いは控えるべきです。早ければ夏、遅くても秋には株が買える環境が出来上がると思います。もちろん、現在のマーケットでも利益を上げることはできます。肝心なのは、銘柄選びを極めて慎重にすることです。」
もし夏まで株を休むなら、ジョン・ノリス氏はマネーマケット・ファンドを勧めている。「以前は1%そこそこのマネーファンドでしたが、今日では4.3%から4.4%の利子が得られます。マネーファンドは、金利が上げれば自動的に利子も上がるので、定期預金より有利です。」