多くの紙媒体やWebでを見ると、評論家先生達の試乗記で、シエンタはなかなかの評価を得ているようだ。
ディーラーでは、かなりの分厚さの、いかにもコストが掛かっていそうなカタログが配布されている。
つまり、かなりリキの入ったキャンペーンが張られているのだ。
大多数の想定購買層に対して、値段との対費用効果としては、お薦めですよ、という試乗記は多い。
だが、車としての基本性能はどうなのか?
という切り口で書く媒体が、一つくらいはあってもいいのではないだろうか?
というわけで、オレの試乗記はヨイショは一切なし。
なので、シエンタをしでに注文していたり、すでに買っている方が読むと、よろしくない印象を持たれるのは承知の上で書いたわけだ。
そのため都合、3回違う販売店へ出向き、ディーラーの試乗コースではない、勝手知ったるルートで試乗。
通常、ディーラーが設定している試乗コースというのは、割と路面状態のよい道を主体に設定されている。
そのため、普段自分がよく通るルートを走ることにしたというわけだ。
ルート変更は、どのディーラーのセールス担当も、快く「どうぞ、どうぞ」という諸手を挙げての対応。
もちろん担当セールスは助手席に鎮座。
という同乗モードだったが、遠慮なく、うねった道や、路面の悪い路面を自分が普段走るペースで試乗させていただいた。
もちろん、どう感じているかとか、「こういう路面だと、このように反響するのが気になるんですが・・」などと感想を喋りながらだ。
当然のことながら、セールスの方の反応は、人それぞれ。
「よをキロ」くらいの速度を出すと、白バイなどがきになるのだろうか、後ろをチラ見しながら落ち着かない様子になったりとかね。(笑)
で、あるディーラーの担当者は、以前フォルクスワーゲン社で、メカニックをされていたという。
30分ほどの試乗が終わるこ頃には、車を売ることなどは頭にないかのような、車好き同士の世間話モード。
というわけで、なかなか楽しかった。
トヨタには、G's というモデルがあり、その担当者は開発部隊の人達と仲がいいのだという。
多くのスタッフが自前で乗っている車は、トヨタ車ではなく、ポルシェ911が多いらしい。
じゃあG’sのトヨタ車なら素晴らしいハンドリングに仕上がっているのかというと・・
モリケータ氏が、FMOでこう書かれている。
森慶太FMO 183.
もう一方のアクア系。「系」なのはいくつかバリエーションがあるからで、そのうち今回は2台を借りました。X-URBANなる車高(とタイヤ径)アップ仕様と、あとG's物件。
それよりもっと気になったのはハンドル関係。これまた主に街なかレベル……ないしもっと低い速度域で、簡単にいうとカルすぎ。アシストがヒョンヒョンでまくって、それこそパントマイム操舵をやりまくらないといけない感じ。手応えを信じてきっちゃダメです系。
「あちゃー」と思ってきいてみたらばEPSいっしょ。というのはつまり、ベース車両と制御が。ベース車からこんだけ車体が変わって(サイドシルにスポット溶接打点増し増し+車体下面に補強パーツ多数)アシの設定とタイヤのサイズや特性も変わってるのに、EPSいっしょってのはナシでしょ。マイチェン車体用にアシもイチから……のシェフ(動質の仕込みの担当者)だったら、そんんなんじゃNGなことは俺なんかより1000倍ぐらいよくわかってるんじゃないですか?!
というわけで、トヨタは相変わらず。(笑)
G's というモデルの仕上がりはともかく、開発部の人達がポルシェを足として使うのは、加速・減速・旋回・停止というそれぞれの領域での運転感覚が自然でリニアだからだろう。
車の性能を測る基準として使える尺度が身につく、というのはポルシェを所有する大きなメリットでもあるわけだ。
所有することで、カラダに繰り返しその感覚が染みこんでゆく。
すると他の車に試乗したときに、それが自然な味付け担っているかどうかを、すぐに感じることができるというわけだ。
現在の足となっているシトロエンC6も、所有していた87年空冷式だった911の運転感覚に近くなるよう、モディファイしている。
基準となる物差しを持てるというのは、車好きの一人として、幸せなことなのだと思う。
ちなみに沢村慎太朗FMO 205. では・・
おれの場合は930系ですね。モデル指定まであります。1988年式カレラ3.2ドイツ本国仕向のクラブスポーツ仕様。その911に乗ったときの衝撃が記憶にぶっ刺さって今でも離れません。機械の存在感と提示された内容に自動車に関する部分の精神を強姦されたって感じ。心ではフェラーリを愛してるのに、力づくで犯されちゃって気持ちが無意識にそちらに奪われちゃった感じでしょうか。でも「身体は正直だなウッヘッヘ」的な事態に陥るのは絶対に嫌なおれは吸引力を振り切りました。そして、その日以来おれは911をひたすら尊敬することにして、ひとつ家で共に暮らして愛を育むのではなく、少し離れたところから代を重ねていくその姿を傍観者として眺めて文字に綴っていこうと決めました。そしてまた、あのときの記憶が褪せるのが嫌で、930系3.2カレラには生涯チョイ乗りでも触れないとも決心しました。そのあたりのことはFMOでも何度か書いています。 なので、俺の一台をポルシェに限定するならば、88年式930系3.2カレラ本国仕様クラブスポーツなのです。個人史の上では、それは996系GT3RSがいかに凄かろうと、991系カレラ4Sがいかに楽チンで速かろうと、最高の911はそれなのです。
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