フール・ドット・コムのリチャード・ギボンズ氏によれば、大投資家ウォーレン・バフェット氏には、二つの鉄則があるという。第一は、決して損を出さないこと。二番目のルールは、第一のルールを守ることだ。このやり方でバフェット氏は400億ドル以上の利益を手に入れたが、損を出すなと言われても、具体的にはどうしたらいいのだろうか?
ギボンズ氏を引用しよう。「人々はバフェット氏がこれを買った、あれを買ったと話題にします。資金を減らさないためには、バフェット氏がどんな株を避けるかを探る必要があると思います。」というわけで、バフェット氏が嫌う銘柄の共通点をいくつか見てみよう。
1、一か八かに賭ける企業:業績の向上を狙って、無謀な博打にでる企業がある。当たれば満塁ホームランになるが、失敗なら会社は大打撃を受ける。例はボーイング社だ。ライバルのエアバス社は、スーパー・ジャンボ機を発表した。既に150機の注文を受け、好調なスタートを切った。一方ボーイングは市場調査の結果、小型機787製造に踏み切った。もし、この判断が間違いなら、ボーイングの収益は極端な減少になるだろう。
2、研究開発だけに頼る企業:好例はボーランド・ソフトウェアだ。90年代、Turbo Pascal、Paradox、dBase、それにQuattro Proの開発で脚光を浴びたボーランドだが、マイクロソフトが全てを変えてしまった。現在もボーランドは存在するが、15年前の面影は無い。対照的なのが、大手小売のコストコ・ホールセールだ。ディスカウント店だから、研究開発などしないが、今日も快調なビジネスを展開している。
3、巨額な債務を抱える企業:大量な負債があったのでは、現金を有効に使うことができない。債権者への支払いが優先され、配当金など期待できない。最悪な場合は倒産だ。
4、不審な経営陣:株主を犠牲にして、自分たちの利益だけを求める経営者なら、そんな企業に投資してはいけない。分かりやすい例は破綻したエンロンだ。あなたが投資する企業に、次のようなことが顕著なら警戒した方がいい。いつもバラ色なニュースばかりを発表する。経営陣のボーナスやストックオプションが、同業種企業と比較すると破格に良い。収益が減ると、その理由はいつも外的要素であり、自社には何の落ち度も無いことを主張する。
5、常に資本投資が要る企業:代表的な例はエネルギー会社だ。新しい油田を求めるオイル会社は、掘削機などの設備投資が絶えず必要になる。コノコフィリップスは2004年、95億ドルを設備投資にあてた。これは5年間で51%も上昇している。最近のオイル高で設備投資が話題にならないが、オイル価格の下落が始まれば状況は一変だ。もうひとつ、半導体企業も頻繁な資本投資を要求されることを付け加えておこう。