1999年12月31日、マイクロソフトは52ドル53セントで取引を終了した。2001年4月30日の終値は30ドル48セント、そして現在26ドル台で推移している。「もうマイクロソフトはダメなのでしょうか?」、とそんな質問をする投資者が増えている。たしかに、2005年度のグーグルやアップル・コンピュータの急成長を見たら、心配になっても仕方ないだろう。
投資アドバイスコラムで知られるマット・クランツ氏は、こんなことを述べている。「2001年3月以来、マイクロソフトは比較的に高額な配当金を払い続けてきました。それに、2003年2月には1株が2株に分割されています。単に株価だけでなく配当金も考慮すると、マイクロソフトは2001年から2%伸びたことになります。」
5年間で2%。これではどんなに気の長い人でも悲観的になってしまう。やはり、マイクロソフトは見込みがないのだろうか?「先ず、リスク・リワード比を検討する必要があります」、とクランツ氏は指摘する。「配当金も含めて、1986年から今日までのデータを基に、マイクロソフトの幾何平均値を計算してみました。その結果分かったことは、マイクロソフトのリスク値は51.8です。この数字が意味するのは、株価が94.1%の上昇、または9.5%の下落が今年有りえるということです。」
次に考慮したいのは収益率だ、とクランツ氏は言う。「多数の投資者は、株価収益率(PER)を使って、株が割安か割高かを計ります。現在の株価収益率を確かめるだけでなく、過去5年間の株価収益率と比較してみることも大切です。アナリストの意見を総合すると、マイクロソフトは向こう5年間、毎年12%の収益増が予測されています。妥当な数字だと思います。現にマイクロソフトは過去4年間、毎年13.6%の伸びを記録しています。このアナリストが割り出した12%を使って計算すると、マイクロソフトは44ドルになるまで買えます。」
なるほど、なんとなく買っても良さそうな雰囲気だが、爆発的な上昇は無さそうだ。もう一つ、クランツ氏の見方を付け加えておこう。「最も保守的な投資を1、そして最も危険な投資を5とすれば、マイクロソフトは2です。ですから、かなり保守的な投資になりますが、マイクロソフトは今年、ウインドウズの新バージョンを発表します。これが発端となって、収益上昇に大きな弾みが付くことも考えられます。
スタンダード・アンド・プアーズ社のアナリストは、好調なサーバービジネスと、順調な家庭向け娯楽製品売上を理由に、今年マイクロソフトの収益は10%上昇することを予測しています。現在、投資者に人気があるのは小型株です。もし人気が大型銘柄に移るような事態が起きれば、アナリストはマイクロソフトに買い推奨を出すことでしょう。」