夏休みをアメリカで、そんな計画のある人たちも多いことだろう。西海岸ならハリウッド、ディズニーランド、シーワールド、野球ファンには大リーグ、と見物場所はたくさんある。時差ボケに悩む方もいるかもしれないが、無事に楽しい一日を終えホテルの部屋に戻る。暑いシャワーを浴びパジャマに着替える。明日もスケジュールがつまっている。電気を消してベッドにもぐりこむわけだが、このホテルにまつわる話をUSAトゥデイから紹介しよう。
毎年100日近い時間を、ホテルで過ごすバーバラ ヒューバーマンさんは憤慨している。「とんでもない話です。一晩200ドル以上も払っているのですから、毎日シーツを取り替えてくれるのは当たり前のことです。」シーツはもちろんベッドのシーツのことだが、最近アメリカでは毎日シーツを替えてくれるホテルが減っている。たとえ自分だけしか寝ていないと分かっていても、客の立場なら洗濯された清潔なシーツで毎晩寝たいのではないだろうか。
ホテル側は、ヒューバーマンさんのような客はごく少数だと言う。ほとんどの宿泊者はシーツの取り替えに関してさほど気にすることはなく、毎日の取り替えが希望なら、あらかじめフロントに頼んでおけばよいことらしい。しかしヒューバーマンさんは、そのような回答では満足しない。「忙しい時は、シーツのことなど忘れてしまいます。実際にあったことですが、夜遅く部屋に戻って、シーツが取り替えられていないことに気がつきました。さっそくフロントに電話しましたが、時間帯が悪いという理由で断られました。」
25のホテルを対象にUSAトゥデイが調べたところ、11は毎日シーツを取り替え、9は週に数回、5は各地域のホテルによって頻繁度は異なると回答している。客からの要望があれば、毎日無料で替えるというのは全てのホテルに共通だ。どちらにしても、毎日きれいなシーツの時代は終わろうとしている。ハイアットホテル副社長、ギャリー ドーレンズさんは「宿泊者にとって、毎日のシーツ取り替えは重要な問題でないことは明確です。取り替え頻繁度の減少は、ホテル業界にとって当然のことになるでしょう」と述べている。
コスト削減が毎日シーツを替えない大きな理由だが、ホテル側にはもう一つの言い訳がある。実は思わぬ団体から、シーツ取り替え頻繁度を減らすことに大賛成を得た。グリーンピースという、環境保護運動に懸命なグループをご存知だろうか。このグループが毎日のシーツ取り替えに反対していたのだが、その理由はこうだ。毎日シーツを替えることは、毎日シーツを洗うことにつながる。洗濯には水という大切な資源が浪費される。おまけに洗濯によって排水される水は環境汚染の原因になる。なるほど、汚いシーツは環境保護に大きな手助けになるわけか。