August 2005 のトップ・ストーリー一覧

ザ・ボーイ・プランジャーの異名で恐れられた相場師、ジェシー・リバモア。1929年、空売りで1億ドルの利益を上げた話は有名だ。自宅からオンライントレードが当たり前になった今日この頃だが、現代にも通用するリバモアの言葉を紹介しよう。

1、株投機は世界で最も魅力的なゲームだ。しかし怠惰な人、感情をコントロールできない人、それに手っ取り早く儲けようなどと思っている人は、絶対に利益を上げることはできない。

2、マーケットとあなたの考えが一致するまで売買を実行してはいけない。マーケットが動いてからでは遅すぎる、と思うかもしれないが、それはあなたの考えが正しかったことの証明になる。言い換えれば、投機には忍耐が必要だ。

3、現在の持ち株に損が出ているなら、買い増しをしてはいけない。それは単に損害を大きくするだけだ。

4、レジスタンスのほとんど無い銘柄を選べ。なんと言っても、トレンドは最大の味方だ。

5、賢い投機家は、決してマーケットに逆らうことはない。マーケットは常に正しく、間違っているのは私たちの相場観だ。

6、値動きにはパターンがあり、それは何度も繰り返される。マーケットは人間が作るものであり、時代が変わっても、人間心理が変わることはない。

7、思惑が外れたら直ぐ手仕舞うことだ。損の穴埋めには、二倍の労力がかかる。

最後に金融ジャーナリスト、ジム・ワイコフ氏を引用しよう。「リバモアの成功は内部情報のおかげだ、と言う人たちがいますが、それは全く見当違いです。リバモアは人間心理を読むことを知っていたのです。株価は常に動きますが、それに反応する人間は、いつも同様な行動を示します。リバモアの全盛期から100年近い年月が経ちましたが、今日も相変わらず大衆は同じ間違いを繰り返しているのです。」

史上最悪の被害になるのでは、そんなニュースが主流だったが、嬉しいことにハリケーンカトリーナは既に勢力をカテゴリー2まで落としている。株なら人気アナリストの格下げで、とどめを刺すことができるのだが、相手がハリケーンではそうも行かない。避難された方々の無事を祈りたい。

マーケットが始まる30分ほど前に、投資アドバイザーのギャリー・カルトバウム氏がこんな事を言った。「毎朝マーケットのテクニカルレポートや、大手証券アナリストのコメントに目を通すのですが、どれを読んでも同じことが書かれています。皆、口を揃えて弱気なのです。これが何を意味するか一々説明する必要は無いと思いますが、このように意見があまりに片寄っている時は注意です。」

終了まで約2時間残っているが、ここまでの動きをダウ指数の10分足チャートで見てみよう。

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オイル瞬時70ドル突破、ハリケーンの被害は300億ドルに達しそう、こんなニュースを受けて、マーケットは売り手優勢のスタートを切った。ここで注目してほしいのは、ダウ指数の安値とストキャスティクの関係だ。寄付でつけた安値2は、先週金曜の安値1よりも低い。1の安値でストキャスティクはAの位置にあり、今朝の安値2ではBの位置だ。

AとBを注意して見ると分かるのだが、ダウ指数は下げたにもかかわらず、ストキャスティクは逆に上がっている。指数は安値を2で記録したのだから、普通ならストキャスティクもBはAよりも低くならなければならない。正にダウ指数と、ストキャスティクの動きが不一致になったわけだ。デイバージェンスと呼ばれる現象だが、これは反転のキッカケになることが多い。

ニュースばかりに気を取られると感情的になってしまうが、株価と指標を組み合わせて、冷静に売買することが大切だ。ストキャスティクだけに限らず、指標にはMACDやRSIなどもある。値動きを追うだけでは騙されやすいから、何か一つ指標を使ってみるのも一案だろう。

銀行家のようになるな。そう語るのは、ユニークな株投資入門書で人気のデービッド・ガードナー氏だ。正確な情報とデータを基に、利益を着実に上げる銀行家だが、あまりにも安全を重視するため、まず大きく儲けることはない。リスクを最小限におさえようとするから、どうしても保守的な投資姿勢になってしまうわけだ。

ウィリアム・オニール氏の名前を聞かれた方もいると思うが、氏の考案したCANSLIMは銀行家の冷静さに、計算された冒険を加えた、個人投資家に向いた優れた長期株投資方法だ。このCANSLIMの成績を見てみると、1998年1月から、2005年6月末までに859%の利益を上げている。

CANSLIMの一字一字は、特定の投資アイディアを表す頭文字だ。Cは現在の四半期収益を示す。ポイントは、今期収益が前年度同時期を、少なくとも18%から25%以上上回っていなければならない。オニール氏によれば、大上昇を展開する株は、コンスタントに30%から40%の伸びを記録しているとのことだ。

Aは年間全体を通しての一株収益を表す。第1四半期は良かったが、第2と第3はダメ、そして第4四半期はブレークイーブン。こんな会社には投資してはいけない。過去三年間のデータを調べて、毎年25%以上の収益成長がある会社を選ぶことだ。

Nは新製品や新技術を示す。例を挙げれば、アップルのiPod、古い例ならマイクロソフトのウィンドウズだ。たとえ小さな会社でも、画期的な製品が大企業の生存を脅かすこともある。常にニュースをチェックして、最先端技術には敏感であってほしい。新製品や新技術以外にも、経営陣一掃といったニュースにも注意を払いたい。

Sは株の需給状態、Lはトップか、それとも遅れ組かといった企業の業界内での位置、Iは機関投資家の参入状況を表す。最後のMは、現在のマーケット方向だ。どんなに素晴らしい銘柄を発見しても、マーケット全体が下げ基調なら買ってはいけない。もちろん弱い相場でも上がるものは上がるが、問題は上昇に力を欠くことだ。先ず材料を集める。そしてチャートで方向を確認してから出動しよう。

 

 

今週のトップニュースは何ですか、そんな質問をCNNのレポーターが街を行く人々に尋ねた結果、半分以上の回答は、上昇の続くオイルだったという。さきほど連邦準備理事会議長、グリーンスパン氏のコメントが放映されたが、氏が最も心配している物の一つは不動産バブルのようだ。このオイルと不動産がドルの運命を握る、と語るのはフォーレックスキャピタル社でチーフストラテジストを務める、キャッシー・リーン女史だ。さっそく話を聞いてみよう。

「今年は米ドルが好調です。1月からドルはユーロに対して12%、日本円に対して5%、そして英国ポンドに対しては7%の上げです。短期金利の上昇、好転する製造業、そして堅調な雇用状況がドル高の主な原因です。しかし7月からの様子を見ると、ドルはピークに達したようです。

まったく衰えが見えないオイルですが、66ドルを記録した今、値段は40ドルまで下げそうだ、といった見方よりも80ドルに行く、といった見方の方が現実的です。また、人気の不動産市場には天井の兆しが見え始めています。強い個人消費は、好調な不動産が支えてきたわけですから、不動産の冷え込みは米国経済の減速につながります。言い換えれば、オイルと不動産が金利政策の鍵になります。

オイル価格が10ドル上がると、それはGDP(国内総生産)を0.4%減少させます。何だ、たったの0.4%か、そう言われる方もいると思いますが、大切なことはある条件を加えて考える必要があります。まだ8月、暑い日々が続いていますが、秋が来れば暖房のスイッチが押されます。ヒーター用の燃料は天然ガスが主流ですが、これもオイルと同様に値上がりが続いています。ですから、年末には個人消費が冷え込みそうです。

間違いなく、不動産バブルは弾けることでしょう。毎日のようにテレビでは不動産が話題になり、不動産の短期投資セミナーなども流行っています。天井です。通常不動産は米国経済の5%ほどですが、現在は何と50%に達しています。アリゾナ不動産47%上昇、サンフランシスコ住宅中間価格は72万ドル、そんなことばかりに気を取られますが、売りに出ている物件が大きく増え、需給関係が崩れ始めています。たとえばバージニア州では売り物件が26%の上昇、そしてマサチューセッツでは31%の上昇です。」

