iPodの登場で、ポッドキャスティングに人気が集まっている。iPodは音声録音をいっそう簡単にし、だれでも楽に音声をホームページにのせることができるようになった。その結果、オンラインのラジオショーが身近になり、ポッドキャスティングが誕生したわけだ。ポッドキャスティングは、単に音楽だけではない。話題はスポーツ、釣り、日曜大工、とにかく豊富だ。
これだけ人気のポッドキャスティングだから、これをビジネスに応用できないだろうか。当然のことながら、既に企業はポッドキャスティングの有効な使い方を研究している。アダム・カリー、という名前には馴染みがないと思うが、カリー氏はポッドキャスティングのパイオニアだ。今月、氏はポッドキャストネットワークを開始し、30から50の番組を計画している。シリコンバレーにあるベンチャーキャピタル会社が、約980万ドルの資金をポッドキャストネットワークに投資したようだが、「絶好なビジネスチャンスだ」、と大きな期待をよせている。
ポッドキャスターの収入はスポンサーからのコマーシャルだ。ほとんどの場合、番組の開始前に、15秒から30秒のコマーシャルを流す。コマーシャル料金は、一月数千ドルが相場になるが、4万5000ドルといった高額な料金も現れている。ビジネスウィークの報道によれば、ボルボ社はウェブログインクのオートブログに、6万ドルのコマーシャル料金支払いに同意している。
サンタモニカのラジオ局、KCRWは従来のラジオ番組と平行して、ポッドキャスティングも開始した。さっそく、南カリフォルニアのレクサスディーラーからコマーシャルが依頼され、ポッドキャスティングは順調なスタートを切った。放送を始めた最初の週は、約2万件ほどダウンロードされたようだが、このダウンロード数は、あっというまに10万以上に膨れ上がってしまった。そのためラジオ局は、コマーシャル料金を1000回のダウンロードに対して25ドルへの変更を考慮している。
スポンサーの広告に頼らないポッドキャスティングも存在する。This Week In Techは20万の聴取者を持つポッドキャスターだが、毎月2ドルの寄付を呼びかけ、現在月々1万ドルの収入を上げている。まだまだ若いポッドキャスティング、はたしてこれからどう変貌していくのだろうか。