安いところで買って高く売る。高いところで買って、より高いところで売る。後者はブレイクアウト型の買い、前者は割安株を狙った買い方だ。どちらが効果的な投資方法だろうか?過去20年間のデータを調べれば、面白いことが分かるかもしれない。
一昔前なら大変な作業だったが、インターネットのおかげで、割安株探しが簡単になった。たとえばヤフーのストック・スクリーナーを使えば、ほんの数秒で割安成長株リストが手に入る。実際に見てみると、パターソンというオイル株を筆頭に55の銘柄が並んでいる。
ところで、なぜ株は割安になるのだろうか?売られたからだ、と即答されるかもしれないが、株は売られなくても割安になる。公認証券アナリスト、パット・ドーセー氏の説明を引用しよう。「頻繁に起きることではありませんが、株は私たちの目の前で、静かに割安になることがあります。ただ私たちが気がつかないだけなのです。これは今日の証券業界が引き起こす一つの現象です。
ウォールストリートは常にホットな物を求めます。ほとんど値動きが無い銘柄はニュースにもなりませんから、とうぜん多くのアナリストを引きつけることができません。ですから、マネー・マネージャーから無視されるだけでなく、大衆の話題にもなりません。しかし、こんな企業が順調に収益を伸ばすと、たとえ株価が横ばいでも割安になります。
現在のマーケットでは大型株が好例です。派手な動きを展開する小型株ばかりに人気が集まり、投資者は完全に優良大型企業を忘れています。コカコーラを知らない投資者は、先ず皆無と言っていいでしょう。ここ5年間で株価は3割近い下げですが、キャッシュフローは80%も上がっています。小売業大手のウォルマートにも、同じことが言えます。5年間で10%ほど株価は下落しましたが、キャッシュフローは2倍に成長です。」
キャッシュフローが出たところで、少し付け加えておこう。株価純資産倍率(1.5以下)、株価キャッシュフローレシオ(0以上)、総資産収益率の向上、それに負債比率の減少などを検討することでも割安銘柄を掘り出すことができる。更に出来高や株価も条件に入れることも重要だ。早速スクリーンしてみたら、UNUMプロビデントという会社がまっ先に出てきた。さて、後でチャートを見てみよう。