もしリーン女史の言うような展開になれば、たしかに米国経済は下向きになり、ドル安が訪れることだろう。最後に、歴史的な事実を加えておこう。2006年1月31日で、グリーンスパン氏は引退する。1970年以来、連邦準備理事議長就任の一年めは、経済的に厳しい年になる。1970年、バーンズ議長はベアマーケット、1979年ボルカー議長は二桁インフレ、そしてグリーンスパン氏は1987年、株式市場暴落を経験した。波乱な年がやって来そうだ。

保育園の前に駐車していたバンから、約75ドル相当のガソリンが盗まれる。配達用に使っていた車3台から、約80ガロン(303リットル)のガソリンが盗まれる。地下タンクからガソリンをサイフォンで吸い取っていた男二人が、現行犯で逮捕される。どれも最近USAトゥデイで報道されたガソリン泥棒記事だが、値上がりの続くガソリンが原因になったことは言うまでもない。

日本ではあまり考えられないことだが、アメリカの車はガソリンが盗みやすい。日本の車なら、ガソリンの入れ口を覆ってある蓋は車内のレバーを使って開ける。しかし多くのアメリカ製の車は、簡単に外から開けることが可能だけでなく、ガスキャップにも鍵が無いから、サイフォンで楽々ガソリンを吸い取ることができる。こんな状況だから、USAトゥデイによれば、鍵付きガスキャップの売れ行きが好調だという。

全米最大の自動車部品店オートゾーンでは、先週1万個以上の鍵付きガスキャップが売れた。広報を担当するレイ・ポールマン氏は、「普通の週を60%以上超える売上です」、と述べている。他の大手自動車部品店、ペップボーイズ、それにアドバンスオートパーツでも、鍵付きガスキャップの販売数が上がっている。

生活必需品のガソリンだけに、消費者にとってこれ以上の値上がりは家計に響く。こんな状況を反映して、ハワイ州は卸売ガソリン価格に上限を設定した。現在ハワイにはシェブロンとテソロのオイル会社があるが、これら二社に対して州政府は、1ガロン2ドル15.78セント(2ドル67セント税込)の上限価格を通達した。もちろんオイル会社がそんな法律を歓迎するわけがない。シェブロン社は「卸売上限価格はハワイに有益でない」、そしてテソロ社は「需給関係を歪める」、と州政府に不満の声を上げている。

「これでハワイに正当ガソリン価格が戻ります」、といったフランク・ヤング氏のような意見も聞かれるが、意外と卸売価格上限設定に批判的な消費者も多い。フェライドゥン・フェシャラキ氏の言葉を引用しよう。「上限価格の設定は、賢いやり方ではありません。このような法律が通ったのでは、ハワイに進出しようなどという企業が無くなってしまいます。それだけではありません。現在ハワイで操業しているオイル会社が撤退してしまうかもしれません。」

はたして政府はどこまでビジネスに介入すべきか。あまりに規制が多いと、企業活動が鈍るだけでなく、上記フェシャラキ氏の言うように、企業誘致が困難になる。値段や価格は需給関係が決めるものであり、政府が人工的に操作するべきではない。卸売上限価格は9月4日から実施される。ハワイの将来はどうなるのだろうか。

ガソリンの値段が、無視できない水準まで上がってきた。1ガロン(3.785リットル)の全米平均は2ドル60セントに達し、ここ一年間で39%の上昇だ。ロサンゼルスやサンフランシスコなど一部の都市では既に3ドルを突破し、消費者たちの生活スタイルに影響を及ぼし始めている。

ガソリンが値上がった、といっても給料が上がるわけではないから、先ず皆ガソリン代の節約方法を考える。手っ取り早いのは、無鉛ハイオクをやめて無鉛レギュラーに替えることだ。ディスカバリーチャンネルで、自動車番組を担当するボイド・コディングトン氏は、「ほとんどの車は無鉛レギュラーを使っても問題は起きません。例外はベンツ500SELのような、高性能エンジンを搭載した車です」、と述べている。

ほとんどの人たちは正当な方法でガソリン問題に対処するが、AP通信からこんなニュースが報道された。先週金曜日の出来事だが、アラバマ州でガソリンスタンドを経営するトニー・カディ氏が、52ドルのガソリン代を払わない運転手を止めようとして、ジープに轢き逃げされ死亡した。たった52ドルのために殺人が犯されたわけだが、業界の専門家たちは、このような事故が増えることを予測している。

2004年、ガソリン代を払わずに逃走する事件は、1100台に対して1台の割合(0.09%)で発生した。全米コンビニエンスストア協会の調べによれば、1ガロンで約1セントの利益が得られるガソリンスタンドは、もし30ドル分のガソリンが盗まれると3000ガロン(11355リットル)余分に売らないと、その穴埋めができない。

たった52ドルなどと軽率な表現をしてしまったが、逃げる車を止めようとした、カディ氏の気持ちが少し分かるような気がする。52ドルの損失を取り戻すためには、さらに5200ガロン(19682リットル)にも及ぶガソリンを売らなくてはならない。

ガソリンの入れ逃げ防止策として、代金前払いシステムを導入するガソリンスタンドが増えている。しかし、これは思わぬ悪影響を引き起こした。アメリカでは、ミニマートと呼ばれるコンビニのような店を併設しているガソリンスタンドが多い。代金前払いを実施した結果、ミニマートの利用客が減少し、重要なガソリンスタンドの収益源に打撃を与えてしまった。

最後に全米コンビニエンスストア協会、ジェフ・レオナード氏の言葉を引用しよう。「ガソリン価格の上昇は、道徳観の低下につながったようです。」

情報の集めすぎは株トレードに弊害だ、というジェイク・バーンスタイン氏(MBHコモディティ社長)の意見を昨日紹介したが、氏はそれ以外に五つの注意点を挙げている。さっそく見てみよう。

1、常識的に考えすぎる。

大衆と同じ常識的な売買では、平均以上の利益を獲得することはできない。これは株の世界に限ったことではなく、人と同様なことをしていたのでは、人並な結果に終わることは目に見えている。秀でた成績を上げたければ、大衆の逆を行くことだ。常に大衆心理を疑問視する態度を身につけ、ニュースなどもあまり聞かない方が良い。とにかく理屈は簡単だ。ほとんどの人たちは損を出しているのだから、一般投資家たちのやり方は間違っている。

2、分析のしすぎ。

これをよく覚えておいてほしい。マーケットでは滅多に複雑なことは起きない。値動きは一見デタラメのように思われるかもしれないが、ほとんどの場合、事前に何らかのヒントが出ているものだ。ランダムな動きは全体の2割くらい。多くても4割を超えることはない。複数のチャートソフトで銘柄を分析することで、勝率を向上させようとしている人たちがいる。慎重に時間をかけて分析すれば勝てる、と信じているようだが、とんでもない思い違いだ。

3、損切りの幅がきつすぎる。

損切り設定の大切さをここで言うつもりはない。問題は設定場所だ。大きな損を出したくないから、買値にあまりにも近い所で損切ってしまう。きつすぎる損切りは、いたずらに損切りの回数を増やすだけだ。適切に損切りを設定をするためには、取引している銘柄や商品のボラティリティを正しく把握する必要がある。800ドルの損切り幅がある銘柄で適当でも、それがSP500指数にあてはまるという保証は無い。

4、損切りはトレードシステムの一部。

300ドルや500ドルほどの損なら大して口座に響かない。しかし、1000ドルはちょっと痛い。だから損切りは一律1000ドルにしよう、という決め方をする人がいるが、これは間違ったやり方だ。上記したように、先ず損切りで考慮するのはボラティリティだが、もう一つチャートパターンを忘れてはいけない。買った後アップトレンドが崩れるなら、たとえその時点で損が100ドルでも、素早い損切りが必要だ。

