ゼネラル・モータース(GM)が弱体化した最大の原因は、革新性に欠けるためだ、とMSNマネーでシニアエディターを務めるジム・ジューバック氏は言う。だから、有利な環境でビジネスを展開できる競争相手にマーケットシェアを奪われてしまった、というのは単なる言い訳であり、会社成長を刺激する新鮮なアイディアを導入できなかった経営陣の責任だ、と氏は非難する。話を続けよう。
「ゼネラルモータースに限らず、大企業の経営者たちは一つの問題解決方法しか知りません。それは、GMの3万人解雇計画が示すように、コストを削減することです。最高経営責任者は、アメリカの労働者クラスを犠牲にし、肝心な会社を成長させることを怠っています。今日の米国大企業は、まるで成長することを忘れてしまったかのようです。
しかし、グーグルとアップル・コンピュータを見てください。革新的なアイディアを取り入れることで飛躍的な伸びを記録しています。デルやシスコ・システムズも世界制覇を目指して努力しています。大した将来性が無い、と言われるスチールやコーヒー産業でも、ニューコアとスターバックスの成功例があります。
グローバル化が進む現代のビジネス界では、外国企業との戦いを無視できません。GMの経営陣は、このグローバル化を売上不振の一因にあげていますが、それは理由になりません。海外から入って来る安いスチールにもかかわらず、ニューコアは確かに業績を伸ばしています。安い労働コストを武器にする外国企業との競争で、ニューコアは好成績を上げているのですから、同じことがGMにできないはずがありません。」
それでは実際にGMはどうしたらいいのだろうか。労働組合、年金、医療保険など問題があるが、何よりも大切なのは消費者が買いたい、と思う車を作ることが先決だ。現在GMでは55種類の自動車、トラック、そしてスポーツ用多目的車が製造されている。4ドアのセダンだけでも10種類あり、いったい何がGMの顔なのかが分からない。労働組合のリーダーたちもこう語っている。「GM復帰の鍵は、消費者を引き付ける魅力的な車をデザインすることです。」