雇用統計でスタートを切った金曜だが、これは単なるお膳立てにすぎない。今日の主役は、何と言ってもBaidu.Com(BIDU)だ。この夏最高の新規公開株(IPO)、第2のグーグル中国版などと騒がれたが、前評判を全く裏切ることなく、さっそうとナスダック市場にデビューした。
公募価格27ドルちょうど、初取り引きは爆発的な人気を反映する66ドルだ。あっという間に82ドルに達し、いっせいに利食いが待ってました、とばかり押し寄せた。一息に65ドルまで下げたが、ここから信じられない反発ラリーが始まる。下の2分足チャートを見てほしい。65ドルから99ドル50セントまで駆け上がってしまったのだ。まだ引けまで時間は充分残っている。こんな凄まじいIPOを見るのは久しぶりだ。
このBaidu.ComのBaiduはバイドゥと発音され、漢字で書くと「百度」になる。一回や二回でなく、頻繁にクリックして欲しい、そんな願いを込めた会社命名かと思ったが、完全に思い違いだった。話によれば、Baiduという名前は、恋人を求めて旅をする男の物語から来たようだ。
404万株という少ない発行株数が、激しく動く株価の大きな原因だが、こんな急ピッチな上げに、早くもアナリストたちから、割高の声が聞こえてくる。ルネッサンスキャピタル社の調査によれば、Baiduの時価総額は8億9800万ドルほどにのぼり、これは総純収入の約42倍に相当する。同様な数値を競争相手2社から弾き出すと、グーグルは19倍、ヤフーは11倍だという。
さて、第2のグーグルと呼ばれるBaiduだが、実はグーグルはBaiduの約2.6%を所有している。思わず笑ってしまったが、既に市場では、グーグルによるBaidu買収がささやかれている。どちらにしてもまだ初日、Baiduの正当評価額など考える投資者は、おそらく10%もいないことだろう。おっと、100ドルを突破したようだ。