連休を目前にして、マーケットは思ったとおりの静かな展開となった。昨日はFOMC会議で揺り動かされただけに、今日は最初から休むと決め込んだ投資者が多かったようだ。4日は独立記念日、ロサンゼルスからニューヨークまで、街の大小にかかわらずあちこちで花火が打ち上げられる。不思議とこの日は皆アメリカ人としての誇りを感じるようだ。
さてこのアメリカ、そろそろ不動産バブルがはじけるのではないかと心配する人たちが増えている。ロイターからの報道だが、35%のアメリカ経済を支える15州の不動産が超過熱状態だという。ドットコムに代表されるインターネット株の暴落を憶えているかたもいると思うが、現在の不動産状況はインターネット株などとは比較にならないようだ。
経済学者のトーマス ヘルブリング氏によれば、これら15州の不動産が下落すれば国内総生産(GDP)に大きなインパクトを与えるという。株式市場の下げもたしかに経済にはマイナスだが、株は不動産と違って上げ下げのテンポがきわめて速い。言い方をかえれば、株式市場は不動産よりも回復力が強いということになる。控え目に見積もっても、不動産が引き起こす経済ダメージは、株の二倍以上あるということだ。
ある新聞の不動産コーナーにこんな質問が読者から寄せられていた。
「サンディエゴの物件購入を考えていますが不動産バブルが気になります。しかし金利が上がり始めているので待つよりも、やはり今のうちに買ってしまったほうがいいような気もします。不動産ローンは利子だけを返済するインタレストオンリーを利用する予定です。この物件を今すぐ買うべきでしょうか。」
この質問への回答を聞いてみよう。
「サンディエゴは向こう24か月で値下がりが予想されるトップ5に入っています。だからといって、現在の不動産ブームが始まる前の値段まで下がるわけではありません。あくまでも正当価格までの修正が予期されるということです。不動産に株のような急激な下げはありません。株の下げは風船が破裂するような勢いがありますが、不動産の場合は空気がゆっくりと抜けていくようなものです。もちろん不動産はこの高値でしばらく横ばいするだけかもしれません。」
どうやらプロも不動産熱にやられてしまったようだ。