書けばいいこと書いてはいけないこと
◆・・・シンプルで読みやすい日記がいいなと思いますが、シンプルすぎると味気なくなってしまう気がしてその辺のバランスがいつも難しいなぁと思ってます。 まぁ、その時々でバランス取ったり、外してみたりしてるだけなんですけどね。
というコメントをいただきました。
確かにシンプルで読みやすい日記というのは一つの理想の形ですが、どうしても「シンプルすぎると味気なくなる」ということになってしまいがち。
これを解消するためには、目的を明確にしてテーマを凝縮させた内容の密度を高いもの書く。
これは、文体はシンプルで読みやすいのだけれど、目からウロコが落ちる文章を書くための一つの考え方です。
多くの人に読んでもらうために、文章がうまくなりたいと考えるのならば「うまく書く訓練をしながら」書けばいいわけです。
そのためには、書いてはいけないことがあります。
それは「気持ちを吐き出す」ための日記は書かないということです。
会社でいやなことがあったり、思わぬ楽しいい事があった場合は「書きたいように書いて、さっぱりすっきりする快感」に浸りたくなります。
こんなに感激しているのだから、一人でも多くの人にこの感激を伝えたーい!!
ストレスが溜まっているから、書いてガス抜きをしたーい!!
わかります。
ですが少し冷静になって考えてみてください。
友達と電話で話をするのならともかく、こうした出来事を「うんうん、わかるわかる、そうだよね」と読む人にその時の感情が、よーくわかってもらうように書くというのは、至難のワザです。
これが書けるようになるには「小説家になれるかもしれない」というレベルの技術と感性と経験が必要になると思います。
ですからそういう独りよがりになりやすい、いいかえれば読む人の共感を得るという点からいえば「リスキーな日記」を書くのは賢明ではありません。
絶対に書いてはいけないというのではありませんよ。
書くことがうまくなりたいのなら、最初のうちは、できるだけこうした目的で書くのは、避けたほうがいいということなのです。
そうして書くことがうまくなってきたら「書きたいように書いて、さっぱりすっきりする快感」のためにまた日記を書けばいいのです。
前よりもうまく書けるようになってきたら、こうした内容の日記でも、以前よりもはるかに共感を得ることができる可能性は高くなっているはずです。
ですから、こういう「自分のための日記」は書きたいときにあらかじめ書いておき、たとえば週末はこうした種類の日記をアップする、などというようにすれば、毎日同じような日記が続くことがなくなります。
メリハリのあるバラエティー豊かな日記が、できあがるというわけです。
ただそうなると「書きたいことを書きたいように書く」のをやめるわけですから、あなたは「ある制約の中で、大変な思いをして書く」ことをしなければなりません。
「書きたいことを書きたいように書く」ことに慣れていいた場合、こうした制約を設けることによって、ある種の矛盾や摩擦や葛藤が生まれます。
ですが、それを乗り越えたときにはそこに価値が生まれ、読む人の心へ深く到達することができるようになります。
たとえばあなたが「安くてうまい」ランチを食べたいと思っても、基本的に「うまい」ものは高いわけです。
ですが、そこであきらめたりはしませんよね。
あきらめず、安くてうまいところを探すという、努力や工夫を続ければ、やがて目標としている「安くてうまい」ランチを探し当てることができるようになります。
それを友達に教えることで、あなたには「安くてうまいランチを教えてくれた」という価値が生まれるわけです。
ではその肝心の制約についてですが、これは何か興味のあるもの、例を挙げると、諺や格言を一つテーマにするというような方法があります。
これがここでいうところの、制約をつけるということなのです。
たったこれだけなのですから、何も難しくはありませんよね。
一つのテーマを決めたら、それを常に頭の片隅に入れておくだけで、書いてゆくうちに文章は自然にマッチするようになってゆきます。
例を挙げると、たとえば次のようなフレーズです。
◆一度に一つずつ行え。あたかも自分の生死がそれにかかっているように - U・グレース
◆慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくゆく - ジャン・ジャック・ルソー
大事なことは、「意識をする」ということです。
うまく書けるようになりたいという強い力があれば、こうしたテーマを意識することで、書く内容は、知らずしらずのうちに、テーマへ引き寄せられてゆきます。
この効果には実際にやってみると、きっと驚かれるはずです。
こうしたことを継続することで、やがて自然に書くときには「テーマを決める」というように繋がってゆきます。
必要な情報は、探し続けていると自然に集まってくるもので、最初はうまく行かないように思うかもしれませんが、続けているとだんだんとそういうふうになってきます。
テーマを意識して書くという習慣がだんだんと身についてくると、あなたの書いたものは、見違えるように変わってゆくはずです。
◆習慣は、最高の召使いか最悪の主人のいずれかだ - ナサニエル・エモンズ
最後にオマケ。
どうしても「ストレスが溜まっているから、書いてガス抜きをしたーい!!」
という衝動を抑えきれなくなったら、海へ行って「バカヤロー」と叫ぶことです。
そういえば昔青春映画にそういうシーンがありましたね。
海へ行って「バカヤロー」と叫んだ
というタイトルの日記も翌日書けますしね。
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