48分。これは自動車労働組合の契約書に記されている、従業員が一日で許可されているトイレの使用時間だ。デトロイト・ニュース紙の報道によると、フォード・モーターは次のようなメモを、ミシガン州ウェイン市の工場に勤務する従業員に配布した。「多数の従業員が、規定されている一日48分までのトイレ使用時間を守ることができない。無駄な時間がトイレに費やされ、そのため生産に悪影響が出ている。」
更にメモには、自動車産業界の厳しい競争が強調され、管理職者は従業員のトイレ使用時間を監視することも書かれている。早速、こんな反論が出ている。「売上が下がったのは経営陣の責任です。私たちのトイレ使用時間には、何の関係もありません。」先週発表された決算によれば、第3四半期、フォードは1億9100万ドルの赤字だった。まさか、この損額全てがトイレ使用時間が原因とは思われない。
さて、48分が長すぎるかどうかは別として、株と言えば、長期投資型の人が多い。できれば、あまり知られていない有望な成長株を発掘して、安いところで買い込みたい。やがてアナリストもその銘柄を発見し、買い推奨が連発される。テレビや新聞でも話題になり、大衆がドッと買いに押し寄せる。株価は棒上げ状態になり、簡単に2倍になってしまう。こう上手く話しが進んだら最高だ。
大きく伸びそうな、長期投資用の株を見つけるには、6つのルールがある、とフール・ドット・コムのトム・ガードナー氏は言う。「投資者なら、ピーター・リンチという名前を聞いたことがあると思います。リンチ氏の本は100万冊以上売れてますから、氏の投資方法をご存知の方も多いはずです。しかし、問題なのは、多くの投資者はリンチ氏の方法を応用していません。私の守っている6つの投資ルールも、リンチ氏の考え方が根底にあります。」
それでは、6つのルールを紹介しよう。
1、小型成長企業に的を絞ること。リンチ氏はこう説明する。「大型優良銘柄が、そう簡単に2倍3倍になることはない。大幅上昇が期待できるのは小型株だ。」もちろん、バランスシートのしっかりした会社であることも忘れてはいけない。
2、速い成長スピード。売上や一株利益は、年間20%から30%以上の伸びがあること。
3、ありふれた会社名、退屈な製品、見捨てられた業界。好例はマスコ・コーポレーションだ。マスコと聞いても、何の会社か見当がつかない。マスコは水道の蛇口ハンドルを作る会社で、大衆を魅了するだけの話題性がない。もちろん、アナリストからも見捨てられた業界だ。だが、株価は100倍以上になっている。
4、まだ大手証券会社のアナリストによるレポートが無いこと。
5、インサイダーによる買い、自社株買戻しがあること。
6、一銘柄だけに集中投資しないこと。
リンチ氏の本は、「ピーター・リンチの株で勝つ」というタイトルで販売されている。