人間の心理に直結した面白さ
マーケットを毎日見ていると、ローソク足の動きは、人の心理の動きそのものだ、ということがわかってくる。
欲と恐怖が入り混じった「純粋な心理状態」が最も顕著に現われる動きをパターン化して分類する。
それを利用し、トレードの世界で、どのように資金を運用すればいいのか?
こうした観点から言えば「儲かる銘柄」といった考え方ではなく、「儲かるパターンとそのタイミング」に着目すればいいことがわかるだろう。
あとはそのタイミングで実行するための、訓練をすればいいのだが、これは場数と時間が解決してくれる。
マーケットは、時々予想外の動きを見せることがある。
だがパターンとセットアップを使うシステムトレードでは、それは大きな脅威とはならない。
これこそが短いタイムフレームによるトレーディングのメリットではないだろうか。
投資信託などを運用する機関投資家達は、資金量の多さゆえ、スイングトレードにならざるを得ない。
だが、多くのトレーダーは、そうした人たちのやり方を真似しようとする。
そもそも、資金量、売買株数も違うのに、方法だけを真似したからといって、うまくゆくものだろうか?
マーケットでは人間が売買することによってパターンが発生する。
だからこそ、人間の欲と恐怖が織りなすトレーディングの世界で生き残るためには、勝敗の「確率」がモノを言う。
アマチュアのトレーダーは、たまたま狭い領域で知り得た知識に何の疑いもなく身をゆだねてしまう。
そうすると感情に支配され、マーケットでの絶好のカモとなるわけだ。
トレーディングでは、トレード手法の持つ確率をしっかり見極めること。
すべてはここから始まるのだ。
どこで戦うのか?
まず大事なことは、戦いの場所をどこにするのか?
ではないだろうか。
NYSE なのかナスダックなのか?
デイトレーディングなら問答無用でナスダックだろう。
これはプロの間では定番となっている、初歩的な常識でもあると思う。
銘柄の選択やタイミングは、今やコンピュータの独壇場となっている。
つまりIT技術の進歩は、経済的な自立と直結している世界でもあるわけだ。
処理速度が上がれば上がるほど、有利になってくることを忘れてはならない。
NYSEはスペシャリストと呼ばれる人間が介在している。
だがナスダックは、完全にシステム化されている。
そのため執行の速度が全く違うのだ。
以前、ボトムスキャンにSYSE銘柄を採用しようとして、テストをしたことがある。
結論から言えば、個人がNYSEでデイトレーディングするメリットは皆無だった。
ナスダックでのトレーディングを上回るメリットがなければ、わざわざNYSEでする必要性は全くないからだ。
何といっても最も楽しくエキサイティングなのがスカルピングでのトレードだ。
刻々と動くチャートが予測どおりの展開を見せる数分間は「至福の時」といっていいだろう。
スウィングトレーダーの多いNYSEは、安定した大きなゲインを生み出してくれる。
だが、面白みという点で、比類の無い面白さは、やはりスカルピングだ。
トレードの醍醐味はまさに、スカルピングにあると言い切ってもいいだろう。
それも動きの早い米国株が最高だ。
日本株は、マーケットが始まっても、いつ始まったのかがわからないほど、動きが鈍い。
だからスカルパーにとっては、何とも退屈な世界に映るのだ。
銘柄選択はコンピュータの独壇場
マーケットそのものが持つ特性はそこに集まる人間の特性でもあるといっていいだろう。
だから、世間一般で言うところの「予想外の動き」というのは、プロのデイトレーダーにとっては、予想する動きを楽しむためのスパイスでしかないのだ。
逆にすべてが予想通りの動きを見せるのなら、トレードをこれほど面白くは感じないだろう。
だがいわゆるフォーメーションを含むセットアップに嵌らないときは、その動きが全く予想できないというのもまた面白い点だ。
今日リリースするボトムスキャンは、20年近いトレードの経験を元にしたクイックマジックという手法に特化した機能を備える最新のフィルタリングシステムだ。
スカルピングという高速な判断を要求されるトレーディング手法では、メジャーなプレイヤーである、マーケットメーカーの手口を監視することから始まる。
特にオープニングから10分間ほどの間は、膨大な量が売買される。
これは30分チャートで見れば一目瞭然。
どの銘柄が最も買われ、あるいは売られているのか?
