2006年度、もっとも期待できる銘柄は何だろうか。アナリストやファンドマネージャーが、既に来年の有望銘柄をテレビなどで発表しているが、これでは物足りなさを感じる投資家が多い。皆が知っている情報だから、あまり儲かりそうにない。それに、顧客でもない大衆に、ファンドマネージャーがテレビで本音を語るだろうか?
誰かが素晴らしい銘柄を発掘しているはずだ。株式市場の秘密を解き明かした天才がいてもおかしくない。そんな訳で、投資者たちは決まったように数々のニュースレターを購読することになる。言うまでもないが、ニュースレターの質にはピンからキリまである。はたして勝率の高いことで有名なニュースレターは、どんな銘柄を推奨しているのだろう?
先ず、来年の全体的な見通しから始めよう。ジェームズ・ポールソン氏(ウェルズ・キャピタル)によれば、多くの投資者は、インフレと住宅市場の下落を心配しすぎている。たしかに連銀は、13回連続で金利を引き上げたが、歴史的に見れば現在の金利は決して高レベルではない。不動産が冷え込めば、住宅ローンの借り換えが減り、その結果個人消費も落ち込むかもしれない。しかし、現在の雇用状況や製造業の伸びが個人消費低迷を防ぐだろう。
比較的割安な株が多いため、2006年度、株式市場から10%から15%の利益が期待できそうだ。景気に敏感な小売銘柄、それにテクノロジー株がマーケットを引っ張ることが予想される。今年好調だったエネルギーセクターは、原油や灯油価格の安定で3月過ぎまで冴えない動きになるだろう。もちろん、このセクターは長期アップトレンドが崩れていないから、4月頃から買っていけそうだ。
個別銘柄に移ろう。25年間、トップの座を保ち続けた、プルーデント・スペキュレーター・ニュースレターはアメリカン・イーグル・アウトフィッターズを推奨している。ティーンエージャー向けのファッション小売店だが、来年予想される利益で計算すると、株価収益率は魅力的な10.7だ。また、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズは一株に換算すると3ドル70セントの現金を保有し、経営内容も安定している。
第3位のOTCインサイト紙は、ハンセン・ナチュラルを推している。栄養ドリンク剤を製造販売するハンセン・ナチュラルは、ニューエージ・ドリンクのイメージで爆発的な売上を記録した。株価も既に4倍の成長だが、更なる上昇が期待できるという。大手飲料品会社も、ハンセン・ナチュラルに注目しているから、買収の可能性もあるようだ。