5、自分のスタイルを確立させる。

他人の意見に頼るのではなく、自分の目を信じてほしい。自分の好みに合ったトレード方法を見つけたら、それを改善して完全に自分のものにすることだ。最初は単にプロのまねから始まるが、経験を積むにしたがって、自分のスタイルに合うようにうまく調整されていることだろう。

ウッディーの愛称で呼ばれる初老デイトレーダー、ケン・ウッド氏のチャットルームには、毎日400人以上の人たちが集まるという。皆の目標は一つ。プロデイトレーダーとしての成功だ。希望に燃える同志たちに、ウッディーは時々こんな話をする。

「最近読んだ記事ですが、これは交通事故で左腕を失った10才の少年が、柔道大会で見事に優勝した話です。日本から来た黒帯の先生が実際に指導してくれたのですが、道場通いが始まって3ヶ月経っても、先生は一つの技しか教えてくれません。とうとう我慢ができなくなった少年は、新しい技を習いたい、と先生に懇願しました。しかし、先生は少年の願いを聞き入れません。理由は、技は一つで十分、というのです。

さらに数ヶ月の月日が流れ、先生は少年を大会に参加させる決意をしました。もちろん、少年が習得したのは、たった一つの技だけです。一回戦、二回戦、三回戦、順調に少年は勝ち続け、ついに優勝の栄冠を勝ち取ったのです。大会の後、少年は先生にこう言いました。先生は僕が、たった一つの技だけで優勝できることを知っていたのですね。

先生は微笑みながら、こう返答しました。確かにたった一つの技だけど、これは柔道で一番難しい技なんだ。君はそれを完璧にマスターした。相手が君の技から身を守るには、君の左腕をつかまなきゃいけないんだ。」

はっきりしたデータが無いから、正確な数字ではないが、デイトレーダーとして生き残ることができるのは、15%程度だと言われている。多数の人たちが挫折してしまうわけだが、ジェイク・バーンスタイン氏(MBHコモディティ社長)は、その理由をこう説明している。

「一般的なトレーダーに共通していることなのですが、皆さん沢山の情報を集めすぎです。毎朝2つから3つのニュースレターを読んで、そして次は大手証券アナリストのコメントをチェックします。もちろんテレビは一日中CNBCがつけられ、絶えず何がホットなのかを確かめます。それだけではありません。チャート分析ソフトも数種類揃え、自分の気に入った結果が出るまで、同じ銘柄を分析(?)し続けるのです。」

最後にもう一度繰り返そう。技は一つだけで十分だ。

ポーカーが教える株必勝法

ポーカーが大人気だ。一昔前では考えられないことだったが、夜7時から9時の時間帯で、ポーカートーナメントが放映されるようになった。あまりの人気に、ここロサンゼルスでは、週末ポーカーセミナーも始まっている。もちろん、プロのポーカープレーヤーとして、真剣に独立を考える人たちも増えている。

ポーカーで勝つためには、配られたカードをよく検討しなければならない。悪い手なら、サッサとあきらめる。無理な賭けをしても、軍資金をいたずらに失くすだけだ。全てのゲームに参加する必要は無い。早い話が、勝算のある時だけ勝負をすればよい。

株式投資にも、ポーカーの法則を当てはめることができる。損を出した時のことを思い出してほしい。スリルやアクションだけを求めて売買しなかっただろうか。今までの損を一度に取り戻そうとして、通常以上の株数を買わなかっただろうか。株でうまく利益を出している人には、ある共通点がある。先程の表現を繰り返すなら、悪い手ならサッサとあきらめる。勝算のある時だけ勝負するわけだ。

株売買のうまい人は、儲けのパターンを知っている。全ての人たちが同じパターンを使うわけではないが、上手な人には得意とするパターンがある。ようするに、自分の好きなパターンが見える時だけ買って、周りがどんなに騒いでも、自分の知らないパターンなら無視する。野球を例にとるなら、ストライク全てを振るのでなく、あらかじめ狙い球を決めておく。

利益を出しやすいパターンの一つに、ブレイクアウト(上放れ)がある。下はキャップストーン社の日足チャートだ。

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きれいな横ばいを展開して、今月初めに見事なブレイクアウトになったが、よく見ると面白いことが分かる。上放れの前日は、出来高が増えていたのだ。出来高はニュースを先取りする、という言葉があるが、正にこのチャートはその好例だ。とにかく株で勝つためには、セミナーなどに参加して、有効な儲けのパターンを身につけることだと思う。

革新的な解雇方法?

エスコートというフォード社から出されている小型車がある。エスコートは同伴するとか付き添う、といった意味なのだが、フォード社が苦笑いの種になっている。コスト削減対策として、ここ数年間フォードは、社員たちに自発的な退職を勧めてきた。しかし、思ったほど退職希望者の数が集まらない。

言い方は悪いが、自主的に辞めないなら首にしよう、正にこれがフォードの取った態度だった。普通なら解雇通知を社員に渡して会社から去ってもらうが、フォードのやりかたはもっと徹底している。解雇通知を持った警備員が、社員の机に向かう。簡単な事情説明の後、社員は即刻持ち物をまとめるように指示される。数分後、社員は警備員にエスコートされ社外へ送り出される。

苦笑いになっているのはフォードだけではない。オーバーストック・ドット・コム社長、パトリック・バーン氏は、氏の会社株を大きく空売っている機関を告訴した。売り手たちは共謀して、株価の下げを企んでいる、というのが告訴の理由だ。ストリート・ドット・コムのエディター、コリン・バー氏によれば、現在オーバーストック・ドット・コムは収益の170倍まで買われているという。S&P500指数に名を連ねる会社の平均は18倍だから、オーバーストック・ドット・コムは超割高だ。高すぎるものは売る、これがルールなのだが。

あまりにも割高だから売れ、よくアナリストが口にする言葉だが、だからといってそう簡単に売れるものではない。特に昨夜は富士山の夢を見たばかり、きっと良いことがあるに違いない。馬鹿らしい話かもしれないが、結構この迷信じみたものを、真実と受け止めている人が多いのではないだろうか。

たとえば、「満月は人を狂わせる」、というのがある。看護婦は「満月の日に患者が増える」、と言い、警官たちも「満月の夜に犯罪が多い」、と語る。だが、スケプティック誌の調査によれば、満月だからといって、特別なことが起きることはない。編集長の言葉を引用すれば、「満月の夜に急患が多いとか、赤ちゃんが普通の日より多く生まれる、それに犯罪が増えるなどといったことはありません」、ということだ。

「満月は人を狂わせる」、で分かるように、私たちは物事をパターン化しようとして関係のない二つの物を、無理やり関係付けてしまう癖がある。テレビに出演している人だから、この人の言うことは信用できる。医者の言うことだから間違いないだろう。A社は自社株を市場で買っているから、今が絶好の買い時だ。本当だろうか。無関係な二つを、無理に関係付けしているだけではないだろうか。

チップ廃止は愚策

アメリカを旅行された方なら覚えておられると思うが、レストランで食事をすると、15%から20%をチップとしてテーブルに置く。気の利いたテキパキとしたウェイトレスならチップ代など問題にしないが、時々あからさまに失礼なウェイトレスに巡り合うこともある。アメリカ社会の習慣だから仕方がない、と渋々チップを払うわけだが、こんなニュースがCNNから報道された。

ニューヨーク、マンハッタンの高級レストランはチップ制度を止めて、勘定に20%をサービス料金として自動的に上乗せするところが増えている。自動的だから、もちろんウェイトレスの良し悪しは全く関係が無い。今のところマンハッタンに限られた話だが、これは近い将来、全米のレストランに広がる可能性があるようだ。

なぜチップを廃止して、サービス料金制を導入する必要があるのだろう。CNNによれば、これは表方(ウェイトレスやウェイター)と裏方(コックなどのキッチンスタッフ)の争いが原因らしい。毎晩チップが手に入るウェイトレスの収入と、同様に忙しく働くコックの収入が、あまりにかけ離れてしまった。事実上レストランの評判はコックの腕にかかっているのだが、肝心なレストラン経営者はウェイトレスの機嫌ばかりを取っている。ようするに、コックたちの不満が爆発してしまったわけだ。

