デルタ航空、ノースウエスト航空、デルファイ、どれも連邦破産法に基いて、会社更生手続きの申請をした企業だ。ミシガン州に本拠地を置くデルファイ社は、従業員数18万5000人の大手自動車部品メーカーだが、この破綻でゼネラルモータースが向こう2年間で倒産する確率は、10%から30%に上がったという。
会社と心中を覚悟して、奇跡的なカムバックに賭けることもできるが、それでは投資としてリスクが大きすぎる。それよりも大切なのは、最初からデルタ航空のような企業を避けて、経営内容の優れた会社を選ぶことだ。一口に経営内容といっても、売上高、収益、人事、製品開発などと、調べなくてはいけないことが山とある。もちろん、全ての事項を一つ一つ検討していたら膨大な時間がかかってしまう。そこで紹介したいのが、ある指標を使った単純な投資実験だ。
事の発端は、投資アドバイザー、ロブ・ハンナ氏が発表したデータにある。テストに使われたのはS&P500指数、そしてテスト期間は2005年9月30日までの過去15年間だ。テストを具体的に説明しよう。
テスト1、
A、今日の終値は少なくとも5日前の終値より2パーセント低いこと。
B、今日の終値は200日移動平均線の上にあること。
上記A、Bの両条件が満たされたらS&P500指数を買って、五日後の終値で売る。
テスト2、
A、今日の終値は少なくとも5日前の終値より2パーセント低いこと。
B、今日の終値は200日移動平均線の下にあること。
以上2つの条件が揃ったらS&P500指数を買って、五日後の終値で売る。
結果を見てみよう。
テスト1、
総トレード回数:96
勝率:70%
総利益:825.78ポイント
テスト2、
総トレード回数:83
勝率:53%
総利益:165.32ポイント
たしかに両方とも利益が出ている。しかし、指数が200日移動平均線の上か下かで儲けが大きく違う。もし日足チャートに一つだけ指標を入れるなら、それは200日移動平均線だ。