ゲームファン待望のXbox360が、ついに店頭に並んだ。しかし、開店前からどの店にも長い列ができ、あっと言う間に売切れてしまった。値段は399ドル、円に換算すると約4万7千円だ。これが高いか安いかは別として、ビジネスウィークの報道によれば、マイクロソフトにかかったコストは470ドルにおよぶという。だから、1台売れると71ドルの損が出るわけだ。
なぜ損を覚悟で販売するのだろうか。狙いは何と言っても、2006年に販売が開始されるPS3が現れる前に、強敵ソニーから、出来る限りのマーケットシェアを奪うことだ。利益は2007年まで出なくても構わない。マイクロソフトの広報担当者はこう語っている。「2006年度は±0になれば良いと思っています。ゲーム機だけでは赤字ですが、ゲームソフトウェアや他の付属品を合わせることで、損益はトントンになる筈です。」
はたしてXbox360は、ソニーを倒すことができるだろうか。399ドルを払ってまで買う価値がある製品だろうか。フォーチュン誌でシニア・エディターを務める、ピーター・ルイス氏の意見を聞いてみよう。「約400ドルという高価な値段、まだ数の乏しいゲーム、それに高速インターネットも必要です。ですから、Xboxはコンピューターに詳しい人にはヒットすることでしょう。」
CNNでコンテンツ開発をするクリス・モリス氏の話を紹介しよう。「良い製品ですが、ベストではありません。大のゲームファンなら、Xbox360を買うことは、もうかなり前に決めていたことです。ゲーム通の地位を保つためには、買わないことなどありえません。それでは、一般の消費者も通に混じって、さっそく買った方が良いでしょうか。答えは簡単です。発売の初日に、店へ行く必要はありません。」
どちらにしても売り切れの続出、好調なスタートだ。ところが、せっかく手に入れたXbox360を、もう手放す人たちがいる。場所は、オンラインオークションのイーベイだ。最初は650ドルほどで売買が成立していたようだが、22日の昼前には、何と5100ドルの値がついた。これでマイクロソフトの新しい戦略が決まった。小売店をやめて、イーベイで売ればいいのだ。(笑)