ひょっとしたらオイルは1バーレル100ドルを達成するのでは、そんなことを真剣に考える人が多くなった。金曜の終値は66ドル86セント、今年に入って既に52パーセントの上昇だ。毎日OPECやカナダなどの産油国から供給されるオイル量は8412万バーレルにおよぶが、需要量の8438万バーレルには追いつかない。こんな需給関係が続くかぎり、オイル価格上昇に歯止めはかからないわけだ。
オイルアナリストも冷静さを失ってしまったらしい。CNNのインタビューで、オッペンハイマー社ファデル・ガイト氏は「このラリーは完璧な嵐です。まるで映画でも観ているような、とにかく超現実的と言うしかありません」、と述べている。MKMパートナーズのケイティー・タウンシェンド氏は、68ドルの目標価格を発表しているが、もはや達成されたも同然だ。
高いオイルはインフレ懸念を呼び、株式市場にはマイナス材料となる。それに季節的要素を考慮すれば、だれでも心配になってしまう。マーケットの歴史を振り返ると、8月と9月は株が最も冴えない時期という統計がある。1950年以来、9月の成績が最も悪く、最近15年間だけを見るなら8月が最悪だ。現在S&P500指数は高値近辺で推移しているだけに、買いポジションを抱える人たちは、少し嫌な気分を味わっているかもしれない。
ストックトレーダーズアルマナック社の調べによれば、株は各四半期の一ヶ月めが強く、残りの二ヶ月は弱くなる習性があるという。とすれば四半期最初の7月は好調になり、8月9月は衰えることになるわけだ。またブリンマワー社のピーター・ブローディー氏は、次のように語っている。「雇用統計などの経済指数が表すように、健全な米国経済が強い株式市場の原動力になっています。しかし短期的に見た場合は、自然な利食いのサイクルが迫っていると言えるでしょう。」
最後にS&P500指数を検討してみよう。
今のところ横ばいを展開しているが、季節的な要素を重視して、ブレイクダウンに気をつけたい。