滑り出しは上々。ナスダック、S&P500は揃って4年半ぶりの高値更新だ。金曜に発表された、非農業部門新規雇用者数は、予想の20万人に満たない10万8000だった。もし、予想を超える30万だったら、マーケットは大幅下落になっていたことだろう。とにかくマーケット関係者は、金利引き上げ終了を確信するために、弱い数字が欲しかったわけだ。
このラリーは本物だろうか。それとも短命だろうか。毎年1月の前半に、資金がマーケットへ流入する傾向があるから、時期的には上昇サイクルだ。投資アドバイザーの、ジム・ダニガン氏はこう語る。「株式市場は、とても良いスタートを切りました。心配なのは、ここで行き過ぎてしまうと、期待ハズレに終わった12月のような結果になってしまうことです。」
クリスマスラリーを望んでいた投資者にとって、たしかに12月はガッカリだった。マーケットは10月と11月で上げきってしまい、肝心のクリスマスには燃料が無くなっていた。結局2005年度、S&P500とナスダックは5%に届かない伸び。大衆が最も関心を寄せるダウ指数は、わずかだがマイナスで一年を終了した。
あと数回で金利引き上げが終わる。これがマーケット好調の原因、と報道されているが、はたして先物市場はどう反応しているのだろう。短期金利先物、フェドファンズの予測はこうだ。1月31日のFOMCでは、92%の確率で0.25ポイントの利上げがある。3月の会議では54%の確率だ。今月の利上げはほぼ間違いない。しかし、それ以降の利上げはマーケットに悪材料だ。
調子の良い時ほど気がゆるんでしまう。ここで警戒論も耳に入れておこう。先ず、サイバー・トレーダー、ケン・タワー氏の言葉を記そう。「投資者はあまりにも楽観的です。金利引き上げが終われば、全てが上向く、と単純に考えています。FOMC議事録を読んで利上げサイクル最終段階、と判断したようですが、そのようなことは明確に記されていません。とにかく、皆安心しすぎですから、マーケット急落が起きやすい状況です。」
もう一つ、ニューヨーク証券取引所の、テッド・ワイスバーグ氏の意見を書いておこう。「1月は資金がマーケットに押し寄せる月です。マーケットは1月だけではありません。今月だけ好成績を上げるのではなく、年間を通じて好結果を残すことが重要です。」