1月31日を最後に、連銀を去ったグリーンスパン氏が、早くも話題になっている。火曜日の夜、リーマン・ブラザーズは著名な投資家たちを集めて、マンハッタンで内密な会議を開いた。そこにグリーンスパン氏は、来賓講演者として招待されていた。
報道によれば、グリーンスパン氏は米国住宅市場に関しては悲観的だが、全般的にはアメリカ経済について強気な見方をしている。更に氏は、ウォールストリート関係者が予想している以上に、連銀は金利引き上げを継続する可能性があることを語ったようだ。
ブルームバーグからは、次のようなグリーンスパン氏の言葉が発表されている。「執拗に低い長期金利が、連銀の経済対策を妨げている。長期国債利回りが不動産ローンの金利、そして住宅ローン借り換え金利を決定するが、現在の利率はまだ低レベルであり、相変わらず住宅ローンの借り換えが続いている。」
こんなニュースを聞いた投資者たちは、さっそく国債を売った。その結果、10年物国債は5/32下落となり、利回りが4.59%に上昇した。しかし、この4.59%という利回りは、2004年6月、連銀が短期金利引き上げを開始した頃と同じ水準だ。
全く予期しなかったグリーンスパン氏の発言は、新連邦準備理事議長、バーナンキ氏を無視した軽率な行動だ、という非難の声が上がっている。「バーナンキ氏がどう思ったかは分かりませんが、これは内密な会議ということですから、誰かがマスコミに漏らしたわけです。ですから一概に、グリーンスパン氏を責めることはできないと思います」、とムーディーズのジョン・ロンスキー氏は言う。
ミラー・タバックの投資戦略家、トニー・クレシェンジ氏は、こんな感想を述べている。「マンハッタンの会議におけるグリーンスパン氏の発言は、決して新しいものでありません。1月31日、連邦公開市場委員会後に公表された声明文と、ほぼ内容は一致しています。2月15日には、バーナンキ氏が新議長として初めて議会で証言をします。注目するなら、グリーンスパン氏ではなく、この証言の方です。」
内密の会議で、グリーンスパン氏は金利引き上げがまだ継続される可能性を語ったが、何パーセントまで上昇するかは明言しなかった。ジョン・ロンスキー氏の見方によれば、短期金利は5%まで上がり、そこで金利引き上げサイクルは終了するらしい。ということは、5月が最後の金利引き上げになるわけだ。
もう一つロンスキー氏の意見を記しておこう。「予期せぬ下落となった第4四半期のGDP(国内総生産)は、第1四半期、5%から6%の大きな伸びを記録することでしょう。」金利不安を割り切って、株投資者たちの積極的な買いを期待したい。
ここで質問。リーマン・ブラザーズは、講演料として、いったいいくらグリーンスパン氏に払ったのでしょうか?
解答:25万ドル(約2950万円)、と推定されている。