三人が同じ日に同じ銘柄を買った。しかし、投資結果は三様だった。この違いは、何が原因になったのだろうか。これだけでは、各投資家の経験年数や売買スタイルが分からないから、不公平な質問かもしれないが、感情が投資成績を大きく左右することが多い。
感情的な売買は投資に悪影響を与える一つの要素だが、その他に投資者たちは、どんな間違いを頻繁に犯しているのだろう。マーケットアナリスト、ジム・ワイコフ氏は、投資者の持つ悪い癖8つを説明している。
1、全く計画性の無い売買
あらかじめ利食いのポイント、そして損切り値が設定されていないため、せっかくの利益を損に変えてしまうことが多い。
2、非現実的なゴール
株や先物だけで食っていこう、といきなり仕事を辞めてしまう人がいるが、これはあまりにも無謀だ。先ず実績を作ること。それが肝心だ。
3、トレンドを無視した売買
だれでも良いものを安く買いたいと思う。株価が大きく下げた後、ここが底だ、とばかり積極的に買ってみるが、そのようなやり方が好結果になることは少ない。逆の場合なら、天井と思われる位置での空売りも、中々うまくいかないものだ。上げ基調にある銘柄は空売ってはいけない。空売りは、下げ基調の銘柄だけに絞るのが基本だ。
4、頻繁すぎる売買
これは、月に50回の売買は多すぎる、といった売買回数の問題ではない。短期投資が専門なら、毎月50回の売買は決して多すぎるとは言えない。投資に損は付き物だが、早く損を取り戻すために頻繁な売買をしてしまう人たちがいる。損の後だけに冷静さが無く、まるで復讐戦にでも臨むような態度だから負けを連発する結果になってしまう。こうなると更に頭に血が昇り、いたずらに売買回数が増えていくわけだ。
5、適切でない資金管理
たとえ口座に50万ドルあっても、いつも信用取引で買えるだけ買っていたのではダメだ。リスクに合わせて、適切な株数で売買しよう。
6、損切りができない
計画していた位置に株価が下がっても、株を処分できない人たちがいる。これでは、売買計画を立てた意味がない。マーケットは、あなたが損を出していることなど何とも思っていない。買い注文が成立したら、直ぐ損切り注文も入れることを勧める。
7、自分で責任をとれない
損をしたのは証券会社のせいだ。自分は正しかったが、ディーラーの株価操作にやられてしまった。投資は自己判断でするものだ。言い訳はやめよう。
8、全体的な流れを見ない
投資を始めたばかりの人は自分の銘柄だけに目がいってしまい、マーケット全体を眺めることを忘れている。たとえ持ち株が好調でも、マーケットが崩れ始めたら、持ち株が影響を受けるのも時間の問題だ。もう一つ重要なのは、チャートは日足だけでなく、週足や月足も利用してほしい。日足が見事なアップトレンドでも、週足がダウントレンドなら注意しなくてはいけない。一つの方向だけからマーケットを観察していると、思わぬ反転に巻き込まれてしまうものだ。