レクサスの憂鬱

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webCG の レクサスRC F(FR/8AT)試乗インプレッションを読んだ。

「そこらの道でもココロがおどる」というサブタイトルの記事を読んだが、具体的にどこがいいのかは、最後までわからなかった。

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乗り心地はファームだけれど、素晴らしく快適だとか、超高性能車でありながら、非常に運転しやすいなどというのは、このクラスになれば当たり前だろう。

そもそもが、1千万円を越えるクルマで、何がしろの感動がなければ、誰も買わないだろう。

ではどこが魅力なのか?

CGの記事でも何となく「いい」くらいしか伝わってこないのだ。

  

レクサスは2013年度の国内新車販売台数で、「メルセデス・ベンツ」に逆転されてしまった。

1989年に米国で始まったレクサスブランドだが、すでに誕生から25年目。

2013年の世界販売でも、ドイツのBMW・メルセデス・アウディに比べ、約3分の1程度しか売れていない。

   

レクサスの山本常務役員は「高級車ブランドとして認められるラインアップは確立したい」とドイツ勢と比較して少ない車種を拡充する方針を示している。

「結果として販売台数が増えるのは構わないが、台数を増やすために車種を増やすのではない」と販売規模の拡大を優先する考えはないと強調している。

何だか負け犬の遠吠えのように聴こえるのはオレだけだろうか?

本音は、何とかして台数を売りたいのではないのか?

   

   

現在のトヨタは、第一トヨタ、第二トヨタ、ユニットセンター、レクサスの4事業体から成り立っている。

レクサスインターナショナルは、社長である豊田章男氏の直轄事業でもあるわけだ。

    

ちょっと下品なスピンドルグリルで「顔つき」を揃えてきたレクサス。

だがこちらで書いたようにクラウンにも採用している。

レクサスブランドでしか手に入らないスピンドルグリルではなかったのか?

 

相変わらずのブランディング戦略。

   

スピンドルグリルの顔つきにあやかってクラウンを売りたい・・

時折覗く、こうしたトヨタの下心。

こうして、せっかくのスピンドルグリルのブランドイメージは低下してしまった。

        

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しかもピンクのクラウンといい、このレクサスの柿色といい、カラーセンスが垢抜けないのもイタイ。

    

そもそもこの色は、ポルシェGT3RS という超高性能車のイメージカラーなのだ。

クルマ好きなら、誰もが知っている色だといっていいだろう。

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圧倒的な運動性能で高い評価を受けた RS ゆえの烈な印象の象徴とも言えるボディーカラーだ。

言い換えれば、ポルシェの 「GT3RS だからこその色」でもあるわけだ。

    

そうしたイメージカラーを「まんまパクって」まで使ってしまうというレクサスのカラーセンス。

一体誰の発案なのか?

  

もともとがトヨタの売れ筋はアクアとプリウス。

「車には興味がないが、車は必要、そして燃費が一番大事」という人が選択する車種だ。

つまり「車が好き」だから買うのではなく、「車がなかったらどーしようもない」ために買っているのだ。

  

そういう車のメーカーのトップがレクサスの責任者であること自体、何だか間違っている気がするのは、オレだけだろうか?

 

 

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イメージアップの企業戦略という意味で、最近見事な手腕を見せたのはBMW。

既存モデルを電気自動車化するのでなく、白紙新設計で i3 と i8 を作り、別ブランドで立ち上げた。

     

CFRPまで多用した i3 や i8 の値段では完全にコスト割れのはず。

別ブランド構築のコストや、100%リサイクルを実現する費用も含めれば、その赤字はさらに膨れ上がるだろう。

だが何故BWMがそこまでやるのか?

 

他を圧倒し、この先十年以上、その効果を継続させることができる内容を持つ企業プロモーションとは?

その答えが  i3 や i8 。

つまり企業ブランドの向上のための費用と考えれば、彼らは十分にペイすると判断したわけだ。

  

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この戦略は成功だったようで、BMWの i3 は、リーフという失敗の前例がある日本でも、意外に高く評価されている。

  

一方で空前の利益を出しながら、こうした企業ブランドへの先行投資を含めた先手の打てないトヨタ。

この調子では、レクサスの憂鬱は、この先もまだまだ続くのではないだろうか?

 

   

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このページは、hatchが2014年11月17日 16:56に書いた記事です。

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