あまりにも強烈な違いを見せる二枚の写真だ。オリンピック開催権を獲得して躍り上がるロンドン、そしてラッシュアワーを襲った爆破事件。大地震、津波、竜巻、自然現象が引き起こした暴力ならある程度のあきらめはつくが、明らかなテロ行為とあっては怒りをおぼえるだけだ。情報網を総動員させて、イギリス政府はどこまでも犯人グループを追いかけることだろう。
テロのような極端な事件が起きると、あらためて自分はどのようなタイプの投資者かが分かるのではないだろうか。テレビやインターネットでは急激に下げるマーケットのもようが次々と報道され、いかにも暴落は間違いない、そんな気分にさせられてしまう。事件後まもなく取り引きが始まったニューヨークだが、さっそく投資コンサルタントたちからのアドバイスを聞いてみよう。
CNNのインタビューで、ファイナンシャルプランナーとして個人投資家たちの相談に忙しいマリー アダムさんの第一声は「落ち着きなさい」だった。持ち株が下がり始めると、たちまち冷静さを失ってしまう投資家が多い。もちろん恐怖心に負けて、さっさとマーケット開始と同時に株を全部処分してしまう人たちもいる。こんな衝動的な行動を防ぐためには、あらかじめ持ち株の全てに損切りの値段を設定しておくことだ。
どんなに悪いニュースでも、自分の決めた損切り値に達するまでは株を手放してはいけない。アダムさんの言葉を引用しよう。「今日どうしても現金が必要という場合は別ですが、じっと我慢して情勢を見守らなくてはいけません。特にテロのニュースは、マーケットを必要以上に動かしてしまいます。よく考えてください。テロリストたちが破壊したものは製油所などの、直接経済活動に大きな打撃を与える場所ではないのです。」
今日の爆破事件で、警備防衛関連銘柄が投資テーマとしてまた台頭してきた。サベイランスシステムで軍と契約のあるL3コミュニケーションズ(LLL)、それに防弾チョッキや防弾プレートで有名なアーモア(AH)などを投資ポートフォリオの一部に組み入れるのも一案だろう。