前回からの続きで最終回。
結局はスピーカーを枕とツライチの高さにセッティングするのが、音域バランスやまとまりの点から、ベストという結果になった。
今回のセッティングでは、下記写真のようにスピーカーと耳の位置が非常に近くなる。
そのためだろうか、通常のセッティングだと低いかなあ・・という位置が意外に良いバランスで聴こえるのだ。
何事も実際にやってみないと、わからないもの。
聴き込んでみると、このスピーカーは中高音の分解能が高く、しかもサイズが小さいためだろうか、あまりボリュームを上げなくてもかなり良い音で鳴ってくれる。
たとえば、ピアノの高音部分の特徴でもある、いわゆる「芯のある独特の音」もきちんと再現してくれる。
しかもこのシステムだと、低音域と中高音域とのバランスは、ファンソニックとスピーカーの音量で調整することが可能なのだ。
低域に寄ったバランスで聴きたいときは、iPhone 側の音量を上げると、ファンソニックの低音部が大きくなり、スピーカーを駆動するアンプを絞る。
低域を絞ったバランスにしたければ、iPhone 側の音量を下げ、スピーカーを駆動するアンプの音量を上げればOK。
予想外だったのは、イアホンでなければ、駆動騒音が気になるだろうというイメージを持っていたのだが、いざスピーカーを鳴らしてみると全く違っていた。
とにかく耳のそばでスピーカーが鳴るためだろうか、音楽が流れ始めると 酸素カプセルやエアコンの駆動騒音は、ほとんど気にならなくなる。
これはホント意外だった。
音質そのものは、SHURE SE535LTD-J には敵わないが、スピーカーから空間へ放射される音楽は、圧迫感がなくとても心地よい。
基本的なセッティングが終わったら、あとはファインチューニング。
まず、スピーカーの上に載せる鉛の「おもり」を注文。
最近は表面をペイントしたダイビング用のカラーウェイトがあるので、2キロを4個注文。
スピーカー自体の重さは、1本2.4キロ。
その上に4キロの「おもり」を載せようというわけだ。
スピーカーは構造上、スピーカー本体のいわゆる振動する部分は動いてもいいが、ボックス部分は動かない方がいい。
「おもり」を載せることで、箱自体が重くなる。
すると箱は動きにくくなり、音はクリアになり、雑味のない抜けのよい音になるわけだ。
上の写真が最終的なセッティング状態。
最後にオフィスで使っているフォステクス「HP-P1」を繋いで鳴らしてみる。
iPhone からデジタルで高音質なポータブル ヘッドホンアンプを通し、デジタル信号をアナログ信号に変換(DAコンバート)することで、音が良くするという仕組みだ。
iPhone の安いDAコンバーターとは、投入されているコストが違うため、一線を画するサウンドに変身させることができる、いわゆる必殺アイテム。
試聴すると分解能はさらに一段上がり、ハイスピードでキレのよい一皮剥けた見事なサウンドだ。
まあ値段が値段だから当然なのだが・・
このレベルの音の心地よさは別格で、4曲ほど聴くと、気持ちよく寝てしまうようだ。
カプセル内でこの音を聴いていると、ほとんどのケースでアルバム全曲を聴き終わる前に爆睡してしまうことが多い。
というわけで最近は、目が覚めると音楽は止まっている状態で、2時間以上爆睡していた、というパターンが増えている。
というのは、iPhone 側でリピートをしないセッティングだからだが。
もちろんリピート設定にすれば、延々と繰り返すわけだけどね。
そのせいだろうか、とにかく身体が軽く、どんどん調子がよくなってきている。
一体どこまで行けるのだろうか?