日本の経済回復は本物だ、とアナリストたちは自信満々に言う。2003年の5月から2倍になったジャパン・インデックス、さすがに皆さん強気に転向だ。ソニーやトヨタは知っていても、東京株式市場に詳しいアメリカ人は少ない。しかし、連日好調な東京マーケットを黙って見ているのは面白くない。そこで、日本株専門のミューチュアルファンドに資金を回すことになる。
一口に日本専門ファンドと言っても、その数は多い。ファンドも個別銘柄と同じで、有望な優れたものを選ばなくてはいけない。ティム・ミドルトン氏(経済コラムニスト)の意見を紹介しよう。「T.ロウ・プライス・ジャパンは、2006年度、最も成績優秀なファンドになるでしょう。9月に再選された小泉首相は、日本の経済問題を初めて直視した政治家です。再選を合図に買っているのは、日本の投資家だけではありません。海外の資金も東京へ向かっています。」
アメリカ人が日本へ投資するときの注意点は何だろうか。ミドルトン氏を引用しよう。「過去15年間を振り返ってみると、東京市場はラリーの後、急降下することがしばしばありました。これが原因で、多くの投資者が日本株専門ファンドを売却したのも事実です。ですから、これから初めて日本に投資する方々は、急落にあううかもしれません。しかし、今回のラリーはいつもと違います。モーニングスター社の調べによれば、ミューチュアルファンドはまだ本格的に日本株を買っていません。」
米国以上に、日本を注目しているのがヨーロッパのファンドマネージャーたちだ。先日、短期金利引き上げがあったが、ヨーロッパ経済は全体的に弱々しい。来年早々から、ヨーロッパ資金が更に日本へ流れ込むことが既に予測されているから、今年中に日本株専門ファンド購入を推奨するアドバイザーも少なくない。
もう一つ、ミドルトン氏は興味深い指摘をする。「長期投資ならミューチュアルファンドで十分ですが、短期資金は証券取引所に上場されている、日本専門インデックス・ファンドに向かうことでしょう。インデックス・ファンドとミューチュアルファンドには、大きな違いがあります。ミューチュアルファンドに集まった資金は、直ぐ投資する必要はありませんが、インデックス・ファンドの場合は直ぐ株購入に使われます。」明るい正月になりそうだ。