史上最悪の被害になるのでは、そんなニュースが主流だったが、嬉しいことにハリケーンカトリーナは既に勢力をカテゴリー2まで落としている。株なら人気アナリストの格下げで、とどめを刺すことができるのだが、相手がハリケーンではそうも行かない。避難された方々の無事を祈りたい。
マーケットが始まる30分ほど前に、投資アドバイザーのギャリー・カルトバウム氏がこんな事を言った。「毎朝マーケットのテクニカルレポートや、大手証券アナリストのコメントに目を通すのですが、どれを読んでも同じことが書かれています。皆、口を揃えて弱気なのです。これが何を意味するか一々説明する必要は無いと思いますが、このように意見があまりに片寄っている時は注意です。」
終了まで約2時間残っているが、ここまでの動きをダウ指数の10分足チャートで見てみよう。
オイル瞬時70ドル突破、ハリケーンの被害は300億ドルに達しそう、こんなニュースを受けて、マーケットは売り手優勢のスタートを切った。ここで注目してほしいのは、ダウ指数の安値とストキャスティクの関係だ。寄付でつけた安値2は、先週金曜の安値1よりも低い。1の安値でストキャスティクはAの位置にあり、今朝の安値2ではBの位置だ。
AとBを注意して見ると分かるのだが、ダウ指数は下げたにもかかわらず、ストキャスティクは逆に上がっている。指数は安値を2で記録したのだから、普通ならストキャスティクもBはAよりも低くならなければならない。正にダウ指数と、ストキャスティクの動きが不一致になったわけだ。デイバージェンスと呼ばれる現象だが、これは反転のキッカケになることが多い。
ニュースばかりに気を取られると感情的になってしまうが、株価と指標を組み合わせて、冷静に売買することが大切だ。ストキャスティクだけに限らず、指標にはMACDやRSIなどもある。値動きを追うだけでは騙されやすいから、何か一つ指標を使ってみるのも一案だろう。