【ル・マン24h詳報】過酷な決勝...トヨタは8号車だけ完走しクラス2位
レースは、LMP1クラスで出走した計6台全てがトラブルに見舞われるという、目を離せない展開。
ゴールできたのは2号車ポルシェと8号車トヨタの2台のみという予想だにしない結果で幕を下ろした。
一時はLMP2クラスの38号車ジャッキー・チェンDCレーシングが首位を快走したが、LMP1クラスとの速度差は大きく、残り1時間というところで2号車ポルシェに追い抜かれたが総合2位も38号車ジャッキー・チェンDCレーシング。
エントリーが2台のポルシェに対し、3台で優勝を狙ったトヨタは、またもや勝てず。
予選でも決勝でも速さだけはあったトヨタは次々にトラブルに襲われる。
トヨタにとってはまさに悪夢に思える展開だったろう。
こちらに、レース終了後の豊田社長のコメントがある。
電気の力は、クルマがもっとエモーショナルな存在になるために絶対に必要な技術であり、ルマンはその技術に挑戦し続け、極限の環境で試すことの出来る貴重な実験場だ。
これからも、この場を、大切にしていきたいと思います。
と述べているので、来年もチャレンジするだろう。
そして・・
技術に磨きをかけ、熟成させ、お客様に本当に笑顔になっていただける技術を、そしてもっといいクルマづくりを続けるために、これからも我々トヨタは、努力を重ねてまいります。
皆さま、ご期待いただければと思います。よろしくお願いいたします。
と結んでいる。
自らもレースが好きな社長だけあって、彼らしいコメントだ。
以下はトヨタ好きの人は読まない方が、精神衛生にいいだろう。
トヨタの市販車を見ると、安くて壊れなくて、ガソリンを食わない、という車が欲しい人向けの車ばかり。
ル・マン24時間を熱心に観戦するような車好きが、なるほど、と思える車がないというのが現状だ。
あれだけの利益を出しているのに、ゴルフ並に運転していて魅力のある車が一台もないという現実。
最近出した、1300万円もするレクサスも、ハイブリッドは相変わらずのトランスミッション。
多くの自動車評論家は「アクセルを踏んだときの、ラバーバンドフィールはかなり良くなっている」とは書いている。
だが、これだけの値段がする車なのだから、まともなトランスミッションを載せるべきではないだろうか?
またエネルギー回生システムが組み込まれているブレーキシステムのフィールもイマイチだというではないか。
オレが1300万円で何かを買うとしたら、たとえ寝起きで寝ぼけていても、トヨタ車は買わないだろう。
911を買った方が幸せになることができるのは、目に見えているからだ。
3台投入という物量作戦でも、ポルシェの二台体勢を崩すことができなかったトヨタ。
いくら金をつぎ込んでも1勝さえできなかったF1の時と同じ展開だ。
さらに凄いのはポルシェは今回の19回目のル・マン優勝を見越していたようなのだ。
何とルマンでの17/18/19回の優勝という3連勝をモチーフにした、Tシャツを用意していたのだった。
車好きが喜ぶ車を作るのではなく、この値段ならここまでは必要ないだろうと見切ったうえで、一定のコスト内で最大の利益を上げることが第一の車作りを続けるトヨタ。
この矛盾がある限り、豊田社長のコメントを額面通り受け取ることはできない。
JSPORTSをハジメとした日本語解説付きの番組は、すべて終始トヨタのヨイショで終始。
スポンサーでもある、トヨタの金の力は凄いものだった。
さて来年のル・マンはどうなるだろうか?
その前に、今回の悔しさをバネに、まともな Fun To Drive な車を作って欲しいものだ。
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