+1.4%、これが過去30年間の平均だ。2005年のマーケットも、あと2ヶ月でお仕舞い。クリスマスラリーを待望しておられる方も多いことだろう。ストック・トレーダーズ・アルマナック社の統計によれば、11月のマーケットは年間12ヶ月を通して、月別で2番目という好成績をあげている。
上記の+1.4%は、過去30年間、S&P500指数が記録した11月の平均伸び率だ。同時期のダウ指数は+1.3%、そしてナスダック指数は+1.9%だから、これでどのマーケットを狙うべきかが分かる。もう一つ、アルマナック社からの統計を付け加えよう。過去14回の大統領選挙を振り返ってみると、選挙翌年の11月に下げたことは、たった3回しかない。
「マーケットは先週底を打ったと思います。投資者たちは、かなり悲観的になっていますから、ラリーが起きやすい下地が出来上がっています」、とウィーデン&カンパニーでリサーチアナリストを務める、スティーブン・ゴールドマン氏は言う。しかし、氏はこんな警告もしている。「国債市場を見てみると、10年債の利率が上昇し、ここ6ヶ月間で最高の水準に来ています。金利や高い灯油などのエネルギー価格は、株式市場に大きなチャレンジになるでしょう。」
早速だが、11月1日にはFOMC(連邦公開市場委員会)が予定されている。0.25ポイント(25ベーシスポイント)の利上げが予想され、短期金利は4%になる、というのが大方の見方だ。最近のタカ派的な連銀関係者の意見で分かるように、金利引き上げは11月で終わりになる可能性は低い。フェドファンズ(短期金利)先物市場を参考にするなら、マーケットは12月と1月にも金利引き上げを予測している。
最後に、少し気になるデータを記しておこう。たしかに11月は2番目に成績が良い月なのだが、それにはある前提がある。年末ラリーは、1月から10月までの伸び率に大きく影響される。最初の10ヶ月間の上昇率が10%以上なら、強い年末ラリーが期待できる。しかし10ヶ月間の伸びが4%以下なら、大したラリーを望めない。ここまでのS&P500指数を見てみると、ほぼプラスマイナス0だから、クリスマスラリーは控えめなものになりそうだ。