これをリアルタイムで知ることが出来るか否かは、個人トレーダーにとっては生死を分けるポイントでもあるわけだ。
トレーディング手法
マーケットメーカー(証券会社)は客から預かる大量の資金を運用し、手数料で儲けるというビジネスモデルがベースになっている。
そのため勝つためのトレーディング手法というものが存在しないし、また必要も無い世界なのだ。
彼らは膨大な株数を、どこでどう売買するのか?
彼らは競争相手である他のマーケットメーカーに、手口を知られないようなシステムの開発に全力を挙げているのが実情だ。
だから我々のように、ピンポイントで千株やせいぜい5千株までの株数でのトレーディングというのは、ハナから眼中にないわけだ。
そもそも彼らが同じタイミングで数十万株もの売買をしようにも、相手がいないわけだ。
マーケットメーカーというのは、たとえて言えば、機関銃のように、連射をしながら時間をかけ、ノルマである株数をこなしてゆく兵隊をイメージするとわかりやすいだろう。
だが我々個人トレーダーというのは、スナイパーだ。
100株・200株・500株・千株というタマを使い分け、ピンポイントで打ち込まなければならない。
一日いくらの稼ぎが必要なのか?
トレードの手法というのは、執行速度を含め、必要な金額をどれくらいの時間で手に入れられるのか?
この点を具体化しておかなければ、何も始まらないのだ。
上記のような理由から、トレードの世界では、この点を明確にしておかないと、コンスタントに勝つことのできない世界でもあるのだ。
トレードとライフスタイル
トレーダーになると、まず「休み」の概念が変わってしまう。
なぜならトレードは仕事というよりも趣味、いわばゲームと同じ感覚を体験することができるからだ。
だからスマホやPCでのゲームには全く興味がない。
別の言い方をすると、トレードは、シナリオとストーリー展開が毎回違うゲームといっていいだろう。
それも、毎日違うとてもリアルなゲーム展開を楽しむことができるのだ。
だから、パターンが限定された架空のストーリーによるゲームなどとは、面白さの点で比較にならない。
そこいらのゲームと最も違うのは、何といっても得点のかわりに、実際のお金が動くという点だ。
こうした点において非常に現実感が高く、エキサイティングなことは言うまでも無いだろう。
実を言うと3連休とかになると退屈で仕方がない。
ただあまり毎日夢中になっていると、目から首や肩、そして腰に疲れが連鎖してやって来るから注意が必要だ。
この点については「歳」を自覚する必要があるし、家族もいるから、そうそう自分だけの面白さや楽しみだけの都合で毎日を過ごすわけにもゆかない。
だから、トレーダーにとって家族というのは、こうしたバランスをとるうえで、とても重要な役割を果たしてくれている。
お金と純粋なエンタテイメントのためにはトレードがあり、自分のためと、世のためにはセミナーがある。
この素晴らしいコンビネーションを生かすためには、その方法についても少しばかり工夫が必要になる。
自分が好きなことをやって、その方法を人に教えるのも、好きなことをやるのと同じように楽しいものだ。
そしてセミナーで方法を教えた人が成功し、それがその人の家族にも幸せをもたらすのなら、世の中のために役立っているという自己満足をも満たしてくれるからね。
こうした視点は、年代や世代や家族構成によって、トレーディングスタイルの柔軟さを考えるための、よいきっかけになるはずだ。
これから高齢化が進んでゆく社会では、指とアタマを駆使することによるトレードを通じての刺激は、ボケの予防や退屈な毎日を輝く楽しさへと変えてくれる、「魔法のスパイス」でもあるのだ。
そして年齢に関係なく手に入れることのできる収入は、金額の大小に関係なく、伴侶から邪魔者扱いされがちな退職者にとって、余生を過ごすためには無くてはならないものとなるはず。
満たされた余生を過ごすためでもあるのだから、十分な時間をかけて身につけることだ。
時間は十分あるのだから。
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