アメリカで最もホットな不動産市場、それはアリゾナ州の州都フェニックスだ。ここ一年間で55.2%の値上がりだから、異常なブームと言うしかない。第2位はフロリダ州オーランド+44.8%、そして3位はケープ・コーラルフォート・マイヤーズ+42.5%(フロリダ州)だ。だが、アメリカの住宅価格は9月にピークを打った、そんな意見が広がり始めている。
火曜、全米不動産業協会から147の住宅市場を調査した結果が発表された。それによると、69の市場は過去12ヶ月間で10%以上の伸びを記録し、値下がりが起きたのは、たった6地域だけだった。第2四半期から第3四半期にかけて、住宅価格は平均で3.8%の上昇があったが、第1四半期から第2四半期は+10.4%だったから、明らかに値上がりスピードが鈍っている。
ここで、ナショナルシティー(不動産銀行)のエコノミスト、リチャード・ディカサー氏の話を聞いてみよう。「先週発表された、トール・ブラザース(住宅建築業)からのニュースが同業者に大きな影響を与えました。トール・ブラザースは高級住宅を専門にしていますが、2006年度の住宅需要を下方修正しました。また、住宅価格の値上がりも、今までのようなペースではなく、もっとおだやかな速度を予想しています。こんなトール・ブラザースの見方ですから、他の住宅建築業者も、やや悲観的になったようです。
新築住宅の売上状況は、既に陰りが見えます。現在売りに出されている新築住宅件数は、ついに50万件を超えました。こんなレベルに達したことは、アメリカ不動産史上初めてのことです。これが意味することは、住宅を売りに出しても、直ぐ売れないということです。実際の数字を示せば、今アメリカで新築住宅を売るには、平均で4.1ヶ月の時間が必要です。」
米国不動産は暴落するのだろうか。全米不動産業協会がメンバーの意見調査をしたところ、ほとんどのメンバーは来年度の伸び率は約5%と回答している。ひょっとしたら、+5%は希望的観測かもしれない。もう一度、ディカサー氏を引用しよう。「2005年度の第4四半期は1.7%ほどの下落になると思われます。その後は横ばい状態が2007年まで続くでしょう。」どちらにしても、二桁の成長率は過去の物となったようだ。