情報の集めすぎは株トレードに弊害だ、というジェイク・バーンスタイン氏(MBHコモディティ社長)の意見を昨日紹介したが、氏はそれ以外に五つの注意点を挙げている。さっそく見てみよう。
1、常識的に考えすぎる。
大衆と同じ常識的な売買では、平均以上の利益を獲得することはできない。これは株の世界に限ったことではなく、人と同様なことをしていたのでは、人並な結果に終わることは目に見えている。秀でた成績を上げたければ、大衆の逆を行くことだ。常に大衆心理を疑問視する態度を身につけ、ニュースなどもあまり聞かない方が良い。とにかく理屈は簡単だ。ほとんどの人たちは損を出しているのだから、一般投資家たちのやり方は間違っている。
2、分析のしすぎ。
これをよく覚えておいてほしい。マーケットでは滅多に複雑なことは起きない。値動きは一見デタラメのように思われるかもしれないが、ほとんどの場合、事前に何らかのヒントが出ているものだ。ランダムな動きは全体の2割くらい。多くても4割を超えることはない。複数のチャートソフトで銘柄を分析することで、勝率を向上させようとしている人たちがいる。慎重に時間をかけて分析すれば勝てる、と信じているようだが、とんでもない思い違いだ。
3、損切りの幅がきつすぎる。
損切り設定の大切さをここで言うつもりはない。問題は設定場所だ。大きな損を出したくないから、買値にあまりにも近い所で損切ってしまう。きつすぎる損切りは、いたずらに損切りの回数を増やすだけだ。適切に損切りを設定をするためには、取引している銘柄や商品のボラティリティを正しく把握する必要がある。800ドルの損切り幅がある銘柄で適当でも、それがSP500指数にあてはまるという保証は無い。
4、損切りはトレードシステムの一部。
300ドルや500ドルほどの損なら大して口座に響かない。しかし、1000ドルはちょっと痛い。だから損切りは一律1000ドルにしよう、という決め方をする人がいるが、これは間違ったやり方だ。上記したように、先ず損切りで考慮するのはボラティリティだが、もう一つチャートパターンを忘れてはいけない。買った後アップトレンドが崩れるなら、たとえその時点で損が100ドルでも、素早い損切りが必要だ。
5、自分のスタイルを確立させる。
他人の意見に頼るのではなく、自分の目を信じてほしい。自分の好みに合ったトレード方法を見つけたら、それを改善して完全に自分のものにすることだ。最初は単にプロのまねから始まるが、経験を積むにしたがって、自分のスタイルに合うようにうまく調整されていることだろう。