どうしたらグーグルに追いつくことができるだろうか。グーグルの成長速度を鈍らせる方法はあるだろうか。競争相手なら、いつもそんなことを考えているはずだ。時価総額1270億ドル、急ピッチで巨大企業の一員となったグーグルが、2006年行き詰まりになる、とフォーチュン誌が報道した。
特に浮き沈みの激しいテクノロジー業界で、常に首位を走り続けることは難しい。事実グーグルは、既に新コンセプト分野でヤフーに遅れを取っている。コミュニティー・パワーサーチが主流になることが予測され、先週ヤフーはdel.icio.usを推定3500万ドルで買収した。
コミュニティー・パワーサーチを理解するには、人気サイトのマイスペース・ドット・コムを見てもらうのが一番早い。メンバーがメンバーを助ける。これがコミュニティー・パワーサーチの基本になる。だからデートの相手探し、同好会の結成、それに好きな音楽やホームページの情報交換が簡単にできる。今回ヤフーが買収したdel.icio.usは、役立ちそうなホームページがメンバーによって満載された、コミュニティー型情報サイトだ。
アマゾン・ドット・コムで買い物をされた方は多いと思うが、アマゾンではコミュニティー・パワーサーチのアイディアが利用されている。例えば、芥川賞受賞の「土の中の子供」に興味があったとしよう。クリックして直ぐ支払いページに行くこともできるが、目に入ってくるのが「この本を買った人はこんな本も買っています」、という一文だ。「花まんま」、「悪意の手記」などの本が紹介され、他の読者が「土の中の子供」以外に何を買ったかが分かる仕組みになっている。
さらにアマゾンが優れているのは「カスタマーレビュー」が読めることだ。実際に本を読んだ人からの感想文だから、買おうかどうかと迷っている人には決め手になるかもしれない。このようにコミュニティー・パワーサーチは、単に情報を提供するだけでなく、どの情報に一番人気があるかも瞬時で分かり、大衆の意見を把握することもできる。まだベータ版の段階だが、コミュニティー型のサーチエンジンとして、ヤフーはMy Web 2.0を発表している。
ヤフーがグーグルに対抗できるなら、ホットメールなどでお馴染みのMSNはどうだろうか。以前ライコスで最高経営責任者を務めたボブ・デービス氏によれば、この業界で生き残れるのはグーグルとヤフーの二社だけだと言う。また、先日SGコーウェンが主催した会議でも、MSNにはグーグルに追いつくだけの技術が無い、という発言が何度かあったようだ。来年は、グーグルファンとヤフー派が大きく争うことになりそうだ。