というわけで、「ケトン体が人類を救う」の内容を、わかりやすくまとめてみました。
胎児や新生児、妊婦さんの血液には、ケトン体が非常に多く合まれています。
ケトン体は、ヒトが糖質を摂取しなかつたとき、脂肪を分解して栄養にする代謝に変わり、出てくるものです。
今までは、ケトン体が血液中に多くなる「高ケトン状態」は、非常に危険な状態だとされてきました。
ですが「高ケトン状態」の方が遙かに、カラダに良い影響があるのです。
そのため、小児のてんかんの治療に始まり、食欲不振やアトピーなどの治療、また認知症、アルツハイマー病、歯周病、低血糖症やアンチエイジングの治療にも役立ち、がん治療にも応用され始めているのです。
この背景には、下のような間違った多くの健康神話があります。
1.カロリー神話
血糖値とカロリーには、何の関係もありません。
にもかかわらず、多くの医者や栄養士は、いまだにカロリー制限で糖尿病を治そうとするのです。
これは全く無意味なことで、かえって状態を悪化させるだけ。
低カロリーでは体力が落ち、生活に支障が出るうえ、皮肉なことに、低カロリーなものには炭水化物が多く、糖尿病のリスクが高まるのです。
カロリーではなく、糖質量に注目して食事の管理をすれば、血糖値を管理できるのです。
2.バランス神話
食事は「バランスよく」と言って、多くの栄養士は炭水化物を60%もとらせているのが現状です。
タンパク質、脂肪は、それぞれ20%。
ところがこの栄養比率には、学会も認めるように、何ら根拠がないのです。
それなのにこの比率は、金科玉条となつてすべてを拘束しています。
3.コレステロール神話
必須栄養素を完全に満たすには、肉や卵やチーズはもっとも簡単で効率の良い食品です。
ですが肉や脂肪は、今までは「コレステロールが上がるから食べすぎないように」と教えられているのです。
この考えは、公式に否定されています。
厚生労働省は2015年4月改訂の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、食事からのコレステロールの摂取抑制目標値を撤廃しています。
ですがほとんどの医師や栄養士は、いまだこれを理解していないのです。
4.脂肪悪玉説(肉・動物性食品悪玉説)
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文では「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、総コレステロール値も不変であった。」と報告されている。
またスーパー糖質セイゲニストでは「赤身肉・加工肉・酒」が結腸・直腸ガンのリスクになるエビデンスはないのです。
つまり糖質を制限することは、あらゆる面で、体調を良い状態に保つための、大きな要因になっているということになります。
米ハーバード大学医学大学院と同大付属のブリガム・アンド・ウイメンズ病院のディアドラ・トビアス氏らは、過去の研究結果を分析した結果、低脂肪食のダイエット効果は、長期的には糖質制限食と比べて低かったと、英医学誌「Lancet Diabetes & Endocrinology」12月号(2015; 3: 968-979)に報告した。
エビデンスレベルⅠの英医学誌「ランセット 糖尿病と内分泌学」12月号の論文(**)の結論は
1)糖質制限食との比較では、
低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
5.炭水化物善玉説(野菜・植物性食品善玉説)
肥満は脂肪が原因、これはほとんどの人がそう信じていますが、これこそが間違いであって、肥満は糖質過剰摂取で起こるのです。
6.ケトン体危険説
ケトン体は危険な物質であるというのは、20年前の知識で、もはや前世紀の遺物です。
今やケトン体は胎児、新生児のエネルギー源であり、健康と、アンチエイジングのエネルギー源でもあります。
胎児は母親の胎内で、絨毛で作られたケトン体を主に、栄養源。熱源・エネルギー源にしているのです。
いかがでしょう。
これらの大きな間違いが相互に補完しあい、炭水化物・糖質が中心の低カロリー食が推進され、ますます、肥満、糖尿病、成人病、小児糖尿病を増やし、それを膨大な薬剤で治療しようという馬鹿げた医療を多くのヒトが正しいと信じているのです。
体調を向上させる秘訣は、糖質摂取をやめ、タンパク質・脂質を中心とした食事に切り替えることです。
ブドウ糖を使った代謝から、ケトン体(体内の脂肪の分解によつて生まれる物質)代謝に変化させる。
これだけで、体の状態は劇的に改善されるのです。
糖質をとらないでいると、ケトン体が血液中に上昇してきます。
この値は結構高いので、食事の内容によつて基準値が違ってもいいわけなのですが、日本ではまだそういう認識はされていないのが現実です。
糖質をとらないで、脂肪をとると、速やかにケトン体が上昇します。
今までは、「脳はブドウ糖しか使えない。だから毎日ブドウ糖が必要」と言って朝食を食べなければダメという人が多くいたのですが、実際のところ脳はケトン体が大好きなのです。
むしろケトン体のほうがエネルギー源としてふさわしいのです。
小児の重症てんかんにケトン食が効果的であることは、すでに証明されています。
また最近では認知症やアルツハイマー病など脳の萎縮や退化にケトン食が注目を浴びているのも、こうした理由からなのです。
今では、糖質制限をしている方たちは、「ケトジェニックな生き方」と呼ばれています。
糖質エンジンをやめてケトン体エンジンのみを動かすという生き方です。
集中力が増して、頭が冴えてきます。
食後に眠くならず、居眠りなどせずに早寝、早起き、疲れ知らず、などの利点がたくさんあります。
メタボや糖尿病、歯周病まで治ってしまうのです。
おそらく日本のほとんどの医師は、ケトン体が高いと聞けば栄養失調ではないかと言い、糖尿病専門医はケトアシドーシスだと驚くことでしょう。
アスリートの糖質制限で書きましたが、テニスのジョコビッチ選手は、糖質エンジンをやめてケトン体エンジンのみを動かすことによって、世界ナンバーワンの地位を手に入れたのです。
ジョコビッチ選手の強さ、パワー、反応時間の早さは、ケトン体エンジンのなせる賜だといっても過言ではないでしょう。
まずは、ご飯、パン、麺類をできるだけ避ける。
健康へのスタートは意外に簡単な方法で始められるのです。
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