一月の相場は強い。しかし、金曜の株式市場は投資者たちを大きく動揺させた。ダウ平均は213ドル(1.96%)の下げとなり、今月の上げ幅を吹き飛ばしただけでなく、マイナスに転落してしまった。出来高は50日平均を35%上回り、単なる利食いというよりも狼狽売りだ。
何故こんな下げ方をしたのだろうか?上昇するオイルが原因だ、という意見があるが、下の日足チャートを見てほしい。
オイル指数だが、たしかに急騰するオイル価格と同様に上げが続いていた。しかし、注目は金曜の引け方だ。瞬時高値を記録したが、失速してしまった。ローソク足の実体はほとんど無く、上に長く伸びた尻尾が目立つ弱気な形だ。イランやナイジェリア情勢、それにテロなどのニュースに大きく左右されるオイルだが、この終了を見るかぎり月曜には利食いがありそうだ。
もし本当に月曜からオイルが下げたとしよう。株式市場には好材料だが、問題はオイルの押し目買いを狙う投機家だ。乗り遅れた人たちは、十分な下げを待つことができるだろうか。浅い修正で積極的な買い手が登場なら、株式市場の回復に水を注されてしまう。どちらにしても、オイル市場の監視が必要だ。
もう一つ気になるのは、マーケットリーダーが崩れてしまったことだ。株式市場には、いつも牽引車が存在する。これが叩かれてしまえば、自然と他銘柄へ被害が広がって行く。リーダー株、グーグルが投げられてしまった。約9%の極端な下げだ。下は日足だが、サポートレベルだけでなく、心理的に重要な400ドルを割ってしまった。
ブレイクダウン、そしてパニック売りの見本チャートだが、グーグルに関する気がかりな報道があった。ご存知のように、グーグルはサーチエンジンだ。だから多数の人々が訪れて、車、音楽、不動産、スポーツ、映画、と多岐多様なテーマが検索される。
いったい誰がどんなことを検索しているのだろうか?もし政府に、あなたがグーグルで何を調べているかが筒抜けなら、それでもグーグルを使うだろうか?ブッシュ政権は、グーグルに召喚令状を発した。ユーザーたちが、何を検索しているかを司法省に報告しろ、というものだ。プライバシーの侵害を理由に、グーグルはブッシュ政権の要求を受け入れる意思がないことを、早速発表した。
プライバシーが侵害されてしまっては、言論情報の自由が脅かされてしまう。違反ポルノを取り締まることが、今回の召喚令状という運びになったようだから、政府側の言い分も理解できる。既にブッシュ大統領は、テロ対策の一手段として、裁判所の許可無く電話盗聴をしていたことが問題になっている。これも米国の安全にかかわることだから、プライバシーの侵害とはいえ、大統領を100%悪いと言うことはできない。悲しいことだが、少数犯罪者のために国民からプライバシーが奪われてしまったようだ。