ノースウエスト航空の整備士がストに入ってから、約3週間が経った。会社側も今日から、新規従業員を雇って、スト中の整備士を入れ替える方針だ。これで整備士たちは完全に職を失う可能性が出てきたが、AP通信によれば、今のところ職場に戻ったのは、たった5人だけだという。
話し合いが駄目なら、人々はストのような強硬策を使って、相手側に自分たちの要求を呑ませようとする。ガソリン高がアメリカの消費者を悩ませているが、こんなメールがMSNBCに宛てられていた。
国民一同でガソリンのボイコットをするのはどうでしょうか?ある程度の期間ボイコットすれば、オイル会社はガソリンを値下げするしかないと思います。(カリフォルニア在住、マーク)
この質問に回答したのは、シニア・プロデューサーのジョン・ショーエン氏だ。「短期間のボイコットでは、ガソリン価格に長期的なインパクトを与えることはできません。たとえ全ての人が、数日間ボイコットに参加したとしても、ボイコットが終わってしまえば、またもとの需給関係に戻ってしまうわけです。」
更にショーエン氏の話を聞いてみると、ボイコットは逆にガソリン高に結びつくと言う。「大々的な規模でのガソリンボイコットを考えてみてください。明日からボイコットが始まるなら、あなたは今日中に車のガソリンタンクを満タンにすることでしょう。そうするのは、はたしてあなただけでしょうか。皆が一斉にガソリンスタンドに押し寄せることでしょう。これは一時的にガソリン不足を生む原因になり、1ガロン(3.785リットル)10ドルなどという事態になってしまうかもしれません。」ボイコットするよりも、節約を心がけた方がよさそうだ。
物が豊富にある時代だから、はたしてどのていど節約精神に期待できるか分からないが、食料品は豊富な物の一つだ。あまり食べ過ぎるから、アメリカ人の4割近くは肥満だ。この肥満は大人だけの問題でなく、幼稚園や小学校の子どもにまで広がっている。そんなわけで子どもが太るのはハンバーガーやフレンチフライが悪い、ということでマクドナルドを批判する大人たちが多い。別に子どもを太らせようとして、マクドナルドは商売を始めたわけではないが、ボイコットなどされてはたまらない。そこでマクドナルドは、こんなことを発表した。
約31000の公立小学校を対象に、マクドナルドは体育プログラムのスポンサーになる。参加するのは3年生から5年生が中心になるようだが、「地域社会に貢献することは、マクドナルドのイメージアップにつながります」、とマーケティングを担当するビル・ラマー氏は言う。そうかもしれないが納得できない。正しい食生活や、適度な運動の大切さは親や学校が子どもに教えるべきことだ。自分で食事の用意もせず、子どもに小銭を持たせて、「マクドナルドで何か買って食べなさい」、と命令するのは、いったいだれなのだろう。