ビジネスマン、キャリアウーマンなら会議でレポートを発表しなければならない時がある。同僚や上司を前にして、説得力のある力強い発表をしたい、と思うのは誰でも同じだ。しかし、ビジネス・コミュニケーションのコーチとして知られるカーマイン・ガロ氏によれば、たとえどんなに内容が素晴らしくても、10の悪い癖のおかげで、プレゼンテーションは台無しになってしまう。さっそく、10の悪い癖を紹介しよう。
1、ノートやメモを読むだけの発表
出席者と効果的なコミュニケーションをするには、持参したノートを単に読み上げるようなプレゼンテーションをしてはいけない。時々メモに目を落とすのは問題ない。だが、一字一句全て朗読してしまっては、聞き手を退屈させるだけだ。プレゼンテーションの名人、スティーブ・ジョブズ氏(アップル・コンピュータ最高経営責任者)は、メモが無くても発表できるように、長時間かけてプレゼンテーションの練習をしていることを覚えておいてほしい。
2、出席者と視線を合わせることを避ける
相手と視線を合わせること無しで、有効なコミュニケーションをすることは不可能だ。多くのプレゼンターは壁、天井、床、机などを見ることはあっても、肝心な聞き手の目を見ることができない。発表時間の90%は、出席者と視線を合わせることが必要だ。もちろん、相手を睨むのは逆効果になってしまう。
3、不適切な服装
見るからに安物と分かるスーツ。ほこりをかぶった靴。シワの目立つシャツ。服装はイメージを作り上げる重要な要素だ。
4、目ざわりな動作
意味も無く手をブラブラさせたり、やたらと右へ左へと歩き回るのは聞き手に不愉快になることが多い。できればプレゼンテーションをビデオに撮って、自分の動きを復習しよう。
5、準備不足
ここで言う準備不足は内容ではなく、プレゼンテーションの練習不足のことだ。ただレポートを、何度も黙読するだけでは意味が無い。実際に声を出して、身振り手振りをまじえて練習することが大切だ。スティーブ・ジョブズ氏を挙げたが、シスコの最高経営責任者ジョン・チェンバーズ氏も、プレゼンテーションの練習熱心で有名だ。
6、直立不動
兵隊のように直立したまま、全く動かない人がいる。これでは堅苦しい。適切なジェスチャーは、プレゼンテーションに弾みを付けることを覚えておこう。
7、スライドに書かれていることを全部読み上げてしまう
当たり前のことだが、聞き手も読むことができる。しかしプレゼンターは、そんな常識を忘れ、自分でスライドに書かれていることを全て読み上げてしまう。スライドの利用は効果的だが、それはグラフや表に使われるべきであり、あまり多くの文字が入っているものは避けたい。
8、長時間話し過ぎ
18分を過ぎると、聞き手は注意力が散漫になる。30秒で話せることを、5分もかけて説明するのは馬鹿げている。
9、刺激的要素が足りない
聞き手をエキサイトさせることができないプレゼンテーションは失敗だ。聞き手は初めと終わりを覚えている傾向があるから、話の切り出しと締めくくりには、刺激的な内容を盛り込もう。
10、結論に創造的刺激が無い
できれば意外な結論で、聞き手をアッと言わせたい。意外性は、聞き手の心に長く残るものだ。