あと5セント下がったら損切るしかない、と半分諦めていると、突然SP500指数が跳ね上がった。何が起きたのだろう。チャートを見ても、別に重要なサポートラインにぶつかり反発しているわけではない。とにかく良かった。この指数の思いがけない回復で、持ち株が上昇し始めた。トレーダーならそんな経験をされた事があると思うが、マーケットを襲ったプログラムトレードに助けられた可能性大だ。
大手証券会社のコンピュータによって執行されるプログラムトレードだが、先ずその定義を説明しよう。プログラムトレードとは、15以上のSP500指数に属する銘柄を同時に買い(または売り)、その総額が100万ドル以上になる取引の事だ。プログラムトレードは、ダウ指数の上げ下げ幅によって執行が制限される。実際の数値は各四半期ごとに調整されるが、ダウ指数が210ポイント以上動いている時はプログラムトレードが出来ない。
HLキャンプ社のハンク・キャンプ氏によれば、ニューヨーク証券取引所の総出来高の約60%は、プログラムトレードによるものだという。特にUBS証券のプログラムトレードが圧倒的に多く、その次がリーマンブラザース、モルガンスタンレー、ファーストボストン、ゴールドマンサックス、そしてメリルリンチと続くようだ。
それでは、23年間プログラムトレードを研究しているキャンプ氏に、もう少し話してもらおう。「プログラムトレードの仕組みがよく分からなくても構いませんが、SPプレミアム指数を理解することが大切です。この指数には先行指数的な要素があり、これを正しく利用することで、マーケットの次の動きを予測することができます。もちろん、プレミアム指数からも、プログラムトレードの入るタイミングを、ある程度読むことができます。ですから、私はプレミアム指数に勝る指数は無いと思います。
プレミアム指数は株価のように証券取引所から出されるものではなく、それぞれのデータ会社が計算し、投資者に配信しています。簡単にプレミアム指数を説明すれば、これはSP500先物指数と、SP500キャッシュ指数の差額です。た易く計算できそうな指数なのですが、データ会社によって数字がまちまちになり、明らかに間違った数値を配信している会社もあります。ですから注意しないといけないわけですが、コムストック社からは良いデータが出されています。」
実際のプレミアム指数の使い方は「企業秘密」、ということで教えてくれないキャンプ氏だがヒントがある。プログラムトレードは、SP500先物指数とSP500キャッシュ指数が離れすぎている時に起きやすい。だから3分足や1分足などのチャートで、SP500先物指数、SP500キャッシュ指数、そしてSPプレミアム指数を監視するわけだ。そんなことをしているヒマは無い、と言われる方なら、下のホームページが参考になるかもしれない。
http://www.indexarb.com/