会社再建を目指して、ゼネラルモータース(GM)は北米12の工場とサービスセンター閉鎖計画を発表した。このため、少なくとも3万人の従業員が解雇され、GMは約27%の従業員を失うことになる。解雇の結果、年間で70億ドルのコストが削減できるようだが、いつGMが黒字転換できるかの目途は立っていない。
「この計画が発表されることは、既に皆が予期していたことです。しかし、これは、あまり積極的な会社建て直し計画ではありません」、とUBS証券のアナリスト、ロブ・ヒンクリフ氏は言う。6月、GMは2万5千人の解雇を予定だったから、今日出された数字は、それを5千人ほど上回っている。だが、自動車労働組合との契約があるため、GMは2007年の9月まで従業員を解雇することができない。
報道されているように、医療保険や年金コストがGMの業績不振を作り上げたことは事実だが、何と言っても問題は肝心な車が売れない。ニューヨークを襲ったテロ事件後、GMは画期的な金利0%自動車ローンを導入した。もちろん、消費者の反応は素早く、売上は史上最高に達した。経済学者たちも、GMは米国経済を不況から救った、と称賛した。
しかし、皮肉なことに、0%自動車ローンがGMの売上低迷原因の一つになってしまった。このローンプログラムが終了すると、GMの売上は極端な減少になった。通常のセールス方法では、他社と競争できなくなってしまったのだ。「今無理して買うことはない。次の0%ローンまで待とう」、こんな形で消費者は、0%ローンに匹敵する大胆な条件を要求するようになった。
最近の例では、社員割引セールがある。6月から9月まで、だれでもGMの自動車を社員と同価格で購入することができた。当然、消費者はGMディーラーに押し寄せ、売上は一時的な大幅上昇になった。おかげで在庫一掃に成功し、セールスマンは忙しい日々が続いた。だが、社員と同様な値段で車を売っても会社の収益は伸びない。結局GMが証明できたのは、割引プログラムでは会社を再建できないということだ。
1980年、GMは米国自動車マーケットの43.8%を握り、圧倒的な強さを見せていた。今日もGMはナンバー1だが、数値は18.8%に下落している。明らかに過去25年間、GMは着実に勢力を衰退させていた。やはり首位の座は、そう簡単に譲るわけにはいかない。そこで、1週間ほど前、GMはこんな発表をした。名前はレッドタグセール。来年の1月3日まで、コルベットなど一部の車種を除いて、だれでもGMに部品を納める子会社の社員と同様な値段で、2005年と2006年型の車が購入できる。ようするに、社員割引の復活だ。