9月も大詰め、あと3ヶ月で2005年度のマーケットが終了する。1月、1213ドルでスタートを切ったS&P500指数は、現在1220ドルを示し、たった0.5%の上昇というアクビの出そうな展開だ。もちろん、11回連続の短期金利引き上げ、高騰するオイル、ガソリンを考慮すれば、マーケットは健闘している、と言うこともできる。
9ヶ月間たいした動きを見せなかったマーケットだが、ポートフォリオマネージャーのジョン・マークマン氏は、こんなことを言う。「S&P500指数は、アメリカを代表する500の企業で構成される指数ですが、今年の状況は去年とよく似ています。2004年、S&P500は1111ドルで始まり、9月の終わりには1110ドルでした。小型株指数のラッセル2000は556ドルで2004年をスタートし、558ドルで9月を終えました。残りの10月から12月ですが、小型株指数は15%の上昇、そして大型株指数のS&P500は9%の伸びを記録しました。」
はたして、今年も去年のようなラリーがやって来るのだろうか。力強い上げは期待できないようだが、マークマン氏は5%程の上昇を予測している。3つの要素が買い材料になるらしいが、さっそく氏に説明してもらおう。
1、予想を上回る企業収益
3ヶ月前、アナリストはS&P500指数に属する企業の収益は、年間ベースで15.1%増、という見方を発表した。しかし、トムソンファイナンシャルが指摘するように、実際はそれ以上の17.9%の成長になりそうだ。エネルギー銘柄、特にオイル会社の収益は+29%から+56%が見込まれ、ハリケーンが悪影響になった保険会社や銀行収益も21%程の上げとなるだろう。
2、更なる上昇が期待できるエネルギー株
高騰するオイル価格は既に織り込み済み、だからオイルなどのエネルギー銘柄は避けるべきだ、といった声が聞かれるが、そう簡単に結論するのは早すぎる。利益を確保するために、オイル会社は顧客と相談して向こう6ヶ月、1年間といった形でオイル価格を設定する。だから今でも40ドル台の安い値段で取引をしている顧客がいるわけだ。現在の高いオイル価格が決算に繁栄されるのはこれからだから、まだエネルギー銘柄には上昇が望める。
3、新投資テーマの登場
アップルコンピュータのiPod nanoでも分かるように、新製品は株価を動かす大きな原動力になる。今、ファンドマネージャーたちが注目しているのは、IPTV(インターネットプロトコールテレビジョン)と呼ばれる新技術だ。テレビ映像シグナルが、ファイバーオプティックを通して各家庭に届くわけだが、これが実現するとテレビ産業は一大改革になる。豊富な番組をいつでも見れるだけでなく、好きな番組を簡単にメールすることも可能になる。企業生命をかけて、電話会社とケーブルテレビ会社は激しく競い合うことだろう。
残り3ヶ月、どうやら勝負はこれからだ。