現在上映中のリストを見て、本当ならインデペンデンス・デイ:リサージェンスに行こうと思ったのだが、上映が夜の9時40分という遅い時間だけ。
95歳なので早く寝てしまうからねえ。
というわけで、ネットでは評判がいいという、シン・ゴジラへ計画変更。
これだと、字幕を読む必要も無いからね。
ハーバーランドの映画館で一番早いのは 午前8時50分の部。
10時50分に終わるので、そのあと11時半からランチという計画だ。
親孝行したいときに親はなし、っていうからね。(笑)
定番の映画鑑賞セットを購入。ポップコーンはサイズ中。
時間が早かったせいか、14人ほどという数えられるほどしかいない観客で場内はガラガラ。
おかげで、中央の最も良い席で見ることができたのだが・・
予告編は当然日本映画ばかり。
だけど、予告編であれだけ面白くなさそうだというのが何だかねえ。
という上映前だというのにテンションの盛り上がりに欠ける展開。
それと鑑賞の際の注意事項の説明が、実にくどい。
子供じゃないんだから、勘弁して欲しい。
伝統的な日本映画
で肝心の映画だが、良くも悪くも日本映画の伝統をしっかり引き継いだ作品だった。(笑)
終わってから駐車場へ向かう途中で、父にどうだった?と訊ねてみた。
あれじゃあ子供にはちっとも面白くないだろう、と一言。
それにゴジラがどうしたいのかがわからないから、ちっとも怖くない。
というのが95際の父の感想。
確かにねえ。
この映画は高校生以下だと、見ても全く面白くないはず。
ゴジラという素材を使った、政治家達による災害対策劇というか会議劇?(笑)なのだから当然だろう。
ゴジラが本能的に暴れたい動物なら、徹底して暴れさせ、それをやっつけて、最後はさっぱりさせるという展開とは対極にある映画だ。
とにかく、セリフが多い。
日本映画の悪い伝統で、冒頭から登場人物がとにかく説明しまくるのには参った。
いい映画というのは、大体イントロのシーンでわかるものなのだが・・
始まって早々に「こりゃダメだ」とガックシ。
相変わらずのCG
冒頭でいきなりゴジラらしきものが登場する。
ありゃあ・・
おいおい、もっと引っ張って焦らせてくれてもいいよなあ。
大体において、こういう映画は見る側の想像力を掻き立てておいて、待ちきれなくなった頃に登場させるものだ。
なのに、ハリウッド映画を見慣れていると実にチャチなCGで、いきなり登場するわけだ。
まあ、制作費が制作費だからねえ。
その観客への顔見せともあろう進化前の小さなゴジラは、まるで「ぬいぐるみ」のようだった。
それはないだろう・・
だいたい目がダメ。あれじゃあねえ。と、思わず笑ってしまった。
ストーリーに伏線が張られているわけではないし、何の工夫もない展開。
なのに次から次へと登場する俳優が説明しまくるものだから、想像力を掻き立てるも何もあったものじゃない。
こういう怪獣モノは、非日常を体験したくて見るわけだ。
ジュラシックパークが、その代表的な映画だ。
ところがこの作品は、国や政府や対策本部やらの面々たちが、こういう風にやるはずだ、というどうしようもない対応というか会議の場面を、これでもかと延々と見せつけてくれる。
そういうのは「もういいよ」と、いいたくなるほどしつこく延々と繰り返すのだ。
テンポの悪い展開
いい加減長い台詞に飽きた頃というか、その合間にゴジラが登場するという映画だ。
だから、テンポもクソもあったモノではない。
作品に緩急と言うか、リズムがないうえ、グダグダとした会議の連続。
途中3回も時間を見てしまった。
父も時々時計を見ていたので、多分面白くなかったのだろう。
ゴジラをやっつけ損なってから、また延々と説明しまくりながら対策を立てる。
そういうのを2回も繰り返されると、もうウンザリ。
それに、政治家たちに扮する年配の俳優の顔を、あそこまでアップで撮る必要がどこにあるのだろう。
美人ならともかく、お世辞には目鼻立ちがいいとはいえない年配のオッサン達のアップは勘弁してほしい。(笑)
リアリティーとは?
さらにアメリカ政府から派遣されたという設定の、唯一の美人俳優のリアリティーのなさが凄かった。
アメリカで生まれた日系人という想定にしては あまりにもコテコテの日本人だったからなあ。
リアリティーを出すためなのだろうか、字幕をつけ、英語で長めのフレーズを話すのだ。
これがまた実に嘘クサイ。
すると政府側の若手も英語で対応。
じゃあ最後まで、英語でやれよ。といいたくなるような「とってつけた」シーン。
こういうのは、嘘臭さを倍増させるだけではないだろうか。
アメリカで生まれた日系女性に日本語で喋らせた方が遥かに本当らしくなるはず。
ハリウッドへ声を掛ければ、そういう俳優はごまんといるはず。
映画の魅力とは?
映画というのは本来、俳優に延々と説明させるのではなく、映像でわかりやすく表現するものだ。
百聞は一見にしかず、と言うではないか。
ゴジラという現実にいない怪獣の映画なのに、娯楽性というかエンタテイメント性はゼロ。
つまり、映像から伝わってくるリアリティーは希薄だといっていいだろう。
最後の方になると、ミサイルでもびくともしないゴジラに対し、実に苦し紛れの作戦が登場する。
新幹線や電車を高速で走らせ、ゴジラに体当たりさせるとかは、まあ目をつぶってもいいだろう。
だが意外なことに、ゴジラの周りの高層ビルを爆破倒壊させると、その下敷きになって動けなくなってしまうのだった。
おいおい、それはないだろう。
福島の原発事故で、ヘリコプターから海水を撒いて、冷やそうとしたのと同じ思考パターンなのか?(笑)
相変わらずのエンディング
余り具体的に書くと、ネタバレするのでこれ以上は書かないが、最後もなんだかなあ、という終わり方だった。
こういうところも日本映画の伝統を踏襲しているのだろうか。
とにかく、オレ的には突っ込みどころ満載の映画だった。
面白くない映画に連れていって、ゴメンネ。(笑)
でも父は気分転換になったはず。
だが超映画批評を見て、驚いた・・何と90点の大傑作だという評価。
ま、感想なんて人それぞれだからね。
たぶん大人の事情もあるのだろう。
「シン・ゴジラ」は世界100の地域、150カ国で公開されるという。
じゃあどれくらい売り上げるのか?
制作費は13億円から20億円の間のようだ。
日本国内の興行収入は2週間で21億円。
2014年版ハリウッド映画の「GODZILLA ゴジラ」は55点
制作費は約160億円。
売り上げは3日間で200億円。全世界での興行収入は630億円。
日本国内での興行収入は32億円。
というわけで、子供の時以来になる映画館での邦画鑑賞レポートはジ・エンドであります。
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