一部のトヨタ車のような下品な鼻と口ではなく、ダイナミックで上品なデザインではないだろうか。
アクティブなイメージを与えるフロントのLEDライトは、常に自動的に点灯されるため、消すことはできない。
丸っこい、ボリュームのあるハナ先。駐車場では探しやすいクルマだ。
セダクションは15インチのアロイホイール、パトリックが装着されている。
外寸は全幅が5ナンバー枠を少しはみ出すサイズ。
全長3955mm×全幅1730mm×全高1530mm。
リアはシンプルで端正な造形。
ラウンドフォルムと呼ばれるお尻は文字通り丸い。
曲線の美しさと、テールエンドのクロームが上質感を醸している。
ポロやホンダ・フィットと同じBセグなので、取り回しのいい手頃なサイズ。
メーターは数字のレタリングが洒落ている。
メータの指針も、しっかりデザインされている、というこだわり。
日本車の画一的なデザインとは違った、こうした個性はさすがシトロエン。
派手な自照照明のライトでしかアピールできない日本車とは大違いだ。
メーターパネルを覆うメータークラスターは、前方に光を通すスリットを設けたユニークなデザイン。
「フローティングバイザーと呼ぶらしいが、宙に浮いているように見せるため、カバーの下にスリットがある。
確かポルシェ・ボクスターも同じような仕掛けだった気がする。
手の平の感触が気持ちいいので、ナデナデしたくなる、シフトレバー。(笑)
2ペダル式の5段MT「ETG5」(オートマチックモード付き)
エンジンは1.2リッター直列3気筒「EB2」で 82ps/5750rpm、12.0kgm/2750rpm。
アイドリングストップがついている。
クリープ機能のほか、登り坂での発進時にずり下がりを防ぐヒルスタートアシスタンスも装備されている。
助手席は、グラブボックス部分がえぐられ、出来るだけ広いニースペースを広く確保しようとするデザインだ。
ただ、フロントシート用のカップホルダーはない。
シフトレバー後ろのコンソールの後ろに、一つだけボトルを置くことのできる窪みがあるだけ。
後席は3人掛けだが、中央席でもフカフカの座り心地。
こういう所も手抜きせず、しっかり作り込まれている。
さすがシトロエン。
ウィンドウやドアミラーの調節スイッチ。
セダクションでも、USB接続にも対応した6スピーカーのHiFiオーディオシステムが、標準装備されている。
イコライザーは、あらかじめプリセットされた何パターンかが用意されている。
好きなタイプを選択すれば、音楽を巧くまとめてくれる。
サウンドは全体にバランスが良く、このクルマのキャラに合った音だ。
エアコンの吹き出し口は、シトロエンらしい捻ったデザイン。
上下2層に分かれたダッシュボードの上部は「サーモコート」仕上げといういわゆるソフトパッド。
安い素材でも、メタル調パネルやメッキパーツを巧く組み合わせ、エレガントな感じをうまく醸しだしている。
ハザードスイッチも、「なまめかしい」形状。
上の空気吹き出し口さえ、曲線の案配は、注意深くバランスされたラインで構成されている。
味気のない「ただの丸い吹き出し口」のクルマは多い。
だがC3は、一見普通っぽいインテリアだが、注意深く見ると、とてもエレガントだ。
シンプルでクリーンでありながら、一捻りしてあるデザインのダッシュボード。
しかも癒し系のシトロエンらしい、DS5より遙かに洗練された乗り味に包まれ、移動できるのだ。
マニュアルモードだとパドルで選んだギアは、リミッターに当たっても、そのまま保持される。
実に「嬉しい仕様」ではないだろうか。
こういうところが、このクルマのいいところだ。
コンソールのピアノブラック塗装は、ゴルフもプリウスも採用しているが、今のハヤリなのだろうか?
指紋や埃が目立つので、結構汚くなりがちだ。
これは安い方のセダクションなのでシートはファブリック。
バケットシートのように包み込むのではなく、気楽に腰掛けるタイプのシートだ。
ルーズに座っても座り直さなくてもよい、自然なフィット感は、まさにフランス車。
運転席にはハイトアジャスターが付いている。
ゼニス・ウィンドウ
C3のユニークな特徴は、ゼニス・ウィンドウと呼ばれるこの広いオデコ。
ちなみにゼニス(天頂)とは天文学で、地上の観測者から見た真上方向の一点、つまり90度真上を指すという。
C3なら車内に居ながらにして、「ゼニス」が観測できるというわけだ。
バックミラーの位置でわかるように、上へ伸びる広大な視界が開ける仕掛けだ。
ガラス上端は着色されている。
直射日光をやわらげるため、通常のティンテッドガラスに比べ熱の伝導率は5分の1以下。
紫外線の透過率は12分の1以下というスーパーティンテッド加工が施されている。
スライディングサンバイザーは任意の位置で固定することができる。
これは最も下ろした状態。
こちらは最後部まで開けた状態。
これは最も下ろした普通の状態でまんま普通のクルマだ。
手で掴んで後方へスライドさせる仕組みで、途中で止めることもできる。
最後部まで開けると、空まで見える状態。
雨が降ると、真上から水滴が降り注ぐ様を見ることができる。
というわけだが、長くなるのでインプレッションは続編へ続く・・
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