+3%。100万円の投資なら利益は3万円だが、これが2005年度S&P500指数が記録した伸び率だ。そんな数値は伸びたうちに入らない。東京市場は40.24%の大上昇だ。1年物国債の利回りだって4.3%ある。もうアメリカ株はやめだ!と結論する前に下の日足チャートを見てほしい。
デイブ・ランドリー氏(ファンドマネージャー)が指摘したことだが、一年全体で見るとS&P500指数は3%の上げ幅しかない。しかし現実は、顕著な3回の上げ波動と3度の下げ波動があった。もちろん、器用に全ての波に乗ることは不可能かもしれないが、単に株を持ち続けるだけでは効率の良い投資ができない。
さて、2006年度を占う1月相場が始まるが、はたしてどんな展開になるだろうか。1月が強ければ、その年は行ける、と言われるだけにマーケット関係者は真剣だ。「先週の弱い引け方が気になります」、とジョセフ・スティーブンス社のドナルド・セルキン氏は言う。「ヨーロッパや日本に比べるとアメリカは全く勢いがありません。」米国市場は天井を形成しているのだろうか?
ウィンダム・ファイナンシャルのポール・メンデルソン氏はこんな見方をしている。「1月の上昇は難しいと思います。S&P500指数は、いったん1210辺りまで下げそうです。また、投資者たちは依然と同じ問題に直面しています。いつ連銀は金利引き上げを止めるのだろうか?住宅市場の低迷は不況の原因にならないだろうか?オイル価格は本当に安定するだろうか?これでは積極的に株を買えません。2006年度相場は横ばいでしょう。」
横ばい?2005年の繰り返し?ここでもう一度見てほしいのが、上のチャートだ。大きな動きが期待できないなら、単に持ち続ける投資は通用しない。2006年、ますますチャートが重要になったようだ。