料理学校で講師を務めるビル・グフォイル氏は、「マンハッタンの高級レストランの場合、ウェイトレスやウェイターなどの表で働く人たちは年間で10万ドルに近い収入があります。しかし裏で働くキッチンスタッフは、せいぜい3万ドルがいいところです」、と述べている。サービス料金を実施することで、レストラン側は、この大きな収入格差を解決しようというわけだ。

単にチップと言うが、これを使って客はサービスに対する意思表明ができる。言わなくても客の心を察することができるウェイトレスなら、客は喜んで20%以上のチップを残していく。逆にいい加減なもてなしなら、10セント(約10円)をテーブルに置いて不快な気持ちを伝えることも可能だ。サービス料金制度、これは一番大切な客を無視した愚策だ。

株式市場心理の研究で有名なブレット・スティーンバーガー氏(ニューヨーク州立大学助教授)が、次のような興味深い統計を発表している。対象になったのは2003年7月からのダウ指数だが、氏は4つの数字を弾き出した。

1、ダウ指数の合計変動幅。
2、前日(昨日)の終値から、当日(今日)のマーケット開始1時間後までのダウ指数増減幅。
3、マーケット開始1時間後から、マーケット終了1時間前までのダウ指数増減幅。
4、マーケット終了間際1時間内におけるダウ指数の増減幅。

さて結果だが、ダウは2003年7月以来1559.36ポイントの上げだから、1番の答えは1559.36。2番は+1966.54ポイント、3番はマイナス956.76ポイント、そして4番は+549.58ポイントだ。思わず「これがマーケットの秘密だ!」、と叫びたくなるかもしれないが、上記結果についてスティーンバーガー氏から少し説明してもらおう。

「これで、マーケットの多重性格が分かっていただけたと思います。もしダウ指数を終了1時間前に買って、翌日のマーケット開始1時間以内に売っていたなら、そのトレーダーは大きな利益を上げることができました。言い方を換えるなら、この時間帯のマーケットはブルマーケットだったわけです。しかし最初と最後の一時間を除いて、中間の時間帯だけで売買していた人は、ほとんどの場合下げマーケットに直面していたことになります。」

さらにスティーンバーガー氏は、こんな統計も付け加えている。中間の時間帯が強いと、ダウ指数は翌日最初の一時間で、平均1.84ポイントの下げを記録した。逆に中間の時間帯が弱かった場合は、平均8.73ポイントの上昇が観測できた。どちらにしても小さな変動幅だから、真ん中の動きを使って翌日の寄り付き動向を予想するのは難しいようだ。

よくこんなことを言う人たちがいる。「持ち株を売ろうとしていたのですが、ついタイミングを逃してしまいました。さっきまで好調に上げていたので安心していたのですが、ちょっと売り物が出てきたようです。」株を処分するなら最初の一時間に限る。二時間めからはベアの時間帯なのだから。

豊かな国アメリカ?

一ヶ月955ドル(約10万4500円)、これはソーシャルセキュリティーベネフィットと呼ばれる、退職後にアメリカ人が政府から受け取る、社会保障給付金の平均額だ。会社に勤めていた人なら、401Kのような企業年金制度からの収入もあるから、ソーシャルセキュリティーベネフィットが追加されることで、退職前とあまり変わりのない生活ができる。

しかしUSAトゥデイ紙によれば、53%の働くアメリカ人には企業年金制度がない。さらに32%は、老後のための貯蓄をしていない、と答えている。現在、社会保障給付金を受け取っている人は約4800万人にのぼるが、その22%に相当する1060万人は、社会保障給付金以外の収入がない。

想像してみてほしい。毎月受け取る約10万円の社会保障給付金だけで、どんな生活ができるのだろうか。USAトゥデイは、元看護婦だった今年74才になるメリー・ラスバーンさんの話を載せている。「毎月809ドルの給付金と、100ドル分のフードスタンプ(食料補助券)を受け取っています。アパート代の550ドルを払うと、残りは400ドルもありません。節約しなくてはいけませんから、ソーダやコーラなどは飲みません。」

どのような人たちが、社会保障給付金だけで暮らしているのだろう。こんな統計が、全米退職者協会から発表されている。

・25%の退職した女性。
・46%の退職した未婚ヒスパニック系女性、そして45%の退職したヒスパニック系男性。
・33%の退職した黒人。
・67%に相当する65才以上の人たちは、収入の半分以上を社会保障給付金に頼っている。

どちらにしても、毎月10万円の生活は厳しい。ファイナンシャルプランナーのアレクサンドラ・アームストロングさんの言葉を引用しよう。「親戚や兄弟の所に同居できないかぎり、給付金だけでやっていくことは無理です。」前記したラスバーンさんには、近所に住む娘がいる。もはや運転をしなくなったラスバーンさんにとって、娘が大きな助けになっていることは言うまでもない。

暗い話になってしまったが、ここは当たり前な結論を書いておこう。人が年をとるかぎり、老後の問題は他人事ではない。快適な引退生活には、それなりの金が必要だ。ファイナンシャルプランナーに相談して、今から老後に備えるのも一案だと思う。

将来性より重要なトレンド

中間住宅価格24万3400ドル、ここ12ヶ月間で47%の値上がりを記録したのは、アメリカで最もホットな不動産マーケット、アリゾナ州フィニックス市だ。全米のようすを見てみると、中間価格は20万8300ドル、そして平均上昇率は13.6%になり、フィニックス市の不動産ブームが分かっていただけると思う。この13.6%という数字について、エコノミスト、デービッド・レレア氏は「1年間で不動産がこれほど伸びたのは、今回が初めてです」、と述べている。

不動産に限らず、資金は効率の良い投資に集まる。株を例にすれば、上げ基調の銘柄に資金が流入するのは、それが短期間で利益を上げやすいからだ。空売りをするなら話は別だが、下げ基調の株が買い手に嫌われるのは、大切な資金が塩漬けになる可能性が高いためだ。買った株が倍になるのは嬉しい。しかし10年もかかったのでは、それを素直に喜ぶ人はいないだろう。だから成績の悪いものは早めに処分して、効率の良いものに乗り換えることが重要だ。

皆さんはピーター・リンチという名前を聞いたことがあるだろうか。氏は以前、フィデリティーのマゼランファンドを統率し、13年間で25倍の実績を残した、アメリカで最も成功したファンドマネージャーだ。マーケットの最中に氏がテレビに出演すると、だれもが氏の言葉に耳を傾けた。ピーター・リンチ氏ほど大衆から慕われ、尊敬されたファンドマネージャーは氏が最初で最後のような気がする。

時は流れ、リンチ氏の築き上げたマゼランファンドが、また話題になっている。米国企業のほとんどは、401Kと呼ばれる確定拠出型年金を導入しているが、ロイターの報道によれば、マイクロソフト社はマゼランファンドを401Kプランから取り外してしまった。今までは社員が毎月の給料の一部から、年金用としてマゼランファンドに投資をすることができた。しかし、マイクロソフトはマゼランの成績低迷を理由に、401Kから削除してしまった。

1996年、ロバート・スタンスキー氏がリンチ氏の後任に指名されたが、中々思うような実績を上げることができない。スタンスキー氏が任命された年、、マゼランに1万ドル投資したとすると、今日それは18483ドルになっている。年利に換算すると7.1パーセントだが、S&P500指数は8.3パーセントの伸びだから、マイクロソフトのような大手企業がマゼランを去る結果になってしまった。資金は効率の良い場所を常に求める。将来性だけを重視するのではなく、先ずトレンドを確認しよう。

