ポジション・ブラインドはなぜ起こるのか?

チェックシートをつけ、エントリー方向と反対のローソク足が出たら脱出をする、という単純なことをその日の全トレードでできるように訓練をする。

これは再三繰り返している基本中の基本なのですが、実際にできる人は非常に少ないのが現実です。

というわけで、今日は「頭ではわかっているのに、アクションが起こせなくなる」という、いわゆる「ポジション・ブラインド」の原因についての考察です。

我々の毎日の生活というのは、ルールを守っているようで、厳密にはほとんどルールを守っていないことが多いのです。

ルールを破って生活をしていても、実際の生活ではそれほど困ることはないのが現実。

それどころか、ルールを守ろうとすると、毎日の生活そのものが楽しくなくなるように感じることの方が多いのです。

つまりルールを破る習慣を毎日繰り返しているというのが実態で、頭の中には、すでにそういう回路ができあがっているのです。

ですから、こうした部分を変える訓練をしないで、トレードを続けると、損失を出すことになるというわけです。

  

たとえばダイエットしようとして、甘いものを控えようと考えるとします。

ですが甘いものを全く食べないで、一週間過ごすことができるでしょうか?

多分無理でしょう。

なぜなら「甘いものを控える」と決めたのにそれが守れないのは、意思が弱いからではないく、別のところに原因があるからです。

「甘いものを控える」ということが守れないのは、計画そのものが守れないものであったり、具体的ではないからということがほとんどだからです。

 

たとえば、甘いものは毎日夕食後に「お焼き」を一個だけ食べるだけ。

というルールを課して、一週間だけ続ける。

これならできるでしょう。

その理由の第一は、一週間だけ続けることができるかどうかを試す、という目的がはっきりしているからです。

  

第二に、毎日夕食後に「お焼き」を一個だけ食べる、という具体的な方法が決まっているからです。

これはトレードにかかわらず、他の仕事や毎日の生活習慣の改善でも同じことなのではないでしょうか?

幸いなことにトレードでは、その結果がストレートに数字としてあらわれるため、判定がとてもよくわかるという利点があります。

  

このように目的を持って、具体的にルールを守る例を、トレードを例にとってあげてみます。

ちょうど一年前に全くトレードをされたことのない人が、セミナー受講後3ヵ月後に実トレードを始められました。

彼はルールを厳格に守った結果、10ヶ月ほどで213戦199勝9敗5分で、累計利益は2千万円以上。ここ一ヶ月だけでも400万円以上という成果を上げることができたのです。

成功した理由はただ一点だけ。

彼はルールを徹底して守ったのです。

 

ですがこのように長期間にわたってルールを守るということを続けるのは、毎日夕食後に「お焼き」を一個だけ食べるだけというルールを一週間だけ続けるよりも、かなり難しいことなのです。

こうしたより難しいことをやり遂げるには、ストレスを減らす方法を考える必要があります。

トレードでは慣れと適切な訓練によって、トレードの判定に関わるストレスを減らすことが大事なのです。

つまりストレスをどのように扱えばいいのかという点は、トレーダーにとって、非常に大事なポイントとなるのです。

 
ストレスは2つの形態から成り立っているるのですが、それは心配事と恐怖による逃避行動です。

我々の脳が処理できる能力というのは限られているため、もし心配事や恐怖心で頭が一杯なら、正しい決定をするためのスペースというのは、ほとんど残っていないことにな ります。

そのため正しい判断とアクションを決定し、それを実行に移すことは非常に難しくなるのです。

 

また恐怖による逃避の心理は視野を狭くします。

そのため、トレードの初期の段階や今まで行ってきた反応パターンを、繰り返そうとするのです。

ストレスを受けた状態で下す判断で多いものは「決定をしない」という判断です。

 

それは言い換えると、人や外部からの情報に従って行動しやすくなるということになるのです。

つまりより安易な行動をとろうとするのです。

だがここで考えなければならないのは、安易な行動が正しかったケースというのは非常に少ないという点です。

 
このように人はストレスを受けると、群集心理に従いやすくなるのですが、その理由は他人の行動に従うというのは、楽で簡単だからです。

大勢に従っていれば、自分で決定する必要はなくなるからです。

そうして、自分を守るためにストレスを感じなくなろうとするのです。

ですが、えてして大勢に従った結果というのは、往々にして望んでいない結果をもたらすことが多いのです。

そして今度はさらにまた、より強いストレスを受けなくててはならないハメに陥るというわけです。

 
このようにトレードではストレスを減らすことを考えることが大事になります。

ストレスを受けると、決断により多くのエネルギーを費やすることになります。

たとえば約定が戻ってこないとか、執行に時間がかかるとか、チャートが見にくいなどといった解決できる問題は、早急に解決して、ベストな状況でトレードを続けるべきなのです。

そうした難しさがあると、その苦しみを避けるため、結局は今までの方法を続けるだけになってしまうのです。

このような理由で、無駄な労力を費やしても、より多く儲けることはできないのです。

その結果として余計なエネルギーを使うだけで終わってしまうことが多くなり、結局は選択の範囲を狭め、成績を悪化させることに繋がるの です。

 
大事なことはストレスの原因を突き止め、抵抗力をつけることで、ストレスの感じ方を違ったものにすることで、ストレスをより少なく感じることができる ようになります。

成功を収めているトレーダーの、損失に対する考え方は、一般人とは違っていることが多いのです。

トレードがうまくゆかない人というのは、損をすることに対してより不安な感情を抱いています。

ですが、成功しているトレーダーは、損を必要でありそして不可欠なものとして考えています。

ロスは成功のためのコストであり、必要な要素なのです。

 
我々は、儲けたい、成功したい、失敗したくない、幸せになりたい、などといった風に心の中に目的の異なるいくつかの願望を持っています。

ですが普段はそれを常に意識することはありません。

ですがそうした願望というものは、その目的を達成しようと、その人に常に働きかけるものなのです。

そのため複数の目的は、お互いに矛盾を生み出すことがあります。

こうした理由で、目的や願望を達成したい場合は、意識してそれらを整理し、単純化し、順序だてることで、そうした複数の目的を調和させることができます。

 
多くの人はストレスを受けると内面が感情的な状態になります。

そうして感情的なままの状態でトレードを行っています。

問題の多くは、感情のコントロールがうまく行かないことが、原因となっているのにです。

そうした問題を解消するためには、感情をコントロールする方法を学ぶことです。

トレードを成功させるには正しいルールのもとで、訓練を繰り返すことが大事になります。

  

またさらに、ストレスを減らす工夫と同時に、カラダの持つ筋肉の力や、姿勢、息、筋肉の緊張を変えることで、自分の感情が驚くほど変化すること も知る必要があります。

そして決定のプロセスについても、日常的な慣習に従うのではなく、効率の良いシンプルな方法で行うべきなのです。

トレードという仕事では、こうした点はかなり厳しい条件のため、トレードで成功すると、金銭的な部分だけではなく、他の部分でも、実際の生活に大きな影響と変革に繋がることが多いのです。

このような今まで説明したような点は、他の物事や仕事においても実は共通することのため、これらのノウハウは実に有効に働くのです。

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