来週木曜は感謝祭、家族揃ってお決まりの七面鳥を食べる。さて、ここで質問。アメリカで最も多くの七面鳥を生産している州はどこでしょうか。正解はミネソタ州。全米で毎年生産される七面鳥は約2億6300万羽だが、そのうちの18%がミネソタ産だ。2位はノースカロライナ州、3位アーカンソー州、4位ミズリー州、5位バージニア州、そして6位カリフォルニア州へと続く。
問題は感謝祭翌日の黒い金曜(ブラックフライデイ)だ。オカルト的な響きだが、この日クリスマスショッピングシーズンが正式に始まる。各小売店は朝早くから店を開け、営業は深夜まで続く。黒い金曜だけの特別なセールも用意され、クリスマスシーズンの売上を占う重要な長い一日だ。狙いをつけた商品を目指して、殺気だった女性たちが店に押しかける。(どんな男性でも、あの気迫には勝てない。)正にブラックフライデイなのだ。
小売業者は、黒い金曜にどんな企画をしているのだろうか。二つ見てみよう。先ず大手サムズ・クラブ。開店時間は、なんと早朝5時だ。メニューは発表されてないが、全ての客に無料で朝食が配られるそうだ。
格安価格で勝負する、ターゲットにも少し変わった作戦がある。タダの朝食ではないが、有名人がモーニングコールしてくれるのだ。お客さんが起きてくれないことには話にならない。前日は大いに飲んだり食べたりだから、だれだって金曜は寝坊したくなる。興味深いのは、有名人とはだれのことだろう。当然モーニングコールは録音だが、スーパーモデルのキャロリン・マーフィー、カントリーシンガーのブラッド・ペイスリー、それにセサミストリートでお馴染みの、カーミット・ザ・フロッグが予定されている。モーニングコールの申し込みは、来週水曜からターゲットのホームページでできる。
ショッピングセンター協会のデータによると、2004年、買い物客が最も多かったのはクリスマス直前の土曜日、そして二番目がブラックフライデイだ。具体的な数字で示せば、去年のブラックフライデイの週末には、1億3300万人が商店街に殺到した。はたして、来週はどうなるだろうか。小売業者の心配は、エネルギーコストが消費者に与えた影響だ。最近のガソリン値下がりは朗報だが、暖房用の灯油や天然ガスが大きく値上がっている。
さて、最後になったが、ブラックフライデイの本当の意味を記しておこう。殺気だった、喧嘩腰の買い物客が押し寄せるから黒い金曜と呼ばれるようになったわけではない。既に述べたが、感謝祭の翌日から一斉にクリスマスセールが開始される。ようするに儲かる季節が来るわけだ。儲けは店の収益になり、簡単に言えば黒字(ブラックインク)になる。これが黒い金曜の本当の意味だ。