季節的な心配要素

ひょっとしたらオイルは1バーレル100ドルを達成するのでは、そんなことを真剣に考える人が多くなった。金曜の終値は66ドル86セント、今年に入って既に52パーセントの上昇だ。毎日OPECやカナダなどの産油国から供給されるオイル量は8412万バーレルにおよぶが、需要量の8438万バーレルには追いつかない。こんな需給関係が続くかぎり、オイル価格上昇に歯止めはかからないわけだ。

オイルアナリストも冷静さを失ってしまったらしい。CNNのインタビューで、オッペンハイマー社ファデル・ガイト氏は「このラリーは完璧な嵐です。まるで映画でも観ているような、とにかく超現実的と言うしかありません」、と述べている。MKMパートナーズのケイティー・タウンシェンド氏は、68ドルの目標価格を発表しているが、もはや達成されたも同然だ。

高いオイルはインフレ懸念を呼び、株式市場にはマイナス材料となる。それに季節的要素を考慮すれば、だれでも心配になってしまう。マーケットの歴史を振り返ると、8月と9月は株が最も冴えない時期という統計がある。1950年以来、9月の成績が最も悪く、最近15年間だけを見るなら8月が最悪だ。現在S&P500指数は高値近辺で推移しているだけに、買いポジションを抱える人たちは、少し嫌な気分を味わっているかもしれない。

ストックトレーダーズアルマナック社の調べによれば、株は各四半期の一ヶ月めが強く、残りの二ヶ月は弱くなる習性があるという。とすれば四半期最初の7月は好調になり、8月9月は衰えることになるわけだ。またブリンマワー社のピーター・ブローディー氏は、次のように語っている。「雇用統計などの経済指数が表すように、健全な米国経済が強い株式市場の原動力になっています。しかし短期的に見た場合は、自然な利食いのサイクルが迫っていると言えるでしょう。」

最後にS&P500指数を検討してみよう。

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今のところ横ばいを展開しているが、季節的な要素を重視して、ブレイクダウンに気をつけたい。

イラクに取られたデルの利益

ドイツ証券の推奨は買い、プルーデンシャル証券もオーバーウェイトと言葉は違うが、基本的には買い。同様にUBS証券、そしてバンクオブアメリカも買い推奨だ。これだけ大手が強気なら、この銘柄は上がるはず、と思ってしまっても当然なのだが、実際は開始ベル早々から売り物が殺到した。木曜の終値は39ドル58セント、今朝の寄り付きは36ドル56セントだから、一夜で7.7%の被害が出たわけだ。

こんな強烈な下げを見せたのは、全米ナンバー1のPCメーカー、デルだ。木曜夕方に発表された決算は、予想と一致する一株あたり38セントの収益だった。しかし、アナリストが注目していたのは一株収益よりも総収入の方だ。見込まれていたのは137億ドルなのだが、結果は134億ドルにとどまり、今期来期の売上見通しが暗くなってしまった。

記者会見の席上でケビン ロリンズ氏(最高経営責任者)は、次のように述べている。「デルはIBMのようなヨーロッパや日本での業績不振はなく、急騰の続くオイル価格も当社には悪影響を与えていない。売上の面では、ラップトップコンピュータが好調だ。二つ指摘すれば、イラク再建を優先させたため、政府はハイテク企業から、予定されていた新製品を買うことが不可能になってしまった。また当社が米国内で実施した値下げは、あまりにも積極的すぎたようだ。」さらにロリンズ氏は、141億ドルから145億ドルほどの総収入を第3四半期に見込み、これはアナリストの期待する146億ドルを下回っている。これだけ材料が揃っては、今朝の買い推奨など、投資者の耳に入らなかったわけだ。

さてここで、デルの月足チャートを見てみよう。

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今日一日だけなら大変な下げなのだが、長期的な立場で見れば、デルはなだらかな上昇チャンネルの中で推移している。ここで売る、というよりも、底辺近くでの反発を狙った方が面白そうだ。いくらなんでも月足は長すぎる、と言われるかもしれないが、ジックリと腰をすえて投資するなら、月足チャートは長期トレンドを読むのに欠かせない。

7%、12%、18%、こんな形でこつこつと株で利益を上げるのは楽しいが、たまには倍になるような銘柄にめぐり合いたい。気が付いたら2倍になっていた、そんな喜びの声を皆さんも耳にされることがあると思うが、どうやったら1年くらいで倍になる株を見つけることができるのだろうか。グリーンブックインベストメントで、投資アドバイスを担当する、ジョン マークマン氏の意見をさっそく聞いてみよう。

「株はロットのような宝くじではありません。適切に集められた情報は投資者に銘柄を読む先見性を与え、あとは実際に買ってみる勇気が必要なだけです」、と氏は言う。一口に情報収集と言っても、どこから手をつけていいのか分からない。少なくとも1万銘柄が取り引きされているのだから、先ず今日までを振り返って、1年間で倍以上になった銘柄の共通点3つを紹介しよう。

1、まだマスコミにほとんど取り上げられたことのない、値上がりスピードの速い低位株。
2、すでにテレビや新聞で大きく報道された低位株が、急ピッチで上昇した後、徹底的に売り叩かれ低迷中。
3、低位値嵩に関係なく、業界内で着実にシェアを伸ばす企業。

1、2は悪いわけではないが、マークマン氏が薦めるのは3番だ。この3番に属す銘柄の一年前を見てみると、次のようなことが分かる。

1、株価は1ドル50セントから15ドルの範囲内にあり、株価売上高倍率が低い。平均以上の売上成長率、そして収益上方修正が出されるようになる。さらに、一日の平均出来高も上昇を始める。

2、銘柄は工業用のバルブを製造しているような、地味な会社であることが多い。

3、主要株主リストには、Royce & Associates、Wasatch Advisors、Heartland Advisors、SAC Capital Management、そしてColumbia Wangerなどの有望銘柄発掘で知られる機関が載っている。

最近では、ダイエットアドバイスが中心ビジネスの、ニュートリシステム(NTRI)が絶好例だ。先ず、ここ一年間で株価は730%の上昇を記録した。二年前には経営危機に陥っていた会社だから、驚くべきカムバックだ。経営陣を入れ替え、インターネット、そしてテレビでの販売に力を入れたのが好結果になったという。一年前は259000株ほどだった一日平均出来高も、先月7月は848000株に膨れ上がっている。

さて最後に、上記の条件全てを備えた9銘柄をマークマン氏から教えてもらおう。
Danka Business System(DANKY)、Bookham(BKHM)、Beacon Power(BCON)、Iomega(IOM)、Tarrant Apparel(TAGS)、Main Street Restaurant(MAIN)、Peerless Systems(PRLS)、Overhill Farms(OFI)、New Dragon Asia(NWD)。

1930年8月、ニューヨーク州クイーンズ市に全米初のスーパーマーケットが開店した。約1000種類の商品が店内に並び、消費者たちを驚かせたわけだが、スーパーマーケットの成功には二つの物が必要だった。どんなに品数が豊富でも、お客さんたちが手に持てる数は、たかが知れている。ここで登場したのが、ショッピングカートだ。もう一つは、食品の新鮮さが問題になる。腐った肉など店内に置いては、店の評判を落とすだけだ。そんなことを防ぐために、冷蔵システムが用意された。

そして75年の年月が経過した。USAトゥデイ紙によれば、自宅で料理をする家庭が大きく減り、1980年には25%の家庭がレストランやマクドナルドのようなファストフードチェーンを朝食や夕食に利用していたが、その数は現在50%に達しているという。フードマーケティングインスティチュートのタッド ハルトクイスト氏は「たとえ外食をしなくても、食卓に乗るほとんどの食べ物は、家庭で料理されたものではありません。既に出来上がった物を、コンビニなどから買ってくるわけです」、と述べている。

全米の食料品ビジネスは9500億ドルにおよぶ巨大産業だが、その約63%はスーパーマーケットだ。しかし、コスコやウォルマートなどの大手スーパーセンターの積極的な食品ビジネスへの参入は、確実にシェアをスーパーマーケットから奪い始めている。スーパーマーケットが、競争に打ち勝つためには素早く消費者のニーズをつかまなくてはならない。下手に値下げをしても、大企業のウォルマートにはかなわない。

