Tuesday August 9, 2005

US Market Recap

ローソクチャートに勝てるものはない!

オイルが1バーレル63ドルを突破した。こんな急激な上げを持続するのは不可能だ、と口にする人は多いが、取引所で声を張り上げるトレーダーからそんな意見は聞かれない。「値段が高すぎる?そういう見方もあると思いますが、この値動きに逆らうトレーダーはほとんどいません。こんな強気な調子が今週ずっと続いても、全く不思議なことではないと思います」、とあるトレーダーがレポーターに答えていた。

大産油国サウジアラビアのテロ懸念、無理な稼動が原因で6つ以上の製油所が一時閉鎖、アメリカ国内のガソリン不足、差し迫る本格的なハリケーンシーズン、オイル買いの理由なら簡単に見つかる。さらに、イランはヨーロッパ諸国からの反対を無視して原子力プロジェクトを再開した。ついでにもう一つ付け加えれば、週末に発生したSUNOCO石油製油所火災も、オイル買いを誘ってしまったようだ。

オイル業界アナリストのマーシャル スティーブス氏は、「需要の大きな減退、または経済の冷え込みがない限り、オイル価格は上げ続けるでしょう」と述べてはいるが、それらの状況がいつ訪れるかは全く見当がつかない状態だ。株のアナリストなら、株価があまりの急ピッチで上昇すると、正当評価額を大幅に超えたから売れ、などといった推奨を出す。しかし、これだけ急騰するオイルだが、割高を理由に売りを唱える人は見あたらない。まるでオイルには、正当評価額など存在しないようだ。

オイルは生活必需品だから株とは根本的に違う、と言う人たちがいる。オイルには本物の需要供給があるが、株は生活必需品ではないから、アナリストやニュースを使って人工的に需要を作り出さないといけない、というのが彼らの言い分だ。この論法で行けば、どんなに高くても現在のオイル取引値は的確な需給関係を表し、これが現時点における正当評価額であると言うことができる。株の場合でも、意図的に作られた需要であったとしても、現在の取引値はオイルと同様に、買い手と売り手の需給関係を表していることにかわりはない。

ローソクチャートを使った投資の強みは、ニュースや噂を無視して、売買の中核である需給関係に焦点を合わすことができることだ。先週の金曜を思い出してほしい。ナスダック市場にデビューしたBaidu.Comの初取引値は66ドルだった。信じられないことだが、Baiduは123ドルという倍に近い値段で終了した。需給状況が分からなければ、こんな取引の始まったばかりの株をトレードすることはできない。ローソクチャート、それは日本の生んだ最高の投資武器だ。

Stocks You Need To Know About

フィボナッチの数字

シスコがノキアを買収する可能性について、多数のテレビや新聞が報道した。思ったとおり、ノキアは強い開始になったが、元気のよかったのは最初だけだった。

日足チャートを見ると分かるのだが、ノキアのトレードが始まった場所は、先月の高値と安値で計算すると、これはちょうど38.2%ほど安値から戻した位置にあたる。お気づきの方もいると思うが、38.2はフィボナッチ比率だ。耳慣れない言葉かもしれないが、アメリカにはフィボナッチを利用するトレーダーが意外に多い。

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Wall Street English

時間の無駄

火曜に控えたFOMC(連邦公開市場委員会)だが、米商工会議所のエコノミスト、マーチン レガリア氏はこんなことを言う。

"Every Fed [meeting], the market seems to be contemplating what the Fed is going to do. To me, that seems to be a ridiculous waste of time. We know what the Fed is going to do," said Martin Regalia, chief economist at the U.S. Chamber of Commerce.

太字のwaste of time(時間の無駄)がキーワードだ。意訳すれば、もう皆さん既に連銀が利上げをすることは分かっているのですから、FOMCに注目することなど「時間の無駄」です、ということになる。

 

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