脳にとって文字を書いたり計算をしたりすることと、音楽を聴いたり絵を描くこととは、別の意味を持っている、言い換えれば違った領域を使うということは、すでにご存知かもしれません。
文字を書いたり読んだりするときは左脳、感覚的な作業やイメージは右脳の働きによるものと言われています。
つまり普段仕事で文字や数字ばかり見ていることが多いのなら、絵を描いてみる というのはいいアイデアだということになります。
こういう実験結果があります。
右手が動かなくなるまでグーとパーを繰り返し、休んでから、また同じ動作をするというテストをします。
次に休む代わりに左手でグーとパーを繰り返し、そのあとでまた右手で同じ動作をします。
この2つを比較した結果、休むのではなく左手を動かしていた方が、はるかに右手がよく動くのです。
つまり脳を休ませるのではなく、別な刺激を与えることが能力を向上させるための秘訣でもあるのです。
ですが白紙に絵を描いてみようと思っても、なかなかできることではありません。
普段から絵を描く習慣がある人や、今の自分の状態を 簡単に絵で表現できる人が、オフィスでPCに向かっている人の中で、果たしてどれくらいいるでしょうか。
文字にすることなら慣れているため、あの仕事とこの仕事はこの期限までにやらなければならないと箇条書きで羅列するだけですが、しかしそれを絵にするとなると、 そう簡単なことではありません。
ですが右脳は情報処理が圧倒的に早いわけですから、こうしたイメージなどのパターン能力を磨くために、右脳を訓練するということはかなり有効なはずです。
私はこうしたことのために、写真を使っています。
自分のWEBでは昔からやっていることなのですが、WEBにアップするデジカメの写真には、現像という編集作業で必ず手を加えることにしています。
白紙のキャンバスへ一から何かの絵を書くことに比べれば、はるかに簡単ですからね。
絵を描くというのは、対象物をしっかりと観察する、または表現したいイメージを具体化するという作業が必要になります。
木の葉を描くときには、葉の形はどうなっているのか?という点を意識して見るようになります。
つまり普段とは別な視点で見るという練習を、楽しみながら知らず知らずのうちに繰り返すという点がポイントになります。
白紙へ絵を描くかわりに、デジカメの写真を自分のイメージで表現しなおすことでも、同じような効果が得ようというわけです。
白紙から絵を描いてそれで終わってしまうよりも、デジカメの写真を、自分の表現したいイメージへ変えてWEBへアップして見てもらうという目標があるほうが、作業そのものも楽しくなるというものです。
フォトショップにはさまざまな絵を描いたり、効果を加えるためのツールがあります。
上の写真はレタッチをする前と後ですが、効果がわかるように、少し強調して効果を加えています。
使っているツールは、覆い焼きツールと、ぼかしツール、シャープツールの3つ。
そのツールを絵の具のように見立てて使うわけです。
マスクをするとか、範囲指定をするとかレイヤーを使わず、ときにはブラシの太さを変え、あたかも絵を描くように、写真の上へ描き込んでゆくのです。
ツールはハイテクなものを使いますが、作業としては写真というキャンバスの上に、効果を描くというアナログな方法で作業をするというのがポイントです。
これは商業写真のプロの方から教わったやり方なんですけどね。
実際にWebへアップする写真には、この例のような極端な表現はしませんが、ここまでやればその違いをはっきりとお分かりいただけると思います。
文字を書いたら、作業を一休みし、写真のレタッチに没頭する。
この2つの作業のコンビネーションは、どちらの作業にも着実にプラスの効果を与えるはず。
実際にある程度の期間続けることで、身をもって感じることができるようになるはずです。
出展
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