はたしてスーパーマーケットは、どう戦っていくつもりなのだろうか。三つ手段がある。先ず第一は、商品にValue(価値)を付けることだ。肉を例にあげれば、単にステーキ用に切るだけでなく、胡椒などで味付けして直ぐ料理できるようにする。価値の次に大切なのはConvenience(便利さ)だ。店内に薬局や花屋を設置して、便利な店というイメージを定着させる。三番めはExtras(おまけ)だ。前記の便利さと似ているが、少し説明しよう。一番分かりやすい例は、店内にATM(現金自動支払機)を置いて、買い物以外の目的を持った人たちを店に引き込む方法だ。来たついでにミルクでも買っていこうか、そんな人が多いらしい。

最後に皆さんに質問しよう。1930年8月、ニューヨーク州クイーンズ市に開店した、全米初のスーパーマーケットの名前をご存知だろうか。正解はキングクレン(King Kullen)、もちろん今日も商売繁盛だ。

ヘッジファンド、神秘的なイメージすらある言葉だが、これもミューチュアルファンドと同様に、個人や企業から集めた資金を使って、投資利益を上げるのが目的だ。あまり知られていないのだが、S&Pヘッジファンドインデックスという、ヘッジファンドの成績を見る指数がある。この指数によれば、先月7月、株に投資をする平均的ヘッジファンドは2.1%の利益を出している。

この2.1%という数字だが、3.6%の伸びを記録したS&P500指数には劣っているが、今年全体で比べると、ヘッジファンド指数は+3.2%、S&P500指数は+1.8%だ。好調な7月がヘッジファンドを優勢にした原因だが、これで3か月連続の利益となった。買いと空売りの両方が許されるヘッジファンド指数を、S&P500指数と比較するのは公平でない、という意見もあるが、一般的なヘッジファンドマネージャーの成績を把握するには、S&P500との比較が一番分かりやすいようだ。

ヘッジファンドアナリスト、ジャスティン デュー氏によれば、ヘッジファンドの投資スタイルは5年前とは、だいぶ変わってきているらしい。少し氏の言葉を引用しよう。「以前の典型的なヘッジファンドマネージャーは、ホームランを打つことばかり考えていました。簡単に説明すれば、将来性の抜群と思われる株を10買い、大きな値上がりを待ちます。もちろん、万が一に備えて空売りも入れておきます。しかし、今日のヘッジファンドは違います。ホームランを打つことは、もはや考えていません。マーケットの方向に関係なく、とにかく利益を上げること。それが第一の目標になりました。ですから、資金を減らさないことが重要視され、強いマーケットでも利益が地味になりました。」

長打を狙わず、ヒット打ちに徹する。これは私たちも利用できる投資スタイルだ。特に損を出した後は、このやり方を思い出さなくてはいけない。1000ドル、2000ドルと負けが続くと、次の銘柄で一気に全てを取り戻そうと躍起になってしまう。一発にかけるわけだが、こんな時は冷静さを失っていることが多いから、さらなる損失につながりやすい。まず頭を冷やすことを優先して、しばらくマーケットから離れることも大切だ。

しかし、なぜ先月ヘッジファンドは今年最高の利益を出すことができたのだろう。南カリフォルニアで、三つのヘッジファンドを運営するベン ボルスタイン氏はこんなことを語っている。「夏に良い結果を出すことは、他の季節より比較的簡単です。夏は出来高が減りますから、株が目標値に達しやすいのです。」これは格言と反対だ。ボルスタイン氏の言うように、夏は出来高が減る。だからこんな閑散相場が来る前に、5月に株を売って、しばらくマーケットから離れることが正しい、と一般には信じられている。なるほど、「人の行く裏に道あり、花の山」、というわけだ。

オイルが1バーレル63ドルを突破した。こんな急激な上げを持続するのは不可能だ、と口にする人は多いが、取引所で声を張り上げるトレーダーからそんな意見は聞かれない。「値段が高すぎる?そういう見方もあると思いますが、この値動きに逆らうトレーダーはほとんどいません。こんな強気な調子が今週ずっと続いても、全く不思議なことではないと思います」、とあるトレーダーがレポーターに答えていた。

大産油国サウジアラビアのテロ懸念、無理な稼動が原因で6つ以上の製油所が一時閉鎖、アメリカ国内のガソリン不足、差し迫る本格的なハリケーンシーズン、オイル買いの理由なら簡単に見つかる。さらに、イランはヨーロッパ諸国からの反対を無視して原子力プロジェクトを再開した。ついでにもう一つ付け加えれば、週末に発生したSUNOCO石油製油所火災も、オイル買いを誘ってしまったようだ。

オイル業界アナリストのマーシャル スティーブス氏は、「需要の大きな減退、または経済の冷え込みがない限り、オイル価格は上げ続けるでしょう」と述べてはいるが、それらの状況がいつ訪れるかは全く見当がつかない状態だ。株のアナリストなら、株価があまりの急ピッチで上昇すると、正当評価額を大幅に超えたから売れ、などといった推奨を出す。しかし、これだけ急騰するオイルだが、割高を理由に売りを唱える人は見あたらない。まるでオイルには、正当評価額など存在しないようだ。

オイルは生活必需品だから株とは根本的に違う、と言う人たちがいる。オイルには本物の需要供給があるが、株は生活必需品ではないから、アナリストやニュースを使って人工的に需要を作り出さないといけない、というのが彼らの言い分だ。この論法で行けば、どんなに高くても現在のオイル取引値は的確な需給関係を表し、これが現時点における正当評価額であると言うことができる。株の場合でも、意図的に作られた需要であったとしても、現在の取引値はオイルと同様に、買い手と売り手の需給関係を表していることにかわりはない。

ローソクチャートを使った投資の強みは、ニュースや噂を無視して、売買の中核である需給関係に焦点を合わすことができることだ。先週の金曜を思い出してほしい。ナスダック市場にデビューしたBaidu.Comの初取引値は66ドルだった。信じられないことだが、Baiduは123ドルという倍に近い値段で終了した。需給状況が分からなければ、こんな取引の始まったばかりの株をトレードすることはできない。ローソクチャート、それは日本の生んだ最高の投資武器だ。

マーケットの先行きに、なんとなく不安を感じる人たちが増えてきたようだ。先週金曜に発表された米国雇用統計は、予想以上に強い、非農業部門雇用者数の増大を示していた。こんな状態では、短期金利引上げに終わりが来るはずがない。それだけアメリカ経済が堅調だ、と指摘することもできるが、インフレ懸念は株式市場にマイナス材料だ。

火曜日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)が、今週の焦点になるだろう。短期金利は0.25ポイント引き上げられて3.5%になる、というのがアナリストたちの見方だが、もしそうなら去年の夏から10回連続の利上げだ。ジェフリーズのチーフアナリスト、アート ホーガン氏は「世界中どこを探しても、金利引上げは無い、などと言う人は一人もいないはずだ」、と述べている。

既に金利引上げは織り込み済みなら、なぜ火曜の連邦公開市場委員会を気にする必要があるのだろうか。その答えは、会議の後に発表される声明にある。はたして連銀は、雇用状況、上昇の続くオイル価格、それにインフレに関してどういった見方をしているのだろうか。声明が一字一字、慎重に分析されることは間違いない。

上記のような一般的米国経済状況の他に、会議後の声明が注目される、最も大きな理由を説明しよう。もしこの声明の中に、ある言葉が入っていれば、今回だけでなく9月20日の連邦公開市場委員会でも利上げが確実になる。その言葉とは「一定の整然としたペース」だ。この数単語が声明から除かれないかぎり、9月20日だけではなく、その次の11月1日、それに12月13日の会議でも金利引き上げが決定される可能性がある。

ハリスプライベート銀行のジャック アブリン氏を引用しよう。「今回の雇用統計を見るかぎり、一定の整然としたペースは、ほぼ間違いなく声明の中に入っていることでしょう。2005年に金利引き上げが終了することはありません。年末、短期金利は4.25%になっていることでしょう。」

ここで疑問になるのは、0.25ポイントではなく、一気に0.50ポイント金利を上げてしまう可能性はあるのだろうか。結論を先に言ってしまえば、アメリカ経済は強いが、0.5ポイントの利上げを実行できるほど強くない、というのがエコノミストたちの意見だ。それよりも問題なのは、たとえ0.25ポイントのペースでも、これがあまり長く続きすぎると、80年代のような不況に陥ってしまう。前記アルビン氏の警告を書いて終わろう。「行き過ぎな金利引上げは、1998年の再来、大手ヘッジファンドの崩壊、そんな被害を引き起こすことになるでしょう。」

スター誕生!

雇用統計でスタートを切った金曜だが、これは単なるお膳立てにすぎない。今日の主役は、何と言ってもBaidu.Com(BIDU)だ。この夏最高の新規公開株(IPO)、第2のグーグル中国版などと騒がれたが、前評判を全く裏切ることなく、さっそうとナスダック市場にデビューした。

公募価格27ドルちょうど、初取り引きは爆発的な人気を反映する66ドルだ。あっという間に82ドルに達し、いっせいに利食いが待ってました、とばかり押し寄せた。一息に65ドルまで下げたが、ここから信じられない反発ラリーが始まる。下の2分足チャートを見てほしい。65ドルから99ドル50セントまで駆け上がってしまったのだ。まだ引けまで時間は充分残っている。こんな凄まじいIPOを見るのは久しぶりだ。

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このBaidu.ComのBaiduはバイドゥと発音され、漢字で書くと「百度」になる。一回や二回でなく、頻繁にクリックして欲しい、そんな願いを込めた会社命名かと思ったが、完全に思い違いだった。話によれば、Baiduという名前は、恋人を求めて旅をする男の物語から来たようだ。

404万株という少ない発行株数が、激しく動く株価の大きな原因だが、こんな急ピッチな上げに、早くもアナリストたちから、割高の声が聞こえてくる。ルネッサンスキャピタル社の調査によれば、Baiduの時価総額は8億9800万ドルほどにのぼり、これは総純収入の約42倍に相当する。同様な数値を競争相手2社から弾き出すと、グーグルは19倍、ヤフーは11倍だという。

さて、第2のグーグルと呼ばれるBaiduだが、実はグーグルはBaiduの約2.6%を所有している。思わず笑ってしまったが、既に市場では、グーグルによるBaidu買収がささやかれている。どちらにしてもまだ初日、Baiduの正当評価額など考える投資者は、おそらく10%もいないことだろう。おっと、100ドルを突破したようだ。

アルトリアグループと聞いても、何をする会社か見当がつかないと思う。ニューヨーク証券取引所に上場されている大企業なのだが、以前はフィリップモリスの名前で知られていた。タバコを吸う方なら、もうお分かりになったと思うが、アルトリアグループはマールボロでお馴染みのタバコ会社だ。もちろん単にタバコだけではなく、食品部門も抱える企業なのだが、タバコに対する風当たりが強い今日、フィリップモリスの名前では都合が悪くなってしまった。

面白いことにアルトリアグループのホームページでは、タバコの害や禁煙方法までもが紹介されている。何か自分の首を絞めているような感じだが、タバコという非健康的なイメージを拭い去ろうと、アルトリアグループも必死のようだ。私が肺癌になったのはタバコ会社の責任だ!そんな理由で裁判になるのだから、企業は逸早く健全な会社イメージを作らなければならない。

8月2日は禁煙の日だった。ニューヨーク、マイアミ、ヒューストンなどの街角には、特別なゴミ箱が設置され、禁煙を決意した人たちが、次々とタバコやライターを投げ入れた。もちろん、スポーツクラブを30日間無料で使える、というクーポンも禁煙決意に大きく貢献したはずだ。どちらにしても、こんな光景を見ていると、喫煙者たちは禁煙のキッカケを求めていたような気がする。

さてタバコのやめ方だが、いきなり今日から一切吸わない、というのは失敗しやすいそうだ。肝心なことは、禁煙開始の5日前から準備をすることが大切らしい。そのステップを紹介しよう。

禁煙5日前
1、なぜ禁煙するのか、その理由を実際にノートに箇条書きすること。
2、友人や家族に禁煙宣言をすること。
3、タバコを買うことをやめる。

禁煙4日前
1、今までを振り返って、どんな状況でタバコを吸ったかを箇条書きする。
2、タバコの代わりに、どんな物を指の間にはさむかを考える。
3、タバコを吸いたくなったら何をするべきか、またはどのような健全な癖をつけるかを探す。

禁煙3日前
1、タバコ代で何を買うかを決める。
2、誘惑に負けそうになった時、励ましてくれる人はいるだろうか。事前に友人や、同僚に頼んでおこう。

禁煙2日前
市販されているニコチンパッチを購入する。または医師からのアドバイスを受ける。

禁煙1日前
1、ライター、マッチ、灰皿、そしてタバコを捨てる。
2、タバコの匂いの付いた衣類を全て洗濯する。

以上がルールだが、株投資にも応用できそうだ。

こんなことが起きたのは、アメリカ大恐慌以来2回しかない、とセンセーショナルにニュースが報道されている。いったい何の話だろう、と耳を傾けると、アメリカ国民の個人貯蓄率が0%(6月分)に下落したという。たしかそういえば、昨日も似たようなニュースがあった。これも6月のデータだが、個人消費は0.8%の大幅な伸びを見せ、個人所得も0.5%上がった。これで三つ数字が揃った。少しフトコロが豊かになったアメリカ人は、6月、大いにショッピングを楽しんだ。そして気が付いたら、貯蓄できる金が、全く残っていなかった。

しかし、よくニュースを聞いてみると、0.5%増えた個人所得が、個人消費アップの主な原因ではないらしい。フレディマック(米政府支援の住宅投資機関)の調べによると、第2四半期、消費者たちは590億ドルにのぼる、住宅ローン借り換えをしている。これは単なる残高の借り換えではなく、残高以上の借り換えだ。さらに注目すべき点は、500億ドルに相当する金額が、住宅担保ローンという形で消費者たちの手もとに入っている。もう一つ付け足せば、給料以外のボーナス収入は、6月、170億ドルだった。

値上がりの続く不動産が、アメリカ個人消費好調の大きな理由だ。実際に住宅を売ってしまったわけではないが、住宅ローンを借り換えることで、消費者は値上がり分を現金としてフトコロに入れた。言うまでもないが、不動産が冷え込んでしまったら、こんなことは簡単にできない。アクションエコノミクス社、リック マクドナルド氏は、「7月は自動車販売数が大きく増えているはずです。社員割引セール大成功ということですが、しかしこれで、個人貯蓄率はマイナス0.7%に落ち込む可能性があります」、と述べている。

さて、この貯蓄率0という数字だが、これからのアメリカ経済に悪影響となるのだろうか。クリアビューエコノミクスのケン メリーランド氏によれば、まったく心配におよばないと言う。「貯蓄率0は、消費者の自信度を反映しているだけです。返済する自信がなければ、借金をする人などいません。」また、金融専門家たちは、貯蓄率には不動産が考慮されているが、株や債券などの個人資産が含まれておらず、貯蓄率だけを重要視することの危険性を警告している。

どちらにしても、不動産を担保にして、金を借りることはピークに達したようだ。経済誌エディターのダッグ ヘンウッド氏は「まったく終わりのないパーティーといった状況ですが、もう5年も続いています。こんな状態の継続は無理です」、と率直に語る。前記したフレディマックの予想が出ていたが、今年1620億ドルにのぼると推定される住宅担保ローンは、2006年、690億ドルに減少しそうとのことだ。

今あなたは転職すべきだ!?

フロリダのファンドマネージャー、カルトバウム氏が、こんな感想をもらしていた。「私のトレード方法は、テクニカル分析やチャートパターンに基いたものですが、現在マーケットで取り引きされている株の約70%は、テクニカル的に何の問題もありません。このような状態では、単なる利食いは起きても、市場全体が大きく崩れることはありません。」さらに氏は、5ドル以下の低位株に最近人気が集中するようになり、これは個人投資家たちがマーケットに戻って来ている証拠だと指摘する。

ここで話は少し飛躍する。株がトントン拍子に上がり始めると、株だけで食っていく、デイトレーダーへの転向を決心する人たちが増え始める。もちろん、サラリーマンなら会社を辞めなくてはならない。デイトレーダーになる、ならないは別として、あなたは現在の会社に勤務し続けるべきだろうか。ひょっとしたら、あなたは他の仕事を探した方が良いのかもしれない。特に転職を実際に検討されているのなら、CNNマネー、ジーナ シャンディ氏の言葉を聞いてみよう。

もし今あなたに、次のような症状が見られるなら、転職の時期が迫っている、とシャンディ氏は言う。

1.現在の仕事にチャレンジしよう、と情熱を燃やせるものがない。仕事が退屈でたまらない。

2.職場環境が自分に不利な方向へ動いている。今まで仲の良かった上司が突然職場から去り、新しい上司と全く馬が合わない。こんな状況では、昇給昇格が遅れてしまう。

3.上司が自分の能力を発揮できる部門につかせてくれない。もっと悪い例は、上司はあなたを何でも屋のように扱い、頻繁に新しいセクションに配属する。

4.現在の仕事に満足していないのだが、私にできることはこれしかない、と諦めきっている。

5.同僚から不当な評価を受け、上司もその意見に賛成してしまっている。こんな状況なら、首になるのは時間の問題と言える。

6.単に仕事が面白くないだけでなく、それがストレスとなって健康に害を与え始めている。

だからといって、現実はそう簡単に仕事を辞めることはできない。学校に通う子どもがいれば尚更だ。一口に転職と言っても、最近の求人状況は大きく好転しているわけではない。あと5年で円満退職の迫っている人なら、辞職することなど考えられないだろう。しかし、シャンディ氏はこう付け加える。「企業のリストラは日常茶飯事です。明日あなたに解雇通知が渡される可能性もあります。すぐに仕事を辞めろとは言いません。少なくとも、もしもの時に備えて、新しい技術や知識を取得することが大切です。」

一昔前には考えられないことだったが、銀行でミューチュアルファンドが簡単に買えるようになった。(株は「買う」で構わないが、ファンドにはなぜか「購入」という言葉を使う人が多い。)もちろん低金利の世の中、定期預金だけでは客に逃げられてしまう。一口にファンドと言っても、たくさんの種類がある。銀行側の説明不足で、客との間にトラブルが生じることもあるようだが、預金だけの時代は過ぎ去ってしまった。少しでも良い金利が欲しい、そんな願いが発端となってミューチュアルファンド投資に踏み切るわけだ。

投資のプロ、ファンドマネージャーなら私たちより優れた成果を上げてくれるにちがいない。ファンド会社には豊富な情報、それに優秀なアナリストたちも揃っている。きっと私たちの資金(現金)を、有効に運用してくれるはずだ。そんな思いを込めて、大切な資金をファンドに移すのだが、AP通信の報道によれば、ファンドマネージャーたちは今、株投資ではなく現金保有率を増やしているという。言い方を替えれば、現在の株価に魅力が無いわけだ。

先月7月、メリルリンチの調べによると、一般的なミューチュアルファンドのポートフォリオ内における現金は、全体の4.1%を占める高水準に達している。特に興味深いのは、株と債券両方に投資をする、ミックス型ファンドマネージャーの投資姿勢だ。6月、18%のミックス型ファンドマネージャーたちは「現金優先」と述べていたが、7月、この数字は23%に跳ね上がっている。ほとんどのマネージャーたちは、世界的な景気上向きを予想しているのだが、実際の投資姿勢は控えめだ。

さらにAP通信によれば、小型株専門ファンドも同様に現金ポジションを増やしている。FPAキャピタルという小型株専門ファンドが例にあげられていたが、6月、このファンドが保有する現金の全ポートフォリオを占めた割合は29.8%だった。しかし7月、この比率は40%へと大きく膨れ上がった。チャーリー ボブリンスコイ氏(アリエルファンドマネージャー)を引用すれば、「現在のマーケット状況で、私たちが探し求める条件に当てはまる小型銘柄を見つけるのは、とても困難になっています」、ということだ。

それでは、即刻持ち株を処分するべきだろうか。もちろん、単にファンドの現金保有率が増えていることだけで、株を売ることは間違っている。今日のファンドマネージャーたちは、90年代の超強気な投資スタイルを棄て、正当評価額を中心にした慎重な投資スタイルを受け入れている。強気スタイルなら、マーケット上昇に伴い現金保有率はどんどん減っていく。しかし正当評価額が重要視されると、マーケットの大きな上昇は、現金保有率増加という結果につながる。現金を大量に抱えるミューチュアルファンド、買い資金は豊富に残っているわけだ。

アメリカでは5月に株を売って、しばらくマーケットから離れることが正しい、と信じる投資家たちが多い。格言に詳しい方なら、Sell in May and go awayを思い出されることだろう。多数のファンドマネージャー、それに機関投資家たちが夏休みでマーケットからいなくなってしまう。だから相場は閑散としてしまうから、無理に投資などしないほうが良い、というわけだ。なんとなく一理有りそうな考え方だが、ここで先月7月のニューヨーク株式市場を振り返ってみよう。

決算報告がなんと言っても7月一番の話題だが、投資者たちは、5つの爆弾レポートに直面した。ゼネラルモータースは3セントの一株収益が見込まれていたのだが、結果はマイナス56セントというショッキングな数字を発表した。さらにシティバンクで知られるシティグループ、半導体関連のマイクロンテクノロジー、大手証券ゴールドマンサックス、そしてフィルムでお馴染みのコダックが次々と予想を下回る結果を報告した。

これだけ大手企業の悪い決算がそろえば、マーケットは下げたと思われるかもしれないが、ダウ指数は7月3.6%の伸びを見せた。一か月間で、これだけの上昇を記録したのは2004年の11月以来初めてだ。好調だったのはダウだけではない。SP500指数も、ほぼダウと同率の3.7%増となり、1997年以来最高の7月となった。注目したいのはナスダックだ。上昇率はダウやS&Pを大きく上回る6.3%の力強さを見せ、2003年12月に次ぐ快挙だ。こんなマーケットの活躍ぶりに、オークブルック社ジャナ サンプソン氏は「本当にビックリさせらる7月でした」、と述べている。

マーケットはこのまま順調に走り続けるのだろうか。度重なる短期金利の引き上げ、60ドル近辺で取り引きされる高価格なクルードオイル、それにロンドン爆破事件などの悪材料を、マーケットは難無く消化してきた。特にロンドンテロ事件直後、売り手たちの必死な空売りにもかかわらず、マーケットは簡単に回復してしまった。悪材料を跳ね返すマーケットは強い。上記のサンプソン氏は、「マーケットは6%から8%の上昇で、2005年を終了するでしょう」との見方だ。

強気論だけでは不公平、と思われる方のために、ニック サンダース氏の警戒論を記しておこう。「買いと売りを比較してみると、今は売りの方が有利だと思う。あまりにも安心しきっている投資者たちが多いが、こんな時に予期せぬ大きな下げが起きやすいものだ。こんなペースで主要株指数が上げ続けるのは無理であり、ここから買っていくための材料も不足している。それに国債市場のブレイクダウンを考慮すれば、ますます株は買いにくい。マーケットは最悪な状況で底を打ち、だれもが自信満々の時に天井を形成するものだ。」

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発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット