プルーデンシャル証券が、テクニカルリサーチ部門の閉鎖を発表したのは先週のことだった。広報担当のジム・ゴーマン氏は、現在の米国株式市場環境、そして変化する顧客ニーズが閉鎖の原因、と説明している。おかげで、人気テクニカルアナリスト、ラルフ・アカンポラ氏が失業してしまったが、これでプルーデンシャル証券は、ファンダメンタルズだけで株を分析することになった。
チャートやインディケーターを使って株を分析するテクニカルアナリシスを嫌う投資家もいることは事実だが、テクニカルリサーチ部門が存在しない証券会社では、適切なマーケット分析をすることはできない。アカンポラ氏が有名になった理由は、1997年、ダウ指数1万ドルを、だれよりも先に予測したからだ。(その時ダウは7200ドル台だった。)
ここで紹介したいのが、テクニカルアナリシスのベテラン、ロバート・コルビー氏だ。早速、氏の言葉を引用しよう。「今日でも、多数の投資者はファンダメンタルズを重要視する傾向があります。ファンダメンタルズを利用することで、安く買って高く売ることが可能と考えているようですが、彼らのしていることは正反対です。正当評価額より現在の株価は低いから買いだ、そんな事を言って買いに走るのですが、株価はますます下がる一方です。どんなに魅力的なファンダメンタルズでも、トレンドを無視していたのでは利益を上げることはできません。」
一口にテクニカルインディケーターと言っても、MACD、ストキャスティクス、RSI、モメンタム、と数多くある。はたして、どれが一番使いものになるのだろうか。コルビー氏の意見を聞いてみよう。「たとえば人気のある200日移動平均線ですが、これは今日でも投資にとても有効な移動平均線です。買いは200日移動平均線の上にある銘柄だけに限る、こんな単純なルールを守るだけで、いつも大きなトレンドに乗ることができます。」
さらに氏の分析結果によれば、5日エクスポネンシャル移動平均線が、株投資最高の武器だ。5日エクスポネンシャル移動平均線を利用した投資家は、単に買って持ち続ける投資家の利益を76万6千倍も上回った。また、出来高の上昇度を分析するだけでも、2万4000倍の利益を得ることができた。テクニカルインディケーターを無視した株投資などありえない。しかしプルーデンシャル証券は、こともあろうにテクニカルリサーチ部門を廃止してしまったのだ。