年間45回。一カ月に直せば3.75回だ。ブルームバーグからの報道だが、コンドームで知られるデュレクス社が、41カ国の31万7000人を対象に性生活の統計を取った。それによると、平均的な日本人は、年間に45回のセックスをするという。
45回は多いのか、それとも少ないのだろうか?最も活発なのがギリシャの138回。日本の三倍だ。総合して言えることは、アジアの国々におけるセックス回数は西洋諸国に劣り、最下位を含めて下9位は全てアジアの国々だ。ちなみに、アジアでセックスが一番多いのはタイ。年間平均97回というから、日本のほぼ二倍に相当する。
どの程度デュレクス社の統計が信頼できるか分からないが、東洋ではなぜセックスの回数が少ないのだろうか?ストレスや狭い住宅事情が原因だ、という人たちもいるが、アジア最大の経済国家日本は人口減少が顕著になり始めている。
2005年、日本では死亡者数が出生者数を上回った。出産率の低下、それに厳しい移民規制にも影響され、1899年以来初めて日本の人口が減った。人口減少が大きく加速することは考えられないが、この傾向はゆっくりとしたペースで進み、簡単に逆転させることは難しいようだ。
人口統計が投資判断に使われることは滅多にないが、ジム・ロジャース氏は(ジョージ・ソロス氏とヘッジファンド共同設立)こんなことを語っている。「先進諸国の中で日本の出産率は最低です。この状況が継続すれば、経済を支える就業者の数が減り、とうぜんですが納税者数も減少します。さらに国家債務の支払いにも支障をきたすことになりそうですから、日本株の比重を増やすことは考えていません。」
ウィリアム・ぺセック氏(経済コラムニスト)も、ロジャース氏に賛成だ。「現在日本には、約800兆円の国家債務があります。これを返すためには納税者たちからの協力が要りますが、人口が減ってしまっては一人当たりの負担が大きくなるだけです。テクノロジーが埋め合わせになる、という見方もあるようですが、労働人口の縮小はGDP(国内総生産)の低下を引き起こす可能性もあります。」
日本はどうするべきか?いきなり政府が大量な移民を受け付けることは無いから、何とか女性たちを説得して2人以上の子供を生んでもらうことだ。と言ってもキャリアウーマンの活躍する今日、そう簡単に女性が、たとえ一時的でも、職から遠ざかることなど期待できそうにない。
ここでぺセック氏は、こんな皮肉を言う。「もしデュレクス社の統計が正しいとすれば、日本人はほとんどセックスをしない国民です。これは人口減少より、もっと大きな問題です。政府が真剣に、この人口問題に取り組まない限り、現在回復中の経済も長続きすることはないでしょう。」早速、ぺセック氏に反論メールを書こうと思う。