コールオプション、プットオプションという言葉を耳にされた方は多いと思う。個別銘柄オプション、インデックスオプションなどの種類があるが、ルールは簡単だ。上がると思えばコールオプションを買い、下がると思うならプットオプションを買う。人気銘柄のヤフーで説明しよう。
金曜、ヤフーは37ドル87セントで取引が終了した。もし、ヤフーが40ドルに行く、と確信するならコールオプションの40ドル物を買う。ただ、時間制限があるから、11月限にするか12月限にするかを決めなければならない。当然、時間に余裕があった方が良いから、ここでは12月限を買うことにしよう。
ヤフーの12月限40ドル物は、1枚(1コントラクト)60ドルで金曜の取引を終えた。1枚=100株だから、たった60ドルの資金でヤフー100株分をコントロールできるわけだ。株が上がれば、当然コールオプションの値段も上がる。12月限を買ったからといって、何も制限時間が来るまで持っている必要はない。株と同様に、値上がれば利食い、ダメなら損切るだけだ。
一見だれでも勝てそうなオプションだが、現実は厳しい。統計によれば、90%の人たちが損を出しているという。何故これほど成績が悪いのだろうか。ある証券会社が、「あなたは何故オプションでロスを出したと思いますか」、という意見調査をした。10以上の主な理由があげられていたが、上位の3つを紹介しよう。
1、すぐ損切りが出来ず、小さな損を大きくしてしまった。
なぜ素早い損切りが出来なかったのだろうか。ある投資家は、正直にこう語っている。「あらかじめ設定しておいた損切りの値段が来たのですが、オプションを処分することができませんでした。損切ることは、自分が間違っていたことを認めることであり、私はプライドを傷つけたくなかったのです。」
2、難平買い。
損切りをするかわりに行きつくのが、この下がったところでの買い増しだ。たしかに平均価格を下げることになるが、結果はかんばしくないようだ。
3、投資アドバイザーやニュースレター情報に頼ってしまった。
オプション歴1年半のFさんに説明してもらおう。「最初は少し投資の本などを読んで勉強したのですが、中々そう簡単ではないことが分かりました。ですから、この世界で成功している人たちの意見を聞いて、手っ取り早く儲けようと思ったのです。6種類のニュースレターを購読してますが、まだうまく行きません。」
成功している人たちは損切りが素早く、決して難平買いをせず、そして自己判断で投資をしている。こんなことを書くと、「当たり前なことを言うな」、と怒鳴られそうだが、株の世界では9割近い人たちが、肝心なところで当たり前なことができなくなってしまうようだ。