Tuesday August 30, 2005

US Market Recap

注意を払いたい株価と指標の不一致

史上最悪の被害になるのでは、そんなニュースが主流だったが、嬉しいことにハリケーンカトリーナは既に勢力をカテゴリー2まで落としている。株なら人気アナリストの格下げで、とどめを刺すことができるのだが、相手がハリケーンではそうも行かない。避難された方々の無事を祈りたい。

マーケットが始まる30分ほど前に、投資アドバイザーのギャリー・カルトバウム氏がこんな事を言った。「毎朝マーケットのテクニカルレポートや、大手証券アナリストのコメントに目を通すのですが、どれを読んでも同じことが書かれています。皆、口を揃えて弱気なのです。これが何を意味するか一々説明する必要は無いと思いますが、このように意見があまりに片寄っている時は注意です。」

終了まで約2時間残っているが、ここまでの動きをダウ指数の10分足チャートで見てみよう。

0829dow.GIF

オイル瞬時70ドル突破、ハリケーンの被害は300億ドルに達しそう、こんなニュースを受けて、マーケットは売り手優勢のスタートを切った。ここで注目してほしいのは、ダウ指数の安値とストキャスティクの関係だ。寄付でつけた安値2は、先週金曜の安値1よりも低い。1の安値でストキャスティクはAの位置にあり、今朝の安値2ではBの位置だ。

AとBを注意して見ると分かるのだが、ダウ指数は下げたにもかかわらず、ストキャスティクは逆に上がっている。指数は安値を2で記録したのだから、普通ならストキャスティクもBはAよりも低くならなければならない。正にダウ指数と、ストキャスティクの動きが不一致になったわけだ。デイバージェンスと呼ばれる現象だが、これは反転のキッカケになることが多い。

ニュースばかりに気を取られると感情的になってしまうが、株価と指標を組み合わせて、冷静に売買することが大切だ。ストキャスティクだけに限らず、指標にはMACDやRSIなどもある。値動きを追うだけでは騙されやすいから、何か一つ指標を使ってみるのも一案だろう。

Stocks You Need To Know About

嫌われた保険株?

ハリケーンの被害で保険金申請者が殺到する、だから保険会社は売りだ。というわけでアメリカンインターナショナルグループは、窓を開けての下げで始まった。

結果的には、寄付がほぼ今日の安値となり、見事な反発ラリーを展開した。面白いのは、この反転の開始された場所だ。6月24日の安値と8月10日の高値で計算すると、ラリーが始まったのは61.8%高値から戻したところになる。結構フィボナッチを利用するトレーダーがいるようだ。

0829aig.GIF

Wall Street English

ホッと一息

もちろん無傷ではないが、ハリケーンの被害は思ったほど深刻でなかった。一安心した投資者の様子が、こう報道されている。

NEW YORK (CNN/Money) - Stocks gained Monday afternoon, as investors took tentative steps back into the market on relief that the worst seems to have passed regarding Hurricane Katrina and the price of oil.

最悪事態は去った、そう判断した投資家が、一時的にマーケットに戻って来たようだ